見出し画像

ミャンマーの送金・決済サービス比較

ミャンマーにいる村上雄太郎です。


今回はミャンマーにある送金・決済サービスの比較をしていきたいと思います。
ミャンマーの送金や決済サービスは僕が認識しているだけでもだいたい10サービスほどあり意外と多いのですが、その中のどれかが飛び抜けて使いやすい!という印象は今のところありません。

そこで、今回は「OK$」「WAVE MONEY」「Topup payment」という街中でもよく見かける(多分認知度も高いと思われる)3つのサービスを比較してみたいと思います。



3サービスの違い

簡単な表にするとこのようになります。
1つずつ詳しくみていきましょう。



OK$(オーケーダーラー)

OK$とは
→Internet Wallet Myanmar Ltdという企業が開発しており、ヤンゴンに住んでいる人であれば誰でも広告をみたことがあるだろう、というくらい様々な場所で広告やロゴを見ます。また、ミャンマー人も(僕も)交通手段としてよく利用するバスの支払いが可能です(交通機関系で決済サービスが使えるのは今のところバス(OK$)のみ)。

機能
主に決済や送金、引き出しが可能。OK$のアカウントを持っている「人やお店」の「電話番号やQRコード」を利用し送金(決済)します。手数料はかかりません。また、OK$ショップからの引き出しや、30,000ks(約3000円)以上から銀行口座への送金も可能で現金化もすることができます(銀行への送金は手数料がかかるよう)。

入金方法
①銀行入金 ②オンラインバンキング ③OK$ショップ ④MPU(ミャンマーのクレカ、デビッドカードてきな)の4つがあります。基本、入金も手数料は無料なのですが、オンラインバンキングなどは1回の送金に200ks(約20円)かかります。

メリットデメリット
メリット
a. 決済・送金や入金などにほとんど手数料がかからない。
b. 入金・送金方法が多い

デメリット
a. 登録の際に必要な情報が多い(個人情報はもちろん、どんな家に住んでいるか、父親の名前など約25項目)
b. バスでの支払いは現在決まったバスでしかできない(12番, 14番, 25番, 30番, 38番)(住んでいる人的にはすごく少ない)
c. OK$ショップの数が少ない(具体的な数が不明)
d. 支払いできるお店が少ない



WAVE MONEY

WAVE MONEYとは
→ミャンマーの3大通信キャリアの1つである Telenorと、ミャンマーの銀行YOMA BANKが共同で開発したサービス。2016年にサービスをリリースし現在45万人以上がサービスを利用しているようです。こちらも街中でロゴをよく見かけます。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170713/mcb1707130500018-n3.htm

機能
主に送金と引き出しが可能です。しかし送金や引き出しには手数料がかかります。

(単位:ミャンマーチャット)(100チャット=約10円)

送金、引き出しが最大100万チャット(約10万円)まで可能のようで、手数料がそれぞれ3,700チャット(約370円)、8000チャット(約800円)なのでそこまで高くない、、(?)という印象です。
引き出しは最寄りのWaveショップで可能となっています。

入金方法
入金方法はWaveショップと、銀行からの入金が可能。Waveショップはミャンマーによくある商店のようなお店などが代理店の形で行なっていることが多いようです(下記画像参照)。彼らはWaveショップ専用のアプリを持っており、そこから出入金ができる仕組みとなっています。

メリットデメリット
メリット
a. Waveショップは国内に約2万ヶ所あり、キャッシュでの入金が簡単
https://www.nna.jp/news/show/1734412
b. アカウント作成は最低限の個人情報とSMS認証ですぐできる
c. カスタマーサービス(電話)が手厚い

デメリット
a. 送金と引き出しに手数料がかかる
b. オンライン上での入金が不可
c. 一般の方が代理店のような形で行なっているので、ショップによって認知していること・してないことの差が大きい(入金方法がわからず15分ほどかかるショップもあった)



Topup Payment

Topup Paymentとは
ミャンマーでスマホを利用する際は、キャリアとの契約などではなく、SIMカードを購入後使いたい分だけキャリアのトップアップカード購入しチャージする、という方法をほとんどの人がやっています(下記画像参照)。

このチャージしたトップアップカードの残高から支払うことを言い、主に3大キャリアのMPT、Telenor、Ooredooで利用が可能です。

機能
まだ数はそんなに多くありませんが、主にオンライン上(特にゲームなどの課金)で最近少しずつ見られるようになってきました。リアル店舗で決済できるところはまだ見たことも聞いたこともありません。

入金方法
トップアップカード自体は本当にミャンマーのどこにでも売られており、普通にスマホを使うようにチャージしておけばいいので、ミャンマー人にとっては3つのサービスの中でこの方法が馴染みがあり、簡単だと思います。

メリットデメリット
メリット
a. 使い方が非常に簡単
b. 手数料なし(サービスによってはあるかも)

デメリット
a. 利用シーンが少ない
b.コンテンツ提供側は手数料として70%以上を支払う
(例:100円の課金のうち70円が手数料としてキャリアに、30円が売上げに)
(現状MPT、Ooredooが80%、Telenorが70%のようです)



まとめ

どのサービスにもメリットデメリットはありますが、全体として利用シーン(利用店舗)が少ないことが1番大きな課題かと思われます。
もちろんユーザーが増えるにつれてそれらも増えていくのが当たり前ですが、現状のサービスでは①サービスを利用するまでの手間が多いことや、②多機能すぎることにより、複雑な印象を与え、ユーザーが決済サービスを利用するメリットがあまり生かされていないというイメージです。
今回は比較がメインなのでサービスの設計や体験には触れていませんが、今後UIなども含めて1つずつサービスを紹介していけたらと思います。

また、決済サービスもそうですが大きくFintechと言われる分野では、サービスの設計がその国の法律と大きく関係していると聞くので、ミャンマーのそのあたりの法律も知っていなければ、偉そうに「ここが良くない!」なんていうこともできないので、そこも少しずつ学んでいければと思います。

また、個人的にはやはりスマホのトップアップでの決済がミャンマー人にとっても1番簡単だし弊社のようなコンテンツを提供している側としてもすごくありがたい、、のですが手数料が7割以上というのが提供側としてものすごく影響が大きいと感じます、、笑
もちろんこちらも内部事情は知らないので偉そうなことは言えませんが、手数料をもう少し下げた方がトップアップ決済を利用する企業も増えて→ウェブ上に面白いコンテンツが増えて→結果的にユーザーが今より長い時間ウェブを使うようになって、、とキャリア側的にもウェブ業界的にも良いような気がします。


----------


長くなりましたが最後に、
弊社はミャンマーでミャンマー人向けのモバイルコンテンツ事業を展開しています。
その弊社サービスのユーザーに向けてオンライン・オフラインでのアンケートがとれるサービスも提供していますので、ミャンマー市場やミャンマー人の動向などにご興味のある企業様がいましたらぜひお気軽にご相談・ご連絡ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?