組曲「九尾」~玉藻前~
(#142) GAIA:One Woman's Journey/OLIVIA NEWTON-JOHN→ タイトルに「女性名」つながり→ (#143) 組曲「九尾」~玉藻前~/陰陽座
(前回までのつながり)
#140 Aphrodite/Crimson House Blues
#141 PANDRA~現代神話~/奥井雅美
#142 GAIA:One Woman's Journey/OLIVIA NEWTON-JOHN
――長らく続いたタイトルに「天体」つながりから、タイトルに「女性名」つながりへ移行してから3曲☆この流れは伸びるとみて、今回ご用意したつなぎ曲は――
『組曲「九尾」~玉藻前~/陰陽座』
つながりは、タイトルに「女性名」キープで。ギリシャ神話の女性タイトルも持ちネタであと2、3人いたので、ギリシャ神話をもう少し伸ばそうか…とも考えたのですが、ここまでの3人が
Aphrodite 👉美の女神
PANDRA 👉無垢なトリックスター(人間)
GAIA 👉大地母神の総元締め
と、まあまあ善側に強めに振れちゃってるので、ここいらでガッツリ悪側にも振ってみようかと( ̄∀ ̄)
玉藻前は、本邦魔物史上でもけっこう最強クラスに入る大物です。本邦では『神明鏡』や『御伽草子』等に登場し、鳥羽上皇を誑かす妖狐の化身であるのですが、その「前歴」がなかなかスゴいです。
古くはインドのマカダ国の斑足王の妃、華陽夫人。色香で斑足王を誑かしていろいろと悪政を行わせていましたが、釈迦の弟子でもあるスーパードクターの耆婆に正体を見破られ、キツネの姿に戻って逃走。
続いて、中国は西周の幽王の妃、褒似。笑わない妃という稲垣啓太みたいな人でしたが、王が緊急事態を知らせる狼煙を間違った時だけケラケラ笑ったので、王が褒似を笑わせるために意味もなく狼煙を乱発、オオカミ少年の中国版の風情で、そのうち誰もが王の狼煙を信用しなくなり、後に本当の侵攻があった時にも援軍は参戦せず幽王は殺害され、褒似も連れ去られました。
なお、中国ver.では、殷王朝最後の王の妃にして、悪女の国際的代名詞でもある妲己がこの玉藻前の前身だ、とする説もあります。
こうして、国を変え時を越え、インド、中国、そして日本と三国をまたにかけてその時々の政権を滅ぼしてきた悪女・玉藻前は、人の形は妖艶なる美女ですが、その正体は金毛玉面九尾の狐です。ちなみに、キツネダンスは踊らないです。
そんな妖狐、玉藻前を描いたこの『組曲「九尾」~玉藻前~』、妖しカッコ良い重厚なロックサウンドに乗せて描かれているのは、約6分間全編にわたって玉藻前と鳥羽上皇のベッドシーンだけだったりします♪(≧▽≦)♪
……ま、使われている言葉が古語やなんちゃって古語のため、あまりラブシーンっぽくは感じないかもですけど( ̄∀ ̄)、黒丸さんのボーカルはいつにもまして妖艶なのです(*´∇`*)♪♪
「愛してる」「I love you」「je t'aime」「Te quiero」等々、愛の表現はたくさん目に耳にしてきましたけど、この曲ぐらいです
惚げり
なんて使う曲は( ̄∀ ̄)
――以上、寄せ返す濤を漕いで泳いで濡れ通る褥から、松平がお伝えしました。
スタジオにお返しします\(^o^)/