【自主ゼミ】産学官共創デリジェントゼミ第9回2024/06/10
6月10日月曜日6限に産学官共創デリジェントゼミ第9回がありました。
今回は担当講師の井野先生に「付加価値の作り方」についてお話しいただきましたので、その内容をお届けします。
産学官共創デリジェントゼミは、学生団体東京大学Diligentが主催する、月曜6限に駒場で開講している学生自治会認定の自主ゼミです!東大生のキャリアを広げるために、各分野の第一線でご活躍されている方をお呼びしてどのようにキャリアを選択したのかお聞きしたり、グループディスカッションをしたりします。
本ゼミに興味を持っていただいた方は、以下の記事に初回ガイダンスの様子が掲載されておりますので是非ご覧ください!
担当講師の井野さんは、数多くの起業とM&Aをされたご経験を持つ、シリアルアントレプレナーです!今回はライフキャリアパートの第3回目として、「付加価値の作り方」についてお話しいただきました。
付加価値という言葉は前回お越しいただいた岡本さんの話や進藤さんのお話の中でも出てきた重要なキーワードになります。今回はその付加価値を実際の事業の中でどのように生み出すかという点について徹底的にふかぼっていきました。
↑こちらが前回のゼミの記事になります!併せてご覧くださいね。
イントロダクション
今回参考にさせていただいた書籍の著者の方はキーエンス出身だそうです。昨年2023年Aセメスターに開講した際に抗議をしていただいたM&A総合研究所の佐上俊作社長も中途採用でキーエンス出身の方を多く採用しており、その独自の営業モデルから大注目されている有名企業です。
東大生の中でも年収が高いことでよく知られている企業ですが、どのような秘密が隠されているのでしょうか?
価値はお客さんが決めるもの
井野さんはまず最初に、価値とは『お客さんが』感じて、決めるものであると強調しました。そして付加価値を生み出すためには、お客様のニーズ、すなわち困りごとを考えることが必要であるとのこと。ここまで聞くと、いかにもそうだな、と思うのですが、実際にはどうすれば良いのか。その話が次の話につながります。
価値を見出してもらっているか評価するのには、①買うという意思決定に影響を与えているか、②本当に使うか、③役立つか、というこの3つの軸で考えるのが有効だそうです。
例えば、洗濯機の開発を例にとると、洗浄力No.1を売りにしても実際には売れない。それはなぜか。実際に考えてみてください。洗浄力に強く不満を抱くことはなかなかない。抱くとしてもそれは洗濯機自体というより洗濯洗剤の問題として捉える。つまりは、洗濯機において、洗浄力の高いものを求めるというニーズはないということです。
機能が良かったとしても、それが必要とされているものでなければ意味がないということですね。
こちらが高いと思っても、お客さんにとっては違う場合も
逆に考えると、商品の値段を決める時に、たとえ高かったとしても、お客様が実際にその商品にそれ相応の価値を感じている場合は売れるということなんです。「少しお高いんですが…」とこちらの視点から値段の安いか高いかを判断するのではなく、売り手に価値を判断してもらい、値決めをするということ、これが特に中小企業においては重要とのことでした。
例えば、記念日のディナー。10万円と聞くと提供する側からしたら高いかもしれない。一方で、せっかくの記念日だから最高級のディナーを提供したいという人もいて、ニーズがあるため、売れる。このエピソードからも、提供する側ではなく、お客さんが価値を決めるということがわかりますね。
潜在ニーズを見つけ出せ
また、付加価値をつけるために重要なのは、すでに皆に認知されている顕在ニーズではなく、まだ見つけられていない潜在ニーズを見つけ出すことだそうです。そのためには、マーケットイン型と言って、実際にお客様が商品を購入して使い、役に立っているのかモニタリングするという方法のほか、とにかく現場に行って幅広い顧客のためになるものを作る標準化、そして世界初・業界初のものを生み出すという手法があることを教えていただきました。
実際に企業をされている井野さんのアドバイスは説得力があってためになりますね。
法人のニーズを探す6つの方法
これらのニーズの提供はどちらかというと消費者向け、いわゆるtoC向けのものです。法人はというとどうでしょうか。これにもしっかりと6つの方法があるとのことでした。
①生産性アップ
②財務の改善
③コストダウン
④リスクの回避
⑤CSRの向上
⑥付加価値アップ
これらについて詳しく書くとかなり長くなってしまうので割愛しますが、きっちりとフレームワークがあるのは驚きました。
どれをとってみても確かに法人が商品を購入したくなるような項目ですね。
最後に
今回は担当講師の井野さんに講義をしていただきました。実践的な内容で、学生起業を志している学生にとって非常にためになる内容だったと思います!
次回はSPACE WALKERから特別講師として眞鍋社長をお呼びします!
ゼミ以外にも、私たち東京大学Diligentの活動に興味を持っていただけた方はぜひこちらの公式ホームページをご参照ください!
文責:千代丸佳依
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