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【2デリ・2024夏研修】8/7,8海中ゴミ回収

 みなさんこんにちは。2デリの伊平です。今回は、夏の石垣研修で行った海中ゴミ回収のアクティビティについて書いていこうと思います。



海中ゴミ拾いとは?

 ビーチクリーンというと、浜辺に打ちあがったゴミを拾う活動ですね。私たち2デリも、今まで石垣でビーチクリーンを何度か行ってきました。今回は、それに加えて、海中ゴミ拾いにも参加しました!海中ゴミ拾いとは、浜辺ではなく、海に落ちているゴミを回収する活動です。浜辺に打ちあがるゴミは、もともと海から来たものです。浜辺のゴミだけでも大量にありますが、浜辺に打ちあがることなく海を漂い続けているゴミが沢山あります。それらは、海の生物に誤飲されたり、サンゴを傷つけたりするなどの害があります。だからこそ回収する活動が必須なのです!

海中ゴミ拾いを行う新里さん

 今回一緒に活動させていただいたのは、漁師であり、シュノーケリングサービスSEATOP石垣島代表であり、そして白保魚湧く海保全協会会長でもある新里昌央さんです。新里さんは、今年春の石垣研修のシュノーケリング体験でお世話になったご縁で、今回一緒に活動を行うことがかないました。新里さんは、普段は漁業とシュノーケリングツアーを行いながら、海中のゴミを回収し、サンゴを守る活動を続けていらっしゃいます。

8/7 海中ゴミの様子を見に行く

 活動は8/7の午前に開始しました。まずは、新里さんと、協会のダイバーお二人とともに船に乗って海中ゴミの様子を見に行きました。今回回収する海中ゴミは、直前の台風で流れてきたもので、新里さんが事前に発見されていたものです。
 天気が心配だったのですが、想定以上に良い天気!青い海に感動しながら船旅を楽しんでいると、前方に何やら海面に浮いているものが見えます・・・。実はそれが今回の獲物でした!遠くからは小さく見えましたが、近づくとかなりの大きさです。どうやら、漁網が大きなサンゴに引っかかっているようです。

今回の獲物!上から見るとこんな感じだが・・・
海の中から見ると驚愕!漁網がサンゴにからみついてしまっています。

作戦!海中ゴミは海中ゴミで制す!

 早速、新里さんと、ダイバーのお二人が潜って海中ゴミの様子を確認し、作戦を立てます。もともとは新里さんとダイバーの方々が海中ゴミを小さく分断し、それを私たち2デリメンバーがシュノーケリングで船まで運ぶ予定でしたが、かなりの大物で水中で切るのが難しそうなので、作戦変更です!海中ゴミとして集めたブイを今回の獲物に括り付け浮かばせて、それを船で陸まで運び、解体するという流れに決まりました!まさに海中ゴミを海中ゴミで制する作戦です!

作戦会議のあとは・・・楽しいシュノーケリングツアー!

 海中ゴミの様子を確認した後は、新里さんのご厚意で、シュノーケリングツアーに連れて行っていただきました!白保のサンゴは、近年の海水温上昇により白化が進んでいるようですが、白化後に死んだサンゴの死骸の上に、新しいサンゴが元気で生きている様子が見られる面白いポイントを訪れました!高温耐性をもつものが出てきているのでしょうか・・・?研究したらすごく面白そうです!そのほか世界に誇る面積のアオサンゴ群集にも行くことができました!多種多様な生き物が手の届く範囲にいる楽しさは、言葉で表せないほどです!!この海の価値を次世代まで残していかなくてはと感じる体験になりました。

白化個体や死骸の上に鮮やかなミドリイシ
アオサンゴ群集
サンゴは小さな魚たちの宝庫です。永遠にみていられます!
手が届きそうな距離にカクレクマノミ!

8/8 いよいよ海中ゴミ回収!

 8/8の午前は、いよいよ本番!海中ゴミの回収に向かいました!海中ゴミにブイをつける作業は、ダイビングの技術が必要となるため、新里さんとダイバーのお二人が行います。2デリメンバーは、みんなの安全を確認し緊急事態には笛で知らせる係、水中カメラで記録する係、糸くずなど小さなゴミを新里さんたちから預かる係に分かれて活動しました。
 サンゴに絡まっていた漁網ですが、ブイが付けられ、徐々に浮かび上がってきました。そのサイズは、なんと新里さんの船位ありました!視界に収まらないようなその大きさにただただ圧倒されました。これを海の中に放置してしまうと、次の台風で、サンゴから外れ、他のサンゴを傷つけながら海の中を漂うことになります。ビーチに打ち上げられたものだけでなく海中ゴミを回収する必要性を実感しました。また、私たちが海産物を何の苦労もなく享受する裏側に、このような大変な苦労があることをしり、本当の豊かさとは何かを考えさせられました。

海中ゴミにブイを括り付ける作業。危険を伴います。
カメラに収まりきらない大きさの漁網!
船まで必死に持ち帰った漁網の屑。ウミガメが誤飲したら大変です。

いざ!解体作業へ

 海中ゴミにブイを括り付け、船で陸まで引っ張り上げた後は、いよいよ解体作業です。そのままではあまりに大きく、業者さんが持ち帰ることができないため、小さくする必要があるのです。漁網はなんと、パン切り包丁で解体します!ロープが何重にもくくりついているのを切っていくのは、非常に大変な作業でした!しかし、うまくほどきながら切ると、だんだんと解体が進み、その面白さに雨の中熱中しました。1時間ほどかけて解体作業を終了した時には達成感を覚えました。

無事浜辺まで持ってこれました!
ひたすら解体。雨の中頑張ります!
解体完了!お疲れさまでした!

楽しさの重要性

 船で移動する間、新里さんから環境保全活動を続けていくにあたって大切なことを伺いました。それは「楽しさ」だそうです。人間、楽しさが全くなくては活動を続けることはできません。だからこそ、大変な中にも楽しい時間を作るよう心掛けているとのことでした。実際、2日間の活動は、大変な場面もありましたが、新里さんからおもしろいお話を伺ったり、美しい海の生態系に感動したり、作業に熱中して達成感を覚えたりと楽しさにあふれたものでした。2デリも、地域の役に立ち、かつ楽しみながら成長できる、そんな活動を続けていきたいなと感じました。

余談 海洋ごみかと思いきや・・・?!

 さて、ここからは余談です(笑)二日目の活動中、私は、海底に何やら淡い青色をした丸い物体を見つけました。なんだか人工的な青色で、もしや海中ゴミを発見したか!と舞い上がりました。ブイを付けた海中ゴミを船に括り付け、船に戻った際に、新里さんとダイバーの方々に報告し、皆さんに見ていただいたのですが・・・なんと海中ゴミではなく丸い形のサンゴでした!(笑)淡色化という白化の手前の現象によって人工的な青色に見えていたのでした・・・💦皆さんお疲れの中無駄足を踏ませてしまった申し訳なさと恥ずかしさで赤面していたのですが、皆さんがこれも勉強!と優しく励ましてくださいました。新里さんが、「潜って触って確かめてごらん。なにかあったら引き上げるから!」と言ってくださったので、全力で潜って触ってみたところ、確かにサンゴの骨格の感触でした!非常に大きな学びになりました。ちなみにシュノーケリングで潜れたのは、今回が初めて!火事場の馬鹿力というやつでしょうか・・・?(笑)

文責:伊平未紀

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