CD制作その1「企画書を作る」

CDの作り方がわからないので教えて下さい!

という問いかけがマシュマロに届いてたので、とある誰かのために、私の創作手順を緩やかーに説明していきたいと思います。あくまでも創作手順の一つとでも思って見ていただけたらと思います。

ご質問などありましたらこちらからどうぞ!CDの感想でもいいのですよ!(強欲)

企画書を作る

企画書を作ります。昔はA4横PNGでとかやってたんですけど、今はもっぱらグーグルドライブです。今回の秋M3向けのCDの企画書はこんなかんじですね。↓

画像1

(そのまま)以下、どんなことを書くのかはこちら。

①概要

概要です。

・CDの装丁(紙媒体、ケースなどの装丁。ジャケットのP数などざっと)

・価格想定(これはあとでもいいですが。大体の制作金額から算出するか、市場調査して妥当線を探るかは人それぞれ。)

・曲数(どの程度の曲数で出すのか)

②作品のテーマ

どういった作品にしたいのか。歌ものなのかインストか、混合か。

作品の趣旨やテーマなどを書きます。ここが疎かになると整合性が取れません。何を描きたいのか、何を作りたいのか、どんなCDにしたいのかは具体的に考えておくと良いと思います。

例:ツインボーカルを集めたポップでキャッチーなCD

例:ダーク系ファンタジー(多重コーラス)なCD

ちなみに私は↑に付随して「キャッチコピー」を考える事が多いです。

③世界観設定

これはCD性によるので一概に必要かといえばNOです。

私の場合は物語性のある音楽が多いため、このあたりは重要なので必ず入ってます。カナリアリズムというサークルで作ってるMTPシリーズはアホほど設定と話があるので、これだけ別の設定資料集にまとめることもありますが、絶対に「全部読まなくていいです」と注釈を入れ、簡易的な(大体1P程度にまとめた)ものを別途作ります。

私もですが、長文面倒だからです。こんなもん読んでられるかと思う訳です。(笑)

人様に押し付けるのが企画書ではありませんので、押し付けにならないような工夫があると、よいのかなーと思います。

あと1Pまとめのものは「お話のあらすじとネタバレ」を箇条書きで短く書くことがあります。これも起承転結がわかればお話は大体把握できるからです。ええ、長文読みたくないじゃん。(笑)

④締め切り(簡易マイルストーン)

絶対作ってください。

ちなみに、ギリギリのラインを書かないこと。(いわゆるデッドラインをそのまま設定しないでねという意味です)自分が無茶をする線引は勝手にしろなのですが、人様には余裕を持った時間構成をしましょう。

人によってかかる時間は様々です。例えば「オレなら1日で曲がかける」という人もいれば「私は作曲には構成考えるだけでも1ヶ月かかる……」という人もいます。じゃあどうやって作るの?というところですが。

ケツ(マスターアップ)と②開催日から逆算する

が一番手っ取り早いです。これもどこまでバッファを設けるのかは人それぞれですが、急な予定でカツカツにならないように余裕を持ったほうが良いと思います。逆に、開催日(イベント日)がない場合は製作者(依頼者)にヒアリングして決める、なんていうのもありかもしれませんね。

人にご依頼をする場合、どの程度でその工程ができるのか分からないという場合は、①見積もりを依頼するときにどの程度の時間が必要なのか聞いてみるのも良いかと思います。自分の尺度と同時に、相手様の尺度を照らし合わせて考えるようにすると、物事がスムーズに進むのではないかなーと思います。

ちなみに、②ある程度もう締め切り(ケツ)が決まってるのであれば「この日までに作って欲しい」とラインを自身で定めて「この日までに出来ますか?」と見積もり時に提出してください。

上記2つの方法を提示しましたが

「ご一緒したい人が居て、その人がいないと意味がない」場合は①前者

「この日付まで(例:イベント)作品を作りたい」であれば②後者

かなと思います。要は、自分がどこに重きをおいて制作に取り組むかということです。このあたりどちらも取ろうとすると、どっちも駄目でイベントに間に合わないとかありますから、お気をつけを。

ちなみに私のところは絶対に締め切りを破る方が複数いる(笑)という前提で動きます。

理由は、人と制作しているからです。

様々な方々と一緒に作る以上、誰かが体調が急に悪くなることも、冠婚葬祭が突如訪れることも、リアルお仕事が忙しくなることもあるからです。

まあでも、破るやつはデッドライン(ケツ)を熟知しているので死にかけるギリギリには出してくる、なんて方もいますけど(笑)、それはそれ。

ケツたたき(締め切りせっつき)を毎度行うことで疲弊する、という方はそういう方とお付き合いするのは控えたほうがいいかもしれません。趣味で行う制作であればなおさら、自分の「沸点」を大事にしてあげてくださいね。続けられなくなるから。

