【自主ゼミ】産学官共創学習ゼミ第七回 2023/11/13
今回のnoteでは、産学官共創学習ゼミ(通称:デリゼミ)の第7回の講義の様子をお届けします!
デリゼミは、「卒業後の進路・人脈・価値観を実践的に広げる」ことをテーマに、産・学・官の各領域の第一線で活躍されている方々の講義を通して、新たな価値観や可能性を発見し、さらにレベルアップした実践を目指していける場となっています。
また、このゼミの運営をしている東京大学Diligentは、東大生のキャリア形成のために様々な実践的活動を行っています。
▼少しでも興味のある方はぜひ、ホームページをチェックしてみてください!(途中参加も可能です。)
産学官協創学習ゼミ↓
東京大学デリジェント↓
さて第7回は、前回まで連続していた特別講師による講演から一旦離れて、本ゼミ講師の井野考紀さんによる講義でした。テーマは「マネジメントとリーダーシップ」です。
どんなに徹底的に考え抜かれた素晴らしいプロジェクトの戦略であっても、実行されなければ意味がありません。VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)ともいわれる、不確実で先の読めない現代社会におけるビジネスは、特定の分野の専門的なスキルではない、「組織に関する力」が不可欠だと言います。
「いかにいい組織を作るか」がプロジェクトの成功の大きな鍵を握るということで、チームマネジメントにおいてリーダーがやるべき2つのことを教えていただきました。
一つ目は、「目的を明確化し、メンバーに伝えること」です。「目的が具体的に言語化され、他のメンバーがいつでもみられ、ことあるごとに伝え、共有できているのか」が非常に重要だそうです。これは一見単純で当たり前のように見えますが、意外とできていないことが多く、これができれば8割がたチームは上手くいくとおっしゃっていて驚きでした。
「どうしたらよいのか」の方法・具体的な行動を答えるのは簡単ですが、いつでもそうしているとすべてリーダーに負担がいくため、やがてリーダー・チームともにパンクしてしまいます。最初は時間がかかるものの、毎回丁寧に、根気よく目的を伝えていくことで、メンバーは目的に沿った行動基準が分かり、やがて自ら考えて行動できるようになるため、結果的にリーダーの負担は大幅に減ります。それによりリーダーは本来時間を充てるべき他の様々な重要な仕事に取り組めるようになり、チーム全体の質が上がっていくそうです。
二つ目は、「役割に適切な人材を割り当てること」です。チーム全体で目的が浸透し、進むべき方向性が見えてきたら、次に大切なのは達成するのに必要なことを明確にしていき、チーム全体のパフォーマンスが最大化するように仕事をアサインしていくことだそうです。その中で、目標達成のためにやるべきこと(Must)、メンバーがやりたいこと(Will)、メンバーの得意なこと(Can)の3つがうまく重なり合うところをしっかりと見極め、調整していくことがリーダーの役目なのです。
この二つを通して私が強く感じたのは、「一人一人との密なコミュニケーションがいかに大切であるか」ということです。まずはリーダーが、メンバー一人一人にしっかりと向き合って、メンバーの声に耳を傾け、どんなことも受け止めた上で、よりよい関係性のあり方を目指してお互いに歩み寄っていくことが何より大切なんだなと思いました。その中での言葉遣いも色々と工夫できることが沢山あるということも分かりました。「本音を自由に発言してもよい」という「心理的安全性」を担保するための様々な声掛けの例を挙げていただき、中には「もし自分がとんでもない間違いをしても、そういう風にとっさに応えられるリーダーがいたらなんと心強いことか!」と思うようなものもたくさんあり非常に勉強になりました!
他にもMIT教授の、組織の成功循環モデルやGoogleリサーチチームの「効果的なチーム」の調査も紹介され、チーム内の相互信頼性・相互尊重性の大切さが浮かび上がってきて面白かったです。
質疑応答の時間でも、ゼミ生から具体的な質問が多く投げかけられ、井野さんに丁寧に答えていただきました。
今回は、戦略を実行するためのリーダーのやるべきことについて深く理解することができました。これはビジネスの場面に限らず、サークルや委員会など私たちの身近にもある、あらゆる組織運営の場面においてもすぐに役立てられるので、今日から実践していきたいと思います!
このゼミでは、ゼミ講師の井野さん講義とゲスト講義の2本立てで、学問的な軸と実践的な軸の両方から、今後必ず役に立つであろうことをたくさん学べて、とても刺激的で、楽しいです。ぜひ、皆さんも一緒に学びましょう!
▼詳しくはこちらをご覧ください。
文責:八木理緒
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