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Yangon Door 2 Door (Food delivery service) UX case study

ミャンマーにいる村上雄太郎です。


今回はミャンマーにて展開されているフードデリバリーサービス「Yangon Door2Door」のUXリデザインをおこないました。

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https://medium.com/@yutaromurakami/yangon-door2door-food-delivery-service-ux-case-study-myanmar-app-redesign-bf594603c1a1


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今回のリデザインにおける全体の流れとしては以下のようなものです。

1.自分が利用しているミャンマーのアプリを選ぶ
2.問題点の発見、仮説を立てる
3.ユーザビリティテストを行い、仮説の検証を行う
4.改善のプロトタイプを作る
5.プロトタイプを検証するユーザビリティテストを行う


2.問題点の発見・仮説を立てる

僕もこのサービスを時々利用しているのですが、ほとんどの場合

何か食べたい、でも家から出たくない(作りたくもない)

という時に利用することが多いです。
しかしこのサービスを使っているときにふと、自分が食べたいものを見つけることが難しいと感じたことがあり、結局注文せず外に食べに行ったり、そのまま何も食べなかったりすることが何度かありました。

この問題を解消、使い勝手を改善するにあたってビジネスの方向性が逸れてはいけないのでYangon Door2Doorのコンテンツや使っている言葉を調べました。
すると「最適なレストランを見つける」ことや「レストラン側とユーザー側両方にとって快適である」ことを勧めています。
またこのサービスの"Our Values"として「小規模レストランのビジネスチャンスを増やすこと」にも重きをおいているので、
ユーザーにレストランを見つけてもらうことは必要なことであり、僕がつまづいた「食べたいものを見つけられる」ことは重要なユースケースのようです。

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このビジネスの方向性で間違っていないようなので、次のステップに進みました。


3.ユーザビリティテストを行い、仮説の検証を行う

仮ペルソナ
オンラインやイベントなどでの話を参考にDoor2Doorのユーザーを調査したり、身の回りにユーザーがいたことから仮ペルソナを作りました。
「日本からミャンマーへの駐在として滞在しており、休みの日も仕事に追われている忙しいビジネスマン」と設定しています。
本来ペルソナは何度もインタビューを重ね作り上げるものですが、今回は短期間で仮説検証を繰り返す必要があったため、ここにはあまり多くの時間をかけていません。

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ユーザビリティテスト

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(暗い写真しかありませんでした...)

今回は知り合いの日本人を中心に仮説の検証を行いました。
男性2人女性2人、そのうち3人はサービスを使用したことがあり1人はサービスを使用したことがないというメンバーです

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インタビュー用に準備した質問

下記の質問を中心に、iOSのDoor2Doorアプリを操作してもらいました。

1.あなたが今この時点(家orオフィス)で、食べたいものを探して注文してください
2.食べたいもの(or気になるレストラン)をこのアプリで探すとします。どうしますか?
3.食べたいもの(or気になるレストラン)を見つけたとします。その後の詳細ページであなたは何を見ますか?

この際、

いまどこを見ているか何故(何が決め手で)そこをタップしたのか、などユーザーが実際に行動したことに対して質問をするように意識しました。

行動を起こす前に質問すると、ユーザーは理想を語ったり少し盛った話をすることがあるからです。

今回は同意を貰って録画もさせてもらったので、テストの結果だけでなくインタビュー自体の振り返りにも役立ちました。インタビューのやり方もまだまだ改善できそうです。


ユーザーのつまずきポイントと重み付け

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インタビューの録画を見返しながら、ユーザーがつまづいた点を紙に書き出し、どこでつまづいたのかをカテゴリーごとに分けて集計しました。
そして四象限マトリクスで、ユーザーにとって大事なことビジネスにとって大事なことの二軸で重み付けを行いました。

僕が行ったインタビューでは4人中3人

・食べたいものを探しきれない(離脱)
・食べたいものを見つけるまでに10分以上かかる

という結果になりました。
アプリ内で「食べたいものを発見できること」は最も重要な機能の一つですが、
アプリを使った時にユーザーが欲しい情報に簡単にたどり着けないと、早々に離脱してしまいかつリピーターにはなってもらえないでしょう。
そこでユーザーのつまづきポイントである発見機能(検索機能とオススメ)の改善にフォーカスすることにしました。

また、注文内容の確認(商品詳細、配送料)においてもつまづきポイントが見つかりました。
ユーザーはオーダーをするかしないかにおいて配送料金がいくらなのかが1つの判断基準になっているようなので、注文の過程での配送料の見せ方にも改善の余地があると考えました。


タスクフロー

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ユーザーがDoor2Doorで注文するまでのプロセスをタスクフローにしました。
注文を完了するまでに大きく2つのつまづきポイントがあるので、ユーザビリティテストでは時間がかかったり離脱することが多かったです。


4.改善のプロトタイプを作る

デザイン(スケッチ)
見つけた問題に対して解決案のUIを作り込む前に、どういった案が最善かを探るために手書きのスケッチを行いました。

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プロトタイピングと検証
SketchとプロトタイピングツールのMarvelを使ってプロトタイプを制作し、新たに3人に対してユーザビリティテストを行いました。以下は、プロトタイプとそれぞれのテストの結果です。


5.プロトタイプを検証するユーザビリティテスト

a.ホームページ
現在のDoor2Doorアプリでは、ロケーションからレコメンドしてくれる便利な機能がありますが、
毎回同じレストランのみなので、ユーザーは毎回同じレコメンドだと飽きてしまいます(かつ1地域内のレストラン数がそんなに多くない)。
そのためレコメンドを「Near」「Featured」の2つの点からできるようにしました。

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①現在のロケーションを1タップで変更できるようにした。
②③ユーザーは近くのレストランはもちろん、気分によって食べたい食事が変わってくるので異なるレコメンドができるようにした。
④現在のアプリのタブ「Track」「Login」はユーザーにとって理解されにくいものだったので、「Home」「Search」「Account」の3つのタブに変更した。

✍️ユーザビリティテストでは、3人中3人が「Near Restaurants」をスワイプし「Featured Restaurants」をスクロールしました。


b.検索ページ
検索方法がわからないことはユーザビリティテストで主なつまづきポイントでした。
大きな問題はユーザーが検索バーの存在にすら気づかなく、食べたいものが決まっていても、それを検索することができないことです。
そこでタブバーに検索機能を追加し、ユーザーが見つけやすいようにしました。

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①検索バーに気付きやすいようにアプリの上部にデザインした。
②カテゴリは関連写真と一緒に表示することで視覚的に訴えることができ、ユーザーの考えるコストを減らすことができる。
③検索バーからは「キーワード」「ロケーション」「料金」「配送費」の4つから自分の気になるところをソートして検索できるようにした。

✍️ユーザビリティテストでは、3人中3人が「Searchタブ」をタップし
3人中1人が「検索バー」を、
3人中1人が「カテゴリ」をタップしました。


c.カート&配送料の確認
現在のDoor2Doorアプリでは、例えば600円の食事を選んだ後カートには900円というように表示されており、その詳細も明記されていないのでユーザーにとっては非常に混乱してしまいます。
また食事の選択が全て終わり、カートの詳細へ進もうとするとカートの中身の確認ではなく、そのまま配送先入力などの詳細ページに飛んでしまうので、自分が選んだものを確認できないままオーダーすることになってしまいます。

そこで、商品を選んだ際に一目で配送費がいくらかわかるようにし、自分が選んだものも1タップで確認できるようにしました。

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①ユーザーが食事を選ぶと出てくるボタンとして設計し、「食事の合計料金」「配送費」「注文数」が一目でわかるようにした。
②カートボタンをタップ後、注文の詳細が確認でき、その後配送先などの情報入力に進むように設計した。

✍️ユーザビリティテストでは、3人中3人がリデザイン後の「Cartボタン」のほうが導線がわかりやすいと評価してくれました。


リデザインを通しての感想

・ユーザーテストの難しさ
→テストの前に前提や条件をしっかり共有しておくことで、ユーザーの知りたい情報が引き出せる。逆にしっかり共有してないとアバウトな結果しか取れない。

・プロトタイプどこまで完成度高めればいいのか問題
→アプリと同じように動くのが一番いいのだろうけど、デザインツールで作るのも意外と時間がかかった。今回は最低限検証できるところまでは作成したのだけれど、どこまで作ればいいのだろう...

・ローカルの人にやりたい
→今回はどちらかといえば外国人向けのサービスだったので、日本人を中心にインタビューしたが、ローカルの人にユーザーテストできたらめっちゃオモロイ!!!!!!!!!!!!!!と思いました。
てか次やる。



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