タトゥの意味(第二話)
人は時々、意味のわからないことをする。
だって身体に悪いでしょ?
それじゃ、温泉に行けないよ?
そんなことはわかりきってるんじゃ、ぼけぇ!
ワタクシのタトゥ、今、思えば「既存の世界との決別」
そんなことをしなくても自由に生きれば良いだけの話なのに、痛々しい。
そのくらい、大人たちが引くラインに沿って生きなければいけない、こんな自分ではいけない、と言う思い込みが激しく、それらを振り切る作業が必要だったのです。
学校も中退、家庭も離別、子供とも別れて、社会不適応、社会のゴミ、そんな風に自分を思っていた。
会社に勤めていたので最初は隠すのが大変!
更衣室には早く行くように、みんなに見つからないように、コソコソ、コソコソ。
しかし、ある時、そんなことが馬鹿馬鹿しくなり、カミングアウトを兼ねて会社の同僚の結婚式に肩を全出しのドレスで出席、すると、みんなが口々に「わあ!本物なの?」と喜んでいるではないですか!!!
上司ですら、すごいなあ〜なんて笑っている。
何だかね、あっけなくて、私は幸せだなって思った。
「私は私」
隠すことなんて何もなかった!
底の浅さも愚かさも
全部を愛しく思えるようになった。
あの頃の私へ
何も怖がることはない。
あなたは幸せなんです、と言います。