【自主ゼミ】産学官共創ゼミデリジェント最終回 2024/7/8
2024年Sセメスターから始まる東京大学教養学部自治会公認の自主ゼミ「産学官共創デリジェントゼミ〜将来の進路、人脈、価値観を広げるためのアクティブラーニング〜」の最終回を7/8に実施いたしました!
デリゼミは、「社会課題解決に資する人材・リーダーの育成」を理念に、「どの分野・どの職種でも活かすことができる能力である、課題解決能力を学び・実践する」ゼミです。
各分野のエキスパートの方がご講演してくださいますが、少しでも多くの東大生にキャリアの選択肢をが増える契機になったらという思いから運営されています!
初回ガイダンスに関する記事がnoteにあがっていますので、どんなゼミか詳しく知りたい方は是非ご覧ください!
最終回では、なんと、経営学分野で初の文化功労者に選ばれるなど、経営学の第一人者であられる、伊丹敬之様にお越しいただき、非常に有意義なご講義をしてくださいました!
伊丹先生のご経歴
伊丹敬之さんは1945年愛知県豊橋市生まれ。一橋大学商学部を卒業後、カーネギーメロン大学で経営学博士号(Ph.D.)を取得。一橋大学大学院商学研究科教授や東京理科大学大学院イノベーション研究科教授を歴任し、2017年から2023年まで国際大学学長を務めました。2005年には紫綬褒章を受章し、2023年には経営学分野で初の文化功労者に選ばれました。著書には「日本企業の多角化戦略」や「日本型コーポレートガバナンス」などがあります。
キャリア形成で大切な考え方
伊丹先生には、ご自身のキャリアを振り返って、どのようにキャリアを形成していくべきかについて、お話ししていただきました。
キャリア計画は良いことか?
先生は、キャリア計画を立てることは、必ずしも良いことではないと考えているそうです。なぜなら、キャリアを形成するうえで、すべてが計画通りに行くわけがないからです。では、どのようにしてキャリア形成すれば良いのでしょうか?
偶然から必然を引き出す
「生きていく中で、偶然の出会いや出来事が起き、そこに意味を見出せるよう懸命に努力をすれば、偶然ではなく必然だったと言えるような気づき・発見が生まれる」このような考えを、先生は「偶然から必然を引き出す」と呼び、重視しているそうです。
偶然から必然が引き出されることは、実際によくあることで、例えば、2002年にノーベル化学賞を受賞した、田中耕一氏の研究も、偶然がきっかけとなり始まって、懸命な研究の結果、新たな真理が明らかになりました。
この考え方は、研究だけに役立つわけではなく、キャリア選択においても有用です。偶然の出来事がきっかけで、今まで興味がなかった仕事をしてみた結果、意外に面白くて、偶然ではなく必然だったと言えるような天職が見つかるというのはよくある話だと思います。
このように、綿密な計画を立てても、その通りに進むことはあり得ないので、計画に執われるよりも、流れに身を任せて偶然の機会を大切にし、過去を振り返った時に、その偶然が自分にとって必然だったと思えるように懸命に努力を続けることが重要だと仰います。
なお、ただ漠然と生きていても、偶然の機会すら得られないので、偶然が起こる前も、積極的に行動することを忘れないでほしいと仰います。
以上をまとめると、「積極的に行動することで偶然の機会を獲得し、その偶然が必然だったと思えるように、懸命に努力を続ける」ことがキャリア形成において重要な考え方だと言えるでしょう。
終わりに
自分自身、キャリア形成に不安を抱えていましたが、伊丹先生のご講義を聞いて、
「色々なことに積極的に取り組み、巡ってくる偶然を掴む」
これくらいシンプルに考えて自信を持って生きていけばいいのだなと、感じて、心が軽くなりました。
受講生からも、「このような考え方は斬新で、シンプルに考えて生きていくことが大事だなと気付かされた」などの感想を多数いただき、大変好評でした!
今回のデリゼミは、まさに最終回に相応しいような学びと発見に溢れた非常に有意義な時間でした!
伊丹先生、お忙しい中、ご講義してくださり、改めてありがとうございました。
ゼミ全体を振り返って
2024年度Sセメスターのデリゼミは、今回で最終回となりました。毎回、非常に有意義な学びが得られる内容で、僕自身、たくさんのことを学び、視野を広げることができました。
ゼミを続けられたのは、皆様のおかげです。
ゼミ運営を支えていただいている井野先生、お忙しい中ご講義してくださった講師の皆様、6限という遅い時間ながらも、熱心に参加してくれた受講生、そして、運営メンバーのみんな、この場を借りて改めて感謝させていただきます。本当にありがとうございました!!
デリゼミはAセメスターでも開講予定です!
デリゼミでは、各分野の最前線でご活躍している方々をゲスト講師としてお招きし、学生と社会をより密に繋ぎ合わせる場となっています。毎回非常に実りある内容となっておりますので、学生のうちから社会のリアルな様相を覗いてみたいと思う方は、ぜひゼミに一度足を運んでみて下さい!
弊団体の他の取り組みについても興味を持ていただけた方はぜひこちらの公式HPをご覧になってくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
文責:向橋卓寛