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兄弟戦争 ドラフトガイドライン 入門編
こんにちは、スギモトです!
毎回ご無沙汰しすぎです。
ここ1,2か月は、仕事・生活環境・よく使うPCスペックの都合で、Magic Onlineでのパイオニアを中心に、ときどきテーブルトップをしたりというマジックライフを送っています。バントスピリット楽しい。リミテッダーのみなさんにもおすすめのデッキですよ~♪
前セット「団結のドミナリア」は、なかなか苦戦しました~!30回弱やって、完走(7勝)は2回。版図には早々に見切りをつけ、白と青を基調にするところまでは固まりましたが、実戦で細かいスペルでの取り合いに「下手!!」が出て、なかなか勝ちきれませんでしたね。
団結のドミナリアのドラフト指針。現状。
— Yuta Sugimoto | スギモト ユウタ (@utamaru_mtg) September 7, 2022
①ピック最序盤は白・青を重視。強い2色への分岐が広い。
②赤は白・青と相性がいいが《稲妻の一撃》に釣られすぎない。黒赤、赤緑は避けたいので、白・青のポジションを固めることに一層注力。
③黒除去、版図アンコモン、4/0/3の流れから、分岐を決定。
「兄弟戦争」も、そこまでたくさんプレイできなさそうだな~という予感がしています…。手軽に快適にアリーナができるタブレットが欲しい…!と思いながら、そろそろテーブルトップで《Volcanic Island》に手を出そうとしています笑
基礎力を高めるために、新セットで環境予測する習慣は続けていきたいので、記事という形に残せるよう急いで書きました。他の方に比べると拙いところも多いと思いますが、一つの見解として、参考になればと思います。どうぞお付き合いください。
※MTGアリーナプレミアドラフト(BO1)でのプレイを想定し、低レアリティカードを中心に取り上げていきます。
▼環境概説
第一印象としては、ズバリ「地味だなぁ…」と笑
「試作」「蘇生」「パワーストーン」という新能力に関して、大筋として「パワーストーン」は、アーティファクトトークンを作ってマナを伸ばす能力、「試作」「蘇生」は、後半にその捌け口をつくる能力です。そこから副次的なキーワードとして「アーティファクトが場に出るたび」(緑白)、「生贄」(黒赤)、「墓地から戦場に出る」(白黒)などが生まれてきますが、あくまで大筋はマナブーストと疑似的なキッカー、フラッシュバックであり、複雑で強力なシナジーを作るものではありません。
また、序盤からサイズ差をつけて強烈なマウントをとる能力・キーワードが無いように見えます。過去の例を挙げるとすれば、フォーゴトンレルムの「集団戦術」、ネオ神河の「忍術」、ニューカペナの(「犠牲」「墓地のマナコストの種類」を除く)各キーワードをイメージしています。いずれも環境速度を定義する強力なものでした。
今回は、緑白に割り当てられた「アーティファクトが戦場に出るたび」がそれっぽいですが、コモンの2種は能力でタフネスが上がらないのがミソ。結局同マナ域と簡単に相打ちしてしまいますので、一方的なサイズ差をつけてマウントをとるような動きは出来なさそうです。
また、「広義の4マナ域」でのスタッツの上がり方が緩やかなのも、地味にポイントでしょうか。いわゆる4/4/4がスムーズに場に出てくることは多いとは言えません。「広義の」としたのには、「試作」と「蘇生」を含めた4マナ行動を指す意図があります。「蘇生」は継続的に盤面を形成する能力ではありませんし、「試作」は柔軟性の代償に、通常の4マナ行動よりも若干スタッツが割り引かれています。(これは「試作」コストではない、「完成品」コストでも同じです。)
