スタニスラフスキー書簡(1881年3月1日)友人シュレジンゲル宛
コーリャ(ニコライの愛称)へ
もし今日の晩に暇だったら私たちのコンサートを聴きに、豪華絢爛の舞台を見に来ないか。お客のほとんどはフロックコート姿だ。8時より前に来るように頑張って欲しい、16人で演奏される『アフリカの女』の行進曲を聞きたいから。
ココーシャ(スタニスラフスキーの愛称が変化したもの)
明日の「弱い糸」の稽古で待っています。
【解説】
ニコライ・シュレジンゲルはスタニスラフスキーより6つ年上の友人。演劇サークルのアレクセーエフ・サークルのメンバーだった。ウラジーミル・アレクセーエフ社の社員として働いていた。
「弱い糸」というヴォードヴィルは1881年の夏にリュビーモフカで上演されたが、この上演にシュレジンゲルは参加していない。
「アフリカの女」とはジャコモ・マイアベーア作曲の5幕6場のオペラ。