【離島デリ・2024春】SUPとマングローブ探検@西表島(3/20)
はじめに
はじめまして。東大Diligent②離島ゼミに所属している、文学部3年の馬場です。本稿では、八重山研修2日目に体験した西表島でのSUPについてお伝えします。海でのアクティビティは今までやってこなかったので、不安ながらもとても楽しみにしていました!
西表島の自然
西表島は、東洋のガラパゴスともいわれるほど多様な動植物が生息する八重山諸島最大の島です。島全体が西表石垣国立公園に指定されており、天然記念物のイリオモテヤマネコやカンムリワシなどの固有種が生息する豊かな自然が魅力です。
西表野生生物保護センターに訪問した際の記事はこちら↓
島のほとんどがジャングルで覆われており、コンビニエンスストアはなく、食料や日用品などは港周辺のスーパーや商店で購入することになります。東京とはまるで正反対な島の風景に圧倒されながら、ガイドさんの車に乗ること数分、SUP出発地点に到着しました!今回は、西表島で2番目に大きな川である仲間川でSUPをさせていただきました。
いざSUP!
SUPとはスタンドアップパドルボードの略で、ハワイ発祥のウォーターアクティビティです。サーフボードより少し大きいボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいきます。SUPの魅力は、初めての人や運動神経に自信がない人でも楽しめる点にあります。
実際、SUP未経験&運動神経皆無のわたしが乗ってみても、ガイドさんの分かりやすい説明のおかげですぐに立って進むことができました。方向転換についても、漕いでいるうちにだんだんとコツを掴んで行きたい方向に行けるようになりました。(慣れないうちは仲間にぶつかったりもしてしまいましたが笑)
ボードに慣れたら、あとは楽しむだけ!何より、東京の日常では絶対に味わえない水の上の開放感と景色は別格で、つらいことも全て忘れさせるような破壊力がありました。亜熱帯独特の森林が両サイドに広がり、手付かずの自然の原風景がどこまでも広がっています。この日はまさに雲一つない快晴だったことに加えて、わたしたちの団体以外にSUPをやっている人はいなかったため、まるで川とジャングル、島全体を貸し切った気分で、とても気持ちが良かったです。
マングローブ探検
SUPで川の上流に向かって漕いだあとは、マングローブ林の探検をしました。
本州にはない植物や生物に興味津々なわたしたちは、何かを見つけるたびに足を止めて「これはなんですか??」とガイドさんを質問攻めにしながら、道という道がない森をどんどん歩いていきました。中でも印象的だったのは、地上に突き出した平たい板のような根を持つ大きな木です。
これはサキシマスオウノキと言って常緑性の高木で、日本国内では西表島や石垣島、沖縄本島、奄美大島など、南方での生息が確認されています。石垣島にある「ンタナーラのサキシマスオウノキ群落」と西表島にある「古見のサキシマスオウノキ群落」は天然記念物にも指定されています。この特徴的な形状を描く巨大な根は板根(ばんこん)と言います。
どうして板根ができるのでしょうか。これは熱帯の土は層が薄く、根を土の中に深くはることが困難だからです。そこで根が板状にはりだし、倒れないように樹木を支えるためだといわれています。また巨大な根は栄養分が少ない地面から、効率的に栄養を吸収する役割も持っています。
マンブローブを歩いた先には、島の人が神聖な場所としてあまり足を踏み入れない場所がありました。ガイドさんの話では、島には神聖な場所がたくさんあるそうです。人間と共生できる自然もあれば、共生しないと人間が線引きをしている自然もあるのだということをわたしたちは再確認しました。SUPをしながら、「島を貸し切ってる気分!最高〜〜!!」などと思っていたわたしでしたが、こんなに最高な気分でいられるのは自然のおかげであるということも思い出し、自然に感謝しました。
ジャングル探検が終わったら、またSUPでもとの場所に戻りました!帰りは下流だったので、ボードに寝そべってスイスイ流されながら進むのがまた気持ちよかったです。
終わりに
今回のSUP体験で一番印象に残ったのは、壮大な景色はもちろん、ガイドのケンさんのお話でした。ケンさんには、SUP中に目に入った植物や生き物に始まり、ガイドになったきっかけから西表島での移住生活についてまでたくさんのことを教えていただきました。自分の仕事について誇りを持って語る姿、西表で暮らす毎日が楽しいと生き生きと話す姿に刺激をもらい、自分もこういう大人になりたいと思いました。
わたしは、素敵だと思ったお仕事ほど、その仕事をしている人に直接大変なことや辛いことを聞くようにしています。ハイシーズンに島の自然を満喫しながら働き、オフシーズンには海外旅行をしたり雪山で過ごしたりと夢のあるガイドとしてのお仕事ですが、お客さんの大切な命・時間・お金を預かる仕事ということで常にプロ意識が必要で、責任感を伴います。さらに、小さな南の島での移住生活は、島独自の厳しいルールに従い、現地の方に受け入れられる努力も必要だということが分かりました。
今回の八重山研修は現地の観光資源をただ消費するだけではなく、現地の方々と繋がりを持ち、お話を聞かせていただき、生活を感じ、また最高の仲間とそこでしか語れないことを語り合うことができ、わたしにとって大きな宝物になりました。今回学ばせていただいたことを忘れず、また島への憧れも心に抱きつつ、これからの大学生活に繋げていきたいと思います。
文責:馬場遥
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