5マナ以降のインパクトを相対的に強くしたいという、開発意図を感じますね。2+2の動きをいつも以上に意識してピック・構築するのも重要かと思います。
序盤は相打ち・相殺しながらゆったりと進み、パワーストーンでのブーストから大きな「完成品」を叩きつける、という「戦争」の名にふさわしい消耗戦が基本の環境に見えます。シールドっぽいですね。
「試作」「蘇生」「パワーストーン」が、各色にほぼ均等に割り当てられており、突出したシナジーも少ないことから、純粋にカード1枚1枚のクオリティが、色の強弱に直結するように思われます。
そんな環境概観がありながら、(あくまでリストを眺めた範囲でですが)色の強弱が顕著に感じられます。それぞれ、一番力を発揮できるであろうアーキタイプを挙げながら、触れていこうと思います。
▼アーキタイプ①白青飛行
ざっとカードプールを見た段階で、ぼくが最も魅力的に見えた色は青です。
航空戦力、4マナ域のスタッツが比較的安定していること、そして「マナブースト→デカブツ」という環境の基本にカウンターが非常に効果的であること、などが理由です。
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2回誘発させられれば覇権的サイズに育つ《ラト=ナムの達人》、地上を安定して受け止めながら、攻勢に転じれば高い打点を出せる《回収任務の工作員》、種さえ確保できれば4/4/4ワンドローとなる《マイトストーンの稼動力》。「薄い」と書いた4マナ域の中で、青のラインナップは安定感があります。
《散乱光》は、前述の「2+2」の動きにジャストフィットしますし、重いアーティファクトが中心の世界で、広い範囲への4点リークはいつもより賞味期限が長そうです。
《ウルザの拒絶》は、普段ならそこまで強力とは言えない3マナカウンターor麻痺なしの2体タップですが、モードが選べることで、劣勢の打開から優勢での蓋、リーサルまで、広い局面で使えるようになりました。リミテッドの青系ビートにとって「必要だけど裏目もあるのでたくさん入れたくない」効果が1枚のスロットにおさまる美しいカードで、早く使ってみたいと思わされます。
お家芸の飛行は、4マナパワー3飛行枠こそありませんが健在。《空挺司令官》《第三の道の学者》《回収任務の工作員》で、試作完成形に頼らないマナフラッド受けがあるのも高評価ですね。
そんな青に続くのが白。同じく航空戦力が強く、除去も充実しています。
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《解呪》は「本当にアーティファクトセットに採録してよかったの?」と感じさせる範囲の広さ。アーティファクト・クリーチャーは言わずもがな、白青自身のオーラ除去があるので、(メタゲームが遷移すればわかりませんが、ひとまず)迷わずメインに複数突っ込んでよさそうです。
「レンジストライク」枠の《手厳しい反撃》、「平和な心・拘引」枠の《服役》もライフゲインや占術がついて優秀。
あとは先輩に「《大将軍の精鋭》つよくね!?」と教えてもらいました。「解呪が当たらないタフ4以上」というのは、見た目以上の除去耐性があり、実質5/4/4ながら、前倒しでキャストできる可能性があることも、4マナ域の薄い環境で際立っています。詳しくは↓に早口長文が書いてあるようなのでぜひ!
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全体的にカードの質が高いことに加え、地上で相打ちが取りやすく、カウンター、解呪が強いという環境の追い風を受けて、白青はかなり強力なアーキタイプに見えます。
▼アーキタイプ②黒緑切削
緑もなかなかの粒ぞろい。2~3マナ域の戦力が安定しており、コンバットトリック2種&格闘除去のラインナップも、かなり充実して見えます。久々に《巨大化》が!撃てる!