ただ、ここでもそうですが自分の尺度だけで物事を考えて怒りを覚えるのは、ちょっと違うんじゃないかなーと思う訳です。自分のことを把握して、人様のことも考えて、動けたらいいですね。

楽曲関係締め切り

(ラフ締め切り・歌詞締め切り・歌唱締め切り・FIX締め切り(楽曲の最終ブラッシュアップ締め切り)・ミックス締め切り・マスタリング締め切り・マスターアップ締め切り)

歌詞に関しては、ラフが出来てからそのまま入ってもらうので「歌唱」期間までに間に合えばいい感じです。うちのところは、歌詞はほぼ私なので、このあたりの線引は曖昧です。(私が頑張ればいいので)

別の歌い手がいて、歌詞製作者がいて、なんて場合はその人数分連絡を取り合ったり、工程の先に人がいる計算になりますから、連絡のやり取りをできる限り密に行えたら良いのではないでしょうか。

デザイン(楽曲以外)関係締め切り

(ラフ締め切り・最終提出締め切り・サイトデザイン構成提出・サイトデザイン締め切り・ブックレット関係締め切り・グッズ関係締め切り・小冊子系締切)

デザインは私が担当しているため、ケツ(各印刷所の締め切り)だけ設定していることが多いです。印刷関係は日数で金額が変わりますので「この日数の金額で出したい」と強い意志を持って作成しましょう。

でないと、特急料金で間に合わせるような、ことになりかねません。

また、私はイラストレーターさんにご依頼をかける場合、その方に合わせて提出物確認を行うため、ご依頼先によってメール返信の多さはまちまちです。(10工程以上挟む方もいれば、3工程程度で終わる方もいます)

サイトデザイン関係だけは自分で構築する場合締切がないため(最悪宣伝期間が少なくなるだけだからという、ダメダメなことを言い出します)かなり後回しになります。デザイナーにお願いしている場合は構成図(私の場合はPSDで配置からボタンづくりまでやってしまいますが)を先出しして、お願いする形になります。

⑤依頼書

イラストをお願いする際、作曲をお願いする際、それぞれ色々ありますが、大抵は人様の知りたがっていることに合わせます。(俗に言うテンプレートベースで作る)ここをおさえておけばいいかな、というのはこんなかんじ。

・納期・締め切り・どのイベント合わせか(なくてもOK)・何をお願いしたいか・どの仕様でお願いしたいか(ファイル形式・解像度・どういった内容の物が欲しいのか・提出サイズなど)・作品のイメージ(イメージカラーやモチーフなどをイメージとして上げることもあります)・有償or無償

※人によってはサンプルとして具体的なもの(例:サンプル曲)を提示してほしい人と、提示してほしくない人、が居ます。(あまりに寄せてしまって【類似】作品になるという方もいらっしゃいます)ので、そのあたりは、必要か不要か私は聞くようにしております。

⑥各種設定資料

ここはもう、作るタイプのCDによります。ない人のほうが多いかもしれませんね。とりあえず物語ありきの音楽を作成される方向け。ほぼもう、漫画の資料みたいなものを用意することが多いです。

・あらすじ

これは企画書冒頭にテーマと一緒に書くことが多いです。だいたい5~10行程度の短いあらすじ。後にもう少しまとめてサイトに掲載することが多いです。これも別にお話ありきでなければ不要ですね。

・キャラクター紹介

文章で作ることもあれば、三面図(キャラクター図解)を作ることもあります。直近で作ったものだと、FINEは文書のみですが、涼鳥亭で作ったものは私がキャラクターの原案(絵)まで担当しています。

・キャラクターor世界観の年表

これもう蛇足っちゃ蛇足なので見たい人だけ見てねみたいなやつです。個人的に自分が作る作品では必ずほぼ作ってます。(ふわふわした世界観の場合は作りません。足がつかないほうが楽しそうだから)過去っていうのはそのキャラクターを構築するものなので、深みが出るところです。

ただこれは、本当に蛇足といえば蛇足なので、見たければどうぞ~的な感じで提出することが多いです。

・キャラクターや世界観に付随する小説や漫画など

いらんやろその②。普通CD制作で作らないので蛇足ですが。これは私が個人的に内容把握するために書くことが多いだけです。

漫画などは秒で把握できますので、資料として提示すると便利ではあります。作るのはとても大変ですが。

と、そんな感じです。

考えてみたけど、企画書よりも前に色々調べることとか多いかもしれませんね(笑)かかる費用とか印刷所の選定とかグッズ会社のあれそれとか。まあ、いいか。マシュマロくれた誰かさんや、今見てくださってる方で気になることがありましたらお聞かせくださいませ。



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