団結のドミナリア ドラフトガイドライン 入門編
こんにちは、スギモトです!サムネは真ん中で主人公っぽい顔してる工作員さんのキービジュアル!
ご無沙汰しているのには理由がありまして。ぼくは「オンラインとテーブルトップのカード完全一致」を掲げる「反アルケミー過激派」を自称しているため、「バルターズゲート」期間中は、大好きなアリーナでのドラフトを離れていました…。
ようやくのオンライン・テーブルトップ同時リリースの新セットということで、またゴリゴリドラフトができると思うと、嬉しい限りです。
前セット「ニュー・カペナの街角」はかなり好きなセットで、5月には久々のミシックランク、そして初のナンバーズ(#276)までたどり着くことが出来ました。
色の格差は大きめだったものの、スピーディーなコンバットにリミテッドの魅力が詰まったセットだったと思います。途中、参加しているコミュニティ(最後に紹介あります!)でいろいろと質問もさせていただき、基礎的なマジック力に対する理解を深める機会になりました。
さて、「団結のドミナリア」!直前まで仕事が立て込んでいたことで若干出遅れました。既にアーリーアクセスも始まっているようです。今回はTier Makerで点数表を作っている方も多いようで、TwitterにYouTubeに…既にたくさんの情報が飛び交っています。
まずはそれらを見ずに、自分の中だけで考えをまとめることを意識しています。他の方に比べると拙いところも多いと思いますが、一つの見解として、参考になればと思います。どうぞお付き合いください。
※MTGアリーナプレミアドラフト(BO1)でのプレイを想定し、低レアリティカードを中心に取り上げていきます。
▼環境概説
最近のセットのトレンドとして、「アンコモンに各2色の組み合わせ10枚のマルチカラーカードがあり、それを軸にアーキタイプを組み上げる」というものが多かったと思います。
今回は、伝説のクリーチャーの開封比を上げるためか、マルチカラーのアンコモンが若干多いことに加え、コモンにも別の色でキッカーコストを支払う単色のカードが多くあるため、前回のファイレクシア侵攻【インベイジョン】さながらの、「多色セット」になっています。(何のことかわからない人は、ショップでおじさんに聞いてみてください。)
一方で特定の色に割り振られる凝った能力は少なく、各色のできることが汎用的・横断的になっています。ある種、基本セットっぽいのかもしれません。
「『〇〇』と書いてあるカードを集めるだけでデッキになる」というようなセットと比較して、ピックの難易度は若干上がると思われますが、言い換えれば自由度が高く、いろいろな切り口からシナジーを作り出せる、かなり「味のする」セットになりそうだと感じています。
今回この記事では、構築のメインコンセプトになりそうなものとして、「呪文シナジー」「トークン・生贄」「後援大型」「版図」「防衛」「墓地利用アドバンテージ」の6つを挙げて、順に説明してみたいと思います。
攻撃的、前のめりな順に進めていきましょう。
▼アーキタイプ①呪文シナジー
中心色:青赤 (補助色:白、黒)
《ギトゥの増幅士》、あるいは《消えない想像体》を起点とし《トレイリアの恐怖》につなぐ、果敢系テンポビートダウン。
《増幅士》は、定番の《窯の悪鬼》枠。タフネスが低く、回避能力もないものの、キッカーでのバウンスがオプションとしてついています。こういうデッキで、5ターン目をフルに使ってインスタント・ソーサリーでない呪文を唱えるのが果たしていい動きなのかには疑問が残りますが、リミテッドのテンポデッキにおいて強力な効果なのは間違いありません。
《消えない想像体》は、逆に打点が上がらないものの回避能力があり、確実なクロックとして機能します。
コモンにはこの2体以外ー3~5マナ域に、戦略に合った驚異(M21の《ゴブリンの魔術》のようなカードをイメージしています。欲張り。)が少なく、2マナ域から動き出せないとアーキタイプとして寄せる旨味が少ないため、卓の許容量は少なめかなと思います。
アンコモンでは、《静電式歩兵》や《戦闘魔道士の隊長、バルモア》が戦力に加わります。いずれも2マナで、デッキの動きを損なわず、アタッカーのクオリティを純粋にあげられるのが嬉しいですね。
《微小術師》も、スペルの供給を安定させてくれる良カード。
他のマルチカラーまで手を伸ばすと、青白の《ウェザーライトの重鎮、ラフ》《空騎士、トゥーラ・ケネルッド》、青黒の《シェオルドレッドの心酔者、ローナ》《ヴォーデイリアの冒涜者、ヴォハー》はそれぞれ、インスタント・ソーサリーに関する能力を持ち、このアーキタイプを底上げしてくれます。課題として前述した高マナ域の厚みを出せる驚異ですので、3色目として白や黒も検討したいですね。(《ローナ》はBBが要求されることに注意…)
《嵐の走者、ナジャル》は、《トレイリアの恐怖》を軽く出したいアーキタイプなため影が薄くなりそうな気がしますが、能力は強力。《勢いを挫く》《トレイリアの噴出》《骨の粉砕》《強引な妨害》などがインスタントになるだけでも、使い勝手が1,2ランク上がります。
▼アーキタイプ②トークン、生贄
中心色:赤白 (補助色:黒、緑)
赤白の定番戦略「面展開」ですが、《英雄的突撃》と《ケルドの急襲隊》が高マナ域に据えられており、打点の急上昇に強いインパクトがあります。
《アルガイヴの騎兵》《カリスマ溢れる先兵》《隊長の号令》《庇護のグリフィン》《アルガイヴの密集軍》など、白のコモン生物を並べるだけでコンセプトが固まるので、再現性、卓の許容人数が高い、人気アーキタイプになりそうです。面での展開がUR呪文シナジーに対抗しやすそうなのも加点要素。
