待機児童の厳しい現実
1. はじめに
数年前から、話題になっている“待機児童”。実際に子供を預けることができず、働く環境が整っていないというお母たちも数多くいるだろう。ではなぜ、このタイミングで待機児童が増えたのか。
それを「1.時代の変化 2.働き手の減少(低所得) 3.隠れ待機児童」の3つの視点から見ていくとともに、対策と待機児童が増えるとなにが問題なのか、ということも考えていく。
2. 現状
本題に入る前に少し現状について、触れておこうと思う。
現在、日本の待機児童は約2万人。少しずつ減ってきてはいるが、それでもまだ2万人の待機児童が日本に存在する。日本の中でも、一番待機児童が多いのはどこだろうか。なんと
「東京」なのだ。その次は、兵庫・沖縄・千葉・埼玉と続いていくが、これらは、「子供の需要に対して、保育士の供給が追い付いていない。」ということが背景にあるようだ。これは前回投稿した「医師不足」とも関係がありそうだ。(見てない人はそっちも見てね)「子供の需要に対して、保育士の供給が追い付いていない。」この文言と「患者の需要に対して、医師の供給が追い付いていない。」ここが完全にリンクしているのだ。ここはなかなか面白い所で
おそらく、医師と保育士の「需要と供給が崩れている」というところで一致したのだろう。このことからも日本の様々なところで「需要と供給が崩れている」という事態が起こっていることが分かる。少しずれたがここから原因を見ていこう。
3. 原因1「時代の変化」
それでは本題。まず、なぜこのタイミングで待機児童が増えたのか。それは時代の変化を考えれば、何となく想像がつくかもしれない。例えば、戦前。家事や子育てなどの家のことは大体、妻がやり、夫は仕事に専念する。だから、妻は一日のほとんどを家で過ごす。そのため、わざわざどこかに預けなくても、特に問題ないのだ。しかし、現代に目を向けてみよう。今の時代に、妻が一日中、家にいるという家庭はどのくらいあるだろうか。戦前と比べて、女性でも仕事に就く女性が増えているのではないか。そう考えると、子供を預ける場所が必要になる。このように、時代の変化とともに、必然的に保育所が必要になり、結果的に需要と供給が崩れる。つまり、先ほど言ったようにワースト5の県は、需要と供給が崩れているのだ。
4. 原因2「働き手の減少(低所得)」
次に働き手の減少についてみていく。当然、保育士が減れば、受け入れられる限界も下がる。
ではなぜ、保育士は減少していくのか。ここでは「減少=退職」で考えたいと思う。
保育士の減少=保育士の退職と考えると、なぜ保育士は退職するのか。ということを考えれば、答えが出てきそうだ。そこには、保育士が「辞めたい」と思うような原因が一つあった。
それは「低所得」だ。簡単に言うと給料が少ない、ということだ。その証拠に、東京都福祉保健局が作成した「東京都保育士実態調査結果」を見てみると、低所得を理由に退職した
人は、なんと結婚・仕事量についで3位となっている。そのため、若い保育士は、すぐに退職してしまう。これは、幼稚園も例外ではない。自分の弟が自分と同じ幼稚園に通っていたのだが、その時には、自分の知っている先生は、ごく一握りの年配の先生だけなのだ。このことからもわかるように、保育士を集めるには、所得を上げる必要がありそうだ。
5. 原因3「隠れ待機児童」
最後に原因として、挙げられるのが、「隠れ待機児童」だ。というのも、希望した認可保育所などに入れないにもかかわらず、国や自治体での待機児童のカウントに入っていない児童のことを言うのだが、この隠れ待機児童を含めると、日本全体の待機児童は7万人にも及ぶ。では、なぜ隠れ待機児童が減らないのか。それは、簡単なことで原因1・2が改善されないからだ。つまり、原因1・2が改善されれば、隠れ待機児童も減る。ということだ。
具体的には、隠れ待機児童もカウントされていないだけで、待機児童と何ら変わりはない。
よって、特に特別な配慮はいらない。ということだ。
6. 対策
ここまで、原因を見てきたが、「どうすればいいのか」ということを見ていく。
改善に必要なことは主に2つに絞られる。1つ目は「保育施設の増加」だ。そもそもの保育できる場所(環境)がなければならないからだ。しかし、ここでも問題は山積みで、「土地はどうするの?」「施設が建っても保育士がいないとどうするんだ」などなど様々な問題がある。
2つ目は「保育士への待遇改善」だ。具体的には、所得の改善や仕事量への工夫・制度などだ。つまり、この2つに共通するのは、【保育全体の環境改善】だ。これを国として徹底して行い、今の時代の母、そして次世代の子供たちを守れる環境を作らなければ、ならない。
7. まとめ
以上の点から、「待機児童」という問題に私たちは「子育てママだけの問題」と捉えすぎていたのかもしれない。徐々に時代が変化していく中で、常にその時その時の現状に対して、ベストな対応を臨機応変にこなさなければならない。「他人事ではなく、自分事。」という思考を常に持ち、一つ一つの社会問題に対して、しっかりと向き合わなければならない。
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