お家芸とも言える高マナ域のファッティに関しては「試作」の割を食って物足りなく感じますが、青、白に続いて、クオリティの高い色に思われます。
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黒については、ここまでの3色と若干異なり、シナジーで真価を発揮するカードが多い印象です。
なかでも色の相性がよさそうなのは黒緑。「墓地のクリーチャー・カードの枚数」に応じてボーナスを得られるカードがいくつかあり、緑の切削能力が高いことが理由です。そこに蘇生を絡めてビートダウンしていくアーキタイプになりそう。
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安定感がある緑の2,3マナ域から積極的に攻撃を行い、相打ちから墓地を溜めるのもよし、あるいはコンバットトリックでバックアップしていくもよし。
墓地にクリーチャーが溜まってくると、サイズアップしたりテンポよく除去を使えたり…「完成版」を圧倒する戦線がつくれるのではないでしょうか。
黒の除去、緑のコンバットトリックがどれも優秀ですが、それらを詰め込みすぎると、「墓地のクリーチャー・カードの枚数」が薄まるのも事実。バランスに注意したピック、構築が求められると思います。
墓地を使うアーキタイプとしては白黒も。こちらはリアニメイトに寄ります。墓地を溜める力は緑より若干下がりますが、「3マナ以下」の縛りに前述の《大将軍の精鋭》が入る点には、詐欺臭さを感じます笑
青黒は、「2枚目ドロー」を何度も誘発させるのは難易度が高いですが、そもそも青が強いのでグッドスタッフ的になるかもしれません。
旧枠アーティファクトの《ジェイラム秘本》は、そこまで強いカードとは言えませんが、この3つのアーキタイプいずれとも相性がいいので注目ですね。
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▼アーキタイプ③黒赤生贄
ここまで挙げた4色に対して、赤は明確なルーザーカラーという第一印象です。
盤面の要になれそうなクリーチャーが《ペンレゴンの剛牛》のみ、ひと手間かければ4/4/4相当になる《ファラジの鎖舞士》も、まぁ使えるのかな??その他は、特にタフネスの低さが目立ち、継続的な攻撃が難しそうです。
加えて除去・火力が近年のセットの中ではかなり弱い。1マナのものはなく、3マナはパワーストーンつきとはいえ3点ソーサリー。5マナはまぁいつも通り、進んで入れたいカードではありません。《解呪》があるなら《粉々》くらいあってもよさそうなものですが、アーティファクト破壊も何故か3マナ。
アンコモンは構築でも活躍しそうなカードがちらほら見えますが、コモンのラインナップはかなり心許ないですね。
そんな中で気を吐く《ペンレゴンの剛牛》を使い倒してみないか、というのが黒赤生贄。
《ゴブリンの爆風走り》《ギックスの潜入者》《剛牛》と展開して生贄燃料をくべていけば、「あなたの言う『序盤からサイズ差をつけて強烈なマウントをとる能力・キーワード』ってこれとは違うんですか?これですよね??」級の攻撃力を発揮できそうです。「蘇生」や「パワーストーン」が生贄と噛み合う上に、伝統の「パクリファイス」パッケージもあり、赤に活路を見いだすとしたらここだろうなと思います。
黒のパワーストーン生成能力が低めなのは若干気になりますが、《屑鉄造りの軍勢》や《胆液の水源》まで含めれば、材料は十分に揃えられそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1667997985055-RP9G5jvf6U.jpg?width=1200)
▼コモン・アンコモンTier表
(建設されるかもしれないし、されないかもしれない予定地)
▼おわりに
以上です。
白青の万能さが際立つ一方で、黒の懐の深さも魅力ですね。緑もカードは優秀ですので、緑白、緑青がどれだけやれるか次第でしょうか。下馬評を覆す赤の生贄パッケージも楽しみです。
セット自体の独自性が薄い印象を受けることに、自分のプレイする機会がそこまで作れなさそうなことが加わって、若干あっさり目にはなりましたが、これにて入門編は終わろうと思います。
独自性が薄いことはすなわち、基礎的なコンバットの腕がモノを言うと思うので、トレーニングのためにしっかりやりたいとは思うのですが…
(MOでリミテやることも考えましたが、あっちはアリーナ以上にシビアな現ナマ(チケット)をかけたゲームになるので、ちょっとしりごみしています…笑)
リミテッドのプレイ機会が減って顔を出せていませんが、コミュニティにスペシャルサンクス。(いつもの)
ぼくも参加している、リミテッド中心のDiscordサーバーです。
チャットでは7勝のデッキを共有や意見交換をしていますので、楽しいドラフトライフのお手伝いができるのではないかと思います。気軽にJoinしてくださいね。
以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
パイオニアで使っているデッキのことも書いてみたいと思いつつ、やっぱり次に書くのは来年1月のファイレクシアになるかも…?ひとまず「よいお年をお迎えください」と言っておきます!笑