黒を加えることで、生贄、死亡誘発のシナジーが組み込まれ、トークンをより幅広く活用できるようになります。赤抜き白黒も十分に成立するでしょう。《ファイレクシアの軍馬》は、全体強化が乏しい場合に、点攻めのオプションを与えてくれます。
黒赤も生贄シナジーのある色ですが、その2色だけでは、生贄の種の供給に若干不安があると感じます。黒赤中心の場合も、白タッチはマストではないでしょうか。
前述の通り、コモンだけでも基本的な戦線は構築できそうですが、《ベナリアの堕落者、アロン》《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》《ケルドの血拳、ガルナ》《憤怒の乗り手、アヴナントのトーリ》などの伝説のクリーチャーはシナジーを強化しますし、《肉裂きの空乗り》《戦元の熱狂》は、さらにいろいろな角度からリーサルコンバットの可能性をもたらしてくれるでしょう。
あるいは、《ルアダッハの女王オーリナル》《連合の力》などで、赤緑白に進むこともできますね。次に述べる後援とはコンセプトが噛み合いにくいので、ピックの取捨選択は厳しくいきたいところです。
▼アーキタイプ③後援大型
中心色:赤緑 (補助色:白)
今回の新能力である後援を使って、序盤から終盤にかけて力強いアタックを継続するアーキタイプです。3/1のような「頭でっかち」の価値が終盤まで落ちづらく、高タフネスによる受けを許しません。大きくして殴るだけのシンプルなものですが、4ターン目《溶鉄の大怪物》などにつなげられると強烈です。
「後援」と書いたカードは赤と緑、白にそれなりの数があります。「後援」や「タップするたび」と書いていないカードの中でも、《流動石のカヴー》などは好相性。威迫を生かして数ターン自分で殴った後、後援する側として終盤まで働いてくれるでしょう。
後援の使用感としては機体に近いのだと思いますが、「召喚酔いの影響を受けておらず」という機体にはない条件がある分、一層崩されやすく、また、トップデッキからの爆発力に欠ける点は気になります。
呪文シナジーやトークンが、このアーキタイプより速く攻撃的な上に、トークンが「頭でっかち」に強いこと、バウンスや麻痺カウンターの影響が大きいことを考えると、あまり積極的にやりたいアーキタイプではないと感じます。次に書く版図に、一部要素をタッチする程度の使い方に落ち着くかもしれません。
▼アーキタイプ④版図
中心色:緑青から5色
緑中速系のアーキタイプとしては、こちらの方がより安定感、爆発力が高い本命だと感じます。
序盤の脅威を相打ちでしのぎつつ、マナと基本土地タイプを増やし、中盤以降は版図ボーナスに加えて積極的にキッカーを使うことで、優位に立ちます。
《日光浴するルートワラ》、《蔦形成師の神童》、《ピクシーの幻術師》などが序盤~中盤を支えます。中盤以降の《メリアの先導》なども、攻防によい役割が持てるでしょう。白からは《弩弓破》、黒からは《影の予言》など、優秀な版図呪文をいただきましょう。
サイズやダメージの予測が難しく、場になかった2つの基本地形タイプを持つ2色土地を不意に置かれて、一気にサイズが2段階上がるようなことも起こりそうです。こちらもクリーチャーのサイズを前提に受けることは難しそうに思われます。
2色土地をピックの手数に入れることが重要になってくるので、高ピック難易度、卓の許容量は低め。綺麗に組みあがったときの土地・ランプスペルのバランスは、始まってみないと、という感じでしょうか…。
▼アーキタイプ⑤防衛
中心色:白ほか青、黒など
ファイレクシアに対する抵抗を表現するためか、各色にわたって防衛持ちクリーチャーが広く配置されています。勝ち手段になるのは主に《歩く防壁》《翼套の司祭》《荒廃の塊》なので、白や黒は触りたいところです。これらはいずれもアンコモンですが、コモンの《盾壁の歩哨》で自由にサーチできるので、ゲームプレイの再現性は高そうです。
しかし、呪文シナジーの回避能力、トークンの横並べ、赤緑の高パワーなど、低パワー/高タフネスの壁で受けにくく、多彩な攻めのラインが存在するため、アーキタイプの強さとしては、1段低くなってしまうかと思います。自身は4/1/3防衛という低スペックである《盾壁の歩哨》を起点に、そこからさらに《歩く防壁》《翼套の司祭》《荒廃の塊》を展開、起動なるとすれば、テンポでも大幅な出遅れです。これも積極的に参入するというよりは、《翼套の司祭》が複数取れることを確認して、遅めに参入するアーキタイプになりそうです。
どのみち《翼套の司祭》に依存するのであれば、白青飛行のワンオプションという考え方もできます。
ここで触れておくと、青のコモン4マナ飛行のスペックは文字通り青天井なのか!?《タラスの見張り》、タフネス偏重が環境的に働きづらいから許されているのか謎に高スタッツな《飛翔するドレイク》など、青の飛行戦力は今回も安定しています。スペルによって、到達持ちと地上の防御さえ解決できれば、十分に可能性のあるアーキタイプだと思います。
▼アーキタイプ⑥墓地利用アドバンテージ
中心色:青黒 (補助色:緑)
青黒のアドバンテージ戦略に、緑から墓地利用、版図の要素をタッチするようなイメージです。
《タラスの見張り》《ファイレクシアの憤怒鬼》《蔦形成師の神童》など相打ち上等の面々や、《ファイレクシア流諜報術》《影の予言》《アーボーグの奪還》の3枚がアドバンテージ源として強力です。接死が多く、相手のサイズを気にせず盤面を固められるのも加点要素。
積極的な相打ちでゲームをスローダウンさせながら墓地を肥やし、後半のアドバンテージとフィニッシャーの