OK$(payment) UI Redesign
ミャンマーでUI/UXデザインをやっている村上雄太郎です。
Myanmar App UI Redesignマガジンでは、僕が個人的に感じているミャンマーのサービスの課題を勝手にリデザインしており、その思考の過程を記録したものです。
ミャンマーのサービスの紹介や現状を多くの人に認識してもらえると嬉しいなと思います。
今回はミャンマーで展開されている決済・送金サービス、OK$のリデザインを行いました。
リデザインのゴール
企業側からユーザーデータや数字が出ているわけではないので、自分がユーザー側から見た視点と数人から得たヒアリングを元にリデザインしていく。
僕自身とヒアリングの意見から考えると、このサービスの1番の課題は「認知度は高いが、アクティブユーザーが少ない」ことだと考える。
事実、ヤンゴン市内のいたるところに広告があり体感的にはミャンマーで最も認知されている決済サービスの1つでしょう。
しかし使うタイミングがあまりない、どこ(いつ)の支払いに対応しているのかイメージしづらい(サービスを使うタイミングの想起がしづらい)という理由からこのサービスを使うことがほとんどない。
(筆者は1年以上ヤンゴンに滞在しているが、この決済で支払いされているシーンを見たことがない)
なのでここでは、アクティブユーザーが増えるような(離脱が減るような)シンプルなサービス設計をゴールにリデザインに取り組んだ。
課題点と改善点
1.トップページ
課題点
ここでの課題としては「機能が多すぎてユーザーに複雑な印象を与えている」こと
①機能が多すぎ("Book on OK$"や"Loyalty & Promotion"などはほとんど機能していない)
②残高の確認ができるまでに2タップ必要(ハンバーガーメニュー→アカウント)
改善点
①機能をシンプルに「支払い」「チャージ」「引き出す」の3つのみにした
②残高がいくら残っているのかの確認は、決済サービスを使う上で毎回気になるので優先度高く、上位部にデザインした
②-1初めは残高をホーム画面にそのまま表示しようか考えたが、セキュリティの面とプライバシーの面(残高を知られたくない)という面から1タップ必要にした
ミャンマー人の特徴として、現状若者を除く多くの人がFacebookくらいしかアプリを使うことができないので(ITリテラシーが日本人と比べると低い)非常にシンプルで直感的な設計が必要だと思いこのデザインにした。
(↑残高ページ)こちらも一目で残高が確認でき、履歴では➕(プラス)➖(マイナス)記号を使うことで、
支払った(送金した)、受け取ったが簡単にわかるようにデザインしている。
2.検索ページ
課題
①OK$のチャージできる場所、支払いができるお店がわからない(数もあまり多くないので)
改善案
①こちらはマップでショップの位置を表示し、Segmented Controlで「支払いができるお店」、「チャージができるお店」をわけて見つけられるようにデザインしたが、
ミャンマー人はそもそもほとんどの人がマップをよめないので、あまり良いリデザインになっていない。
僕自身も考察中。。。
3.支払い・チャージ・引き出すページ
課題
①既存のサービスでは、支払い・チャージ・引き出しまでに複数回タップ(5〜6)が必要
バスでの支払いシーンもあるので、できるだけタップ数少ない方が良い
改善点
「金額入力」 → 「手段を選ぶ」という合計3〜4タップ以内で完了できる(Home画面から数えて)
次にやるべき課題
「支払い場所・チャージできる場所」を「可視化するor網羅する」
→現状、あらゆるサービスの決済が可能なので、ユーザーからするとどのお店で使えてどのお店で使えないのか、を考えるコストとなってしまう。
そこをうまく可視化する、もしくはユーザーが考えなくてもすむくらいどのお店でも使える状態にできると、サービスの体験が良くなると考える。
リデザインではありませんが、ミャンマーの決済サービスについての記事もいくつか書いているので良ければみてください🇲🇲
(2018年6月にリデザインしたものをnoteに再掲載)
※10月13日に「リデザインのゴール」と「次にやるべき課題」を追加しました