ネコちゃんがにゃーって言った話
引っ越してきて、この町にはたくさんの猫が住んでいることに気が付いた。
のらねこちゃんたちは、重箱座りで、くつろいでいる。
不用意に近づくとにげていってしまうので、遠くからいつも愛でていた。
でも、こないだネコちゃんの鳴き声がして、私のことを呼んだのだ
「にゃー」
声の出所を探すと、ねこちゃんがこっちを見ていた。
私の手にはフライがあった。
ネコちゃん、、、、これ欲しがってんのかな。あげないよ。猫が食べてもいいものとそうじゃないもの私にはわからないもの。
さよならを告げて、私は家に帰った。
でも、またその次の日も、ネコちゃんはわたしを「にゃー」と呼んだのだ。
もしかして、ネコちゃんに認知された?
天にも舞い上がる気持ちで、妹にラインすると「誰にでも言ってんじゃね?」とのこと。
・・・
今までニャーとも言わなかったネコが、言ってくれたんだから認知してくれたにきまってるでしょ
おいしいものを持ってる時にだけにゃーっていうけど…
と、次の日また、ネコちゃんをみつけたので、ネコちゃんと呼んでみると、無反応だった。あの愛想のよさはどこにいってしまったのだ。
しょげながら家に向かうとどこからか「ニャー」という声が聞こえた。
「!!!!」
ねこちゃんだ。どこ!?と探すとさっき不愛想だったねことおんなじ柄でちょっと細身のネコちゃんが私を呼んでいた。
なんてことだ。私のことを認知してくれたと思っていた4月から眺めていたネコがニャーっと呼んでくれたのではなく、この新しいネコちゃんが私のことを呼んでいてくれたのだ。
妹の言う通り、私は認知されたのではなく、だれにでもかれにでも愛想がいい、世渡り上手な猫さんだったのだ。
あぁ、悔しいけど、かわいい。
にゃーって言われただけでメロメロなんだから、おなか見せられたり、頭突きされたら、どうなってしまうのだろう。
生き物を飼うのは大変なことだ。
youtubeやTwitterでかわいいねこちゃんを眺めながら自分に言い聞かす。
金持ちになったらネコちゃんを飼いたいな。
あぁ愛しのネコちゃん。ニャーって言っても、言わなくてもかわいくて好きだよ。
これが、私のネコちゃんににゃーって言われた話です。