見出し画像

冬の暮

「宵」「夕」「暮」と記すと、ゆったりとした情景を思うものです。
そこに冬を足し「冬の暮」とすると、指先にヒリっと伝わるような、生活に薄い闇を曳く印象を持ちます。

また、「冬の暮(ふゆのくれ)」を「寒暮(かんぼ)」とあらためると、音もない圧倒的な夜を感じます。
日本語は本当に面白い。

昨夜の月。春を迎えるために蠢いているはずの生命、その気配を感じないのは皆眠っていたからだろうか。

誰も居ぬ
月もしばれる
寒暮かな

いいなと思ったら応援しよう!