花梨はちみつのつくりかた(すぐになんでもはちみつ漬けにするヒトの話)
この季節になると、街路樹やお庭のあちこちにたわわに実りながらもぞんざいにされがちな、花梨。
これをまず、手に入れます。
なかなかスーパーでは売られません。
僕は友人からいただいたり、母の墓のある寺の住職にいただいたりしています。
たまらなく魅力的な芳香が、手に入れた時からもうすでに出来上がりのイメージをムクムク膨らませてくれます。
表面にワックスが出ていてペトペトしたりもするので流水でザーッと洗って、乾かします。
虫くんが先住民として暮らしていた痕や、自然落下したものはその時の傷が残っていたりもします。
が、あまり気にせずまずは綺麗にします。
天日で乾かします。
こういう時間が愛おしいです。
硬さを気にして敬遠される方も少なくないですが、かぼちゃとか めっちゃ硬い柿とか そんな感じ。
まな板によっては、つるんと滑って大怪我!危険! なので下に布巾などを敷くといいです。
包丁を先端の方から力を込めて、神経を集中して「ぐっ」と押し込みます。
一気にいかないように。少しだけ、です。
「ザク」といったらだいじょうぶ。少しずつ包丁を下ろしてください。
中は、パパイヤみたいに種がぎっしり詰まっています。ここに、先住民が暮らしていた痕跡があったりします。
つるんとした状態の種であれば、残します(あとで実と一緒に入れます)が、ボソボソの粉状になってる部分がある場合は、捨てます。
小さなスプーンでえぐり取るのがいいです。
ちなみにいままで 先住民の痕跡は多数発見してますが、リアルタイムで彼らに遭遇したことはありません。笑
縦4半分(大きい時はさらにその半分)にしてから、いちょう切りです。だいたい2〜3mmでガンガン切っていきます。
ここまでくれば花梨はもう硬くないです。サクサクサクサク・・・いい香りが漂います。ところどころ、痛みが進んでる部分や先住民の通り道の箇所は、ケチらずに切り落として捨てます。
花梨 はちみつ 花梨 はちみつ・・・ とミルフィーユしていきます。
瓶は大きめのものを用意できるといいですね。煮沸消毒して!とよく世のレシピに書いてありますが、使い回しの瓶だと、急に熱くすると割れることもあるので注意っす。僕の場合は丁寧に洗って天日で乾かして使ってますが、それでいまのとこ問題ないです。
ときどき花梨をぎゅっと押し込みながら(白菜を漬ける時みたいな感じ?)さらにはちみつをのせていきます。隙間ににゅるにゅるとろろんとはちみつが流れ込んでいくのが美しいです。
ぎっちぎちの花梨とはちみつでぱんぱんになったら
最後に適量(瓶のサイズによるけどだいたい小さじ2杯前後)のお酢を入れて完成です。
その後、日々軽く天地を返して動かしてお世話をします。
けっこうすぐにサラサラっとなっていきます。
2ヶ月もすればおおむねカリンからのエキスは蜂蜜と融合するそうなので、その頃に花梨の実と種を濾したら、できあがりです。
喉がしんどい 咳がしんどい そんなときに強い味方です。
そのまま舐めてもいいし 白湯に溶いて飲んでもいいし ないしょですけど泡盛のお湯割にも合います笑。
僕はこの花梨はちみつとプロポリスのど飴、どうしてもってときには響声破笛丸を服用しながら、歌い続けています。
・
花梨はちみつは、生きてるんですよ。
生きてるので 発酵もします。
酢を入れるのは発酵を抑えるためだそうですが、それでも発酵は進みます。
なので飲用しないときでも、ときどき蓋を開けてあげてください。その世話をサボると 蓋がパンパンにししゃものおなかみたいになります・・・要注意!最悪破裂する!って巷では言われてます。こわ。
でも、開けにくい蓋をぐぐっと開けると、しゅわわーってなるその様子に、ああ生きてるんだなぁってワクワクしますよ。←ちょっと変態か。
ということで、開けにくくなる前に、蓋は時々開けて花梨はちみつと対話しましょうかね。
・
以前は「じぶんの暮らしている場所や環境にできるだけ近い花梨とはちみつ」にこだわっていました。いきもののいのちをいただく場合は、自然の摂理からしてそれが「良い」そうです。
でも、あまりこだわりすぎないようにしています。最近は。笑。配慮はするけど ムキにならないように。でも、からだと心にによろしくないものは 避けていく、ってことは気を配ります。
そんな感じなので、はちみつも産地の確認をしつつ大容量のものを使ってます。
時々いただいたり手に入れたりする「えぇもん」は、えぇもんが欲しいなぁってからだが言った時にペロッといただくようにしています。
・
今年は、報恩講のときにお寺さんの住職から分けてもらった花梨で仕込みました。
神戸でも町田でも、かなり作れたので、春になったらお分けできますよ。
声かけてくださいね。
これが終わると年末だなぁーて思います。
ほんとに。
みんな どうかお元気で。いつも心に愛と平和を。
・・・・・