[自主ゼミ]産学官共創デリジェントゼミ 第三回 2024/10/28
2024年度Aセメ産学官共創デリジェントゼミ(通称デリゼミ)の授業を初のオンラインで行いました。
デリゼミは、大学の授業では得られないような、将来の選択肢・人脈・価値観を広げることを目的としています。自治会公認の自主ゼミで、今セメスターが3回目の開催となっています。
以下のマガジンに順次掲載予定です!↓
本記事では第3回デリゼミの内容をまとめたいと思います!
今回も引き続き井野さんによる授業でテーマは「コンサル思考」でした!コンサル思考とは言いながらも、ビジネスの世界で活躍していくためには欠かせない考え方になりますのでぜひご一読ください!
本ゼミの概要
本ゼミの概要に関しては、以下のnoteにまとまっているのでぜひご確認ください!
今回はコンサルタントだけではなく、さまざまな分野でビジネスマンとして活躍していくために必要なのがコンサル思考となります。そこで今回は、コンサル思考とはどういうものなのか、またコンサル思考をどのようにして社会において活かしていくのかということについて井野さんにお話を伺いました。
1.コンサルタントについて
コンサルタントとは?
そもそもコンサルティングサービスとはなんでしょうか。それは第三者のプロフェッショナルの視点からクライアントの抱える課題を分析し、解決のための知見やノウハウをもとに戦略立案や実行支援を行うことです。いわば企業のお医者さんのようなものです。このサービスを提供する専門家をコンサルタント、会社をコンサルティング・ファームと言います。
コンサルタント業界
日本のコンサルティングサービス市場は2019年から年間成長率4.0%で拡大しています。(参考:M&A Capital Partners HP https://www.ma-cp.com/gyou/d12/c86/)
また、企業はビジネスモデルの再定義やデジタルトランスフォーメーションに取り組むことが予想されるため、今後も経営コンサルタントの需要は高まるでしょう。
コンサルタントの種類
コンサルタントの種類は多様に分かれていますが、主に以下の五つに分けることができます。
・戦略系:企業の経営課題を掘り起こして解決プランを立てる
・総合系:幅広いアドバイスを行いあらゆる業務に対応する
・IT:システムの設計から保守点検、改良から削減を行う
・人事:人事制度の構築や運用、研修、人事システムの開発を行う
・ビジネス:顧客のビジネスをサポートする総合的なアドバイスを行う
このほかにもシンクタンク系、医療系や監査法人系などさまざまなサービスの種類によってコンサルタントの種類も異なります。
日系と外資の違い
日系のコンサルティングは顧問型コンサルティングです。1人のコンサルタントが複数のクライアントと一定期間の契約を結び、複数のクライアントを定期訪問することが特徴です。
一方、外資のコンサルティングはプロジェクト型コンサルティングです。ほぼ毎日一つのプロジェクトと関わり、顧問先に常駐することが多いです。クライアントは大企業が多く、通常パートナーやディレクターと呼ばれる上席のコンサルタントが営業活動を行います。
2.コンサル思考
コンサル思考とは
コンサルタントに求められる思考、いわゆるコンサル思考とはなんでしょうか。コンサルタントは企業の抱える課題を解決するプランを提示することが求められるため、課題解決のための基本思考がコンサル思考ということが言えます。
また、コンサル思考は二つに分けることができます。
一つはMECE思考、つまり論点思考になります。MECEとは”Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”の略で、互いに重複せず、全体として漏れがない思考法のことです。複雑な課題に対して分類軸を適用して情報を整理することで、網羅的に検討することができます。
もう一つは仮説思考です。これは情報を基に仮説を立て、実行を通して検証や修正を行うという考え方です。仮説を立てることで実行の道筋を明らかにし効率的に問題解決を行うことができます。
社会において価値を生むとは
ここからは社会における課題解決をテーマに”価値”を取り上げて考えていきます。
突然の問題提起になりますが、”価値を生む”とはなんでしょうか。大学生の場合、部活動において部長としてメンバーを引っ張ることや学校において生徒会長として校則に改革をもたらすことなどが考えられるでしょう。
一方、社会人になるとどうでしょうか。議事メモの作成やマネージャーとしてメンバーをうまく活用していくこと、案件を受注するための営業スキルを磨くことなどが考えられます。
しかし、井野さんはこれら自体は本当に価値なのかと疑問を問いかけます。本当の価値とは、どんどん変化していくものであり、常に自分自身に問いたださなければならないものになります。環境が変化するごとにその環境における価値も変化していくため常に自分自身に本当の価値とは何なのか問うことが必要です。
”日本経済の発展”からみた価値創出余地
ここでは、日本経済を発展させるためにボトルネックとなっている部分を取り上げます。
日本経済は外貨を稼ぐGlobal企業、内需で稼ぐLocal企業とベンチャー企業に分けられます。これら三つの企業のうちどの企業に注力して成長させる必要があるでしょうか。
ベンチャー企業はイノベーションが求められますがこれには時間がかかるため効率的とは言えません。ではLocal企業はどうでしょうか。今日の日本企業は生み出されたキャッシュフローを将来への投資に費やすのではなく、株主への配当に回してしまっています。
したがって、外貨を獲得しているGlobal企業の成長が必要になります。
では、日本経営者には何が求められるのでしょうか。
日本人経営者には情報が少ない中で意思決定できるものが多くないといいます。ですので、これを解決するための事業の行く末を掌握できるソフトウェアと責任問題を解決するAIの使い方といったDXを開発すること、そして自分に合った解決スタイルを身につけることが必要になります。
人材価値の構成要素
ここでは価値を生む人材になるためにはどうすれば良いかを考えます。
これは人によってさまざまな意見がありますが、井野さん人材価値はフィールド、環境、能力と影響力に分けられると述べられました。特に重要な点としては逆説的ですが、自分を構成する要素のうちフィールドと環境は自分の外側にあることです。フィールドとは自らがビジネスパーソンとして置かれている立ち位置のことです。また、環境としては株主や社長などの影響者や身の回りの資産などになります。
しかし、当然自分の内側にある影響力と能力も重要です。
影響力とは人間性やゴールのイメージを共有していくことが挙げられます。能力には知識、経験や累積思考量がありますが、特に累積思考量を支える論点思考が大事になります。前もって問いを設定しておき、さまざまな情報の中に埋もれている価値を生む情報を見つける思考を身につけていくことが価値のある人材になるために必要です。
3.ケーススタディ
各自5分ほど考えたのち井野さんからフィードバックをいただきました。
フィードバック
今回も前回同様にいきなりフェルミ推定して分解するのではなく、どんな顧客がいるか状況を設定しそれに応じた具体的な対策を講じることが重要です。
QBハウスの特徴としては、普通の美容院と比べて短い時間で安価で散髪できることです。このことからQBハウスを使ってくれそうな層と使ってくれなさそうな層があることに気づきます。つまり、ターゲットとの相性の序列を考え、それぞれにとってなぜ使ってくれないのか、そしてそれをどう解消するのかを考えることが必要になるのです。
(例えば普段美容院に行く若年層などはなかなかQBハウスには来てくれなさそうですよね…)
また、今回のお題はQBハウスの”利益”を上げることになっています。利益を上げるためには売り上げを上げることとコストを下げることの二つの選択肢が考えられます。しかし、ここではQBハウスの値段を1000円から下げることはあまり現実的だとは考えられません。したがって、今回は売り上げを上げることに注力した方が良さそうです。
次回の予定
次回は11月4日で、テーマは「コンサルタントのロジカルシンキング」になります。
🕰️19:00~20:30
📍@zoom
まだ入会していない方は、ぜひ↓のフォームから入力するようお願いします!一緒に学びましょう!
過去のゼミの記事
文責:矢田 雅治