膝の痛みの筋トレ、スクワットよりランジウォーク【クセトレ】
「この〇〇〇〇を効果的に鍛え、継続があまりに簡単すぎるクセトレをご紹介します! 」
今回は「クセトレ」ランジウォークが膝の痛みに効果的がテーマです。
膝の痛みに対する筋トレは、スクワットよりランジウォークをお届けします。
※このnoteでは、整形外科医:歌島大輔が医学的根拠をもとに、わかりやく、かつ実践的な医療健康情報をお届けします。
ときどき出てくる「ふんぞり男」とは、その名の通り、ふんぞり返って態度がデカい患者さんです。
長生き膝を作る!?楽々エクササイズ
本日もいただいたコメントをご紹介いたします。
Yoshikoさんから 。
いつもコメントありがとうございます。
あなたはどんな膝のお悩みをお持ちでしょうか?
もしくは将来に対してどんな不安をお持ちでしょうか?
お気軽にコメント欄で教えてくださいね。
さて、そんなYoshikoさんを含め、膝の痛みがある方にぜひご検討いただきたいエクササイズ、クセトレをご紹介します。
・あらゆる人にオススメできる
・日常生活に溶け込ませられる
このように、クセになっちゃうトレーニングです。
本当にトレーニング時間0で習慣化できちゃいます。
そんなクセトレの1つとしてご紹介したいです。
特に医学的根拠として解説する研究を考えると、
ご年齢を重ねるとともにすり減ってくる軟骨や、人工関節手術が必要になるっていう将来を少しでも不安視する方に、特にご覧いただきたいです。
最後まで見ていただけると
「人生100年時代、元気な膝で天寿を全うするためのクセトレ」
をマスターできますので、よろしくお願いいたします。
ではさっそく行きましょう!
長生きしたけりゃ、膝を良くしよう!
膝ってとっても大切ですよね。
膝が悪いと、最悪歩けなくなりますし、そこまでじゃなくても、人間の心理として膝の痛みを抱えてまで歩こうと思えなくなっちゃっても仕方ありません。
そして、そんな歩く力が落ちることと関係があるのか、
こちらのイギリスの研究(*1)では、膝の痛みと軟骨のすり減りがある人は、
死亡危険度が1.97倍
心臓血管系の死亡危険度は3.53倍
だったと脅威的な数値を出しています。
マジで膝、なんとかしたいですよね。
じゃあ、どうしたらいいのってことですが、
膝の軟骨のすり減りと痛みに「内側広筋」を鍛えよ
2023年版のガイドラインでは、変形性膝関節症に対する運動療法は、
推奨度が最も高い「1.行うことを強く推奨する」で、
エビデンスの強さは上から三番目の「C.限定的」なんですね。
さらに、どの運動がいいかなんてエビデンスレベルでは最弱で、
まだまだこれからなんです。
とは言え、運動が大事なのも事実として押さえていただき、さらにいくつか研究をご紹介していきたいと思います。
まずこちら、2012年の研究(*1)なんですが、太ももの前の筋肉、大腿四頭筋というものがあります。
大事な筋肉ですね。
大腿四頭筋というくらいですから、4つに分かれています。
そのなかでも「内側広筋」という筋肉を太くできれば、膝の痛みも減り、
その後の軟骨のすり減りを抑え、人工関節になるリスクが減っていったと報告しているんです。
たしかにこの内側広筋は、昔から整形外科の上の先生たちがいつも内側広筋に触れて「もっと鍛えないとダメだよ」って患者さんに話していたのを思い出します。
ということで、この内側広筋を効果的に鍛え、継続があまりに簡単すぎるクセトレをご紹介します。
そのクセトレこそ「ランジウォーク」
長生きする膝を作るためにカギとなりそうな内側広筋を鍛えるクセトレとして「ランジウォーク」をご提案します。
まずこちらの研究(*3)をご紹介します。
こちらは片脚で行うスクワットや、足を前後に開いて行うフォワードランジというトレーニングでどの筋肉がよく働くかっていうことを調べた研究です。
これでわかったのは、このランジという動きは大腿四頭筋の中でも外側広筋と内側広筋がよく働くことなんです。
そう、内側広筋ありましたね。
ただ、それだけなら片脚のスクワットなどいろいろ、他にもあると思います。
ただ、例えば、スクワットだとクセトレにはなりにくいんです。
全然、基本のトレーニングとして悪くないというか、オススメのエクササイズなんですが、今回はより「クセになっちゃう」を重視しています。
違いは何か・・・
スクワットは絶対に前に進まないですね。
ふんぞり男「は?当たり前だろ。その場で腰を落として上がるトレーニングなんだから」
あ、ふんぞり男さん、いらしたんですね。
今日はいないのかと。
さて、そういう意味ではフォワードランジだって同じなんですが、でもランジは片脚が前に行くので、そのまま前に進むことができるんですよ。
これは厳密にはフォワードランジとは違うトレーニングになりますので、ランジウォークと名付けました。
つまり、歩きながらランジしましょうって話なんです。
ふんぞり男「いやいや、しんどいし、周りの目が気になりすぎる。アホか!」
しんどいのは、まあトレーニングなんだから良くないですか?
でも、周りの目は確かに僕も気になります。
でも、実は僕はこれ結構やっていて、ここまで膝を90°くらいまで深く曲げなくても良いんです。
60°くらいで内側広筋がかなり優位に働くという研究もあるので、要は歩くときにできるだけ大股で前脚もできるだけ膝を曲げて着地するということ。
これを意識するだけです。
だから、ハタから見ると「ずいぶん大股歩きの人だなぁ」っていう程度になると思いますし、周りに誰もいなかったら、ちょっと膝の角度を深くしても良いですよね。
つまり「ランジウォーク」は歩くついでにできるトレーニングだからクセトレだということなんです。
どうせ歩いてどこかに移動しなくちゃいけないなら、その時間を長生きする膝を作るための時間にしませんか?って話ですね。
ですから、エクササイズ時間はゼロってことになります。
もちろん、バーベルを担いでガッツリやるスクワットやフォワードランジなどに比べて、時間当たりの筋肉への負担は少ないです。
当たり前ですね。
でも一方で継続できるし、1日何千歩もあるくうちの何割かでもランジウォークをしたら、何回ランジするんだって話じゃないですか。
ですから、ぜひ、今日から明日から取り入れていただければと思います。
当たり前のことですが、ランジウォークをやって痛みが出るならやっちゃダメです。
ちゃんと診察を受け、相談してくださいね。
ぜひ、やってみた感想や成果、小さくても感じた変化などをコメントしてくださると嬉しいです。
本日の一言
長生き膝を作るためのランジウォークをお試しください。
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参考論文
(*1)S Kluzek et al. Ann Rheum Dis. 2016 Painful knee but not hand osteoarthritis is an independent predictor of mortality over 23 years follow-up of a population-based cohort of middle-aged women
(*2)Yuanyuan Wang et al. Arthritis Rheum. 2012 Increase in vastus medialis cross-sectional area is associated with reduced pain, cartilage loss, and joint replacement risk in knee osteoarthritis
(*3)José M Muyor, et al. PLoS One. 2020 Electromyographic activity in the gluteus medius, gluteus maximus, biceps femoris, vastus lateralis, vastus medialis and rectus femoris during the Monopodal Squat, Forward Lunge and Lateral Step-Up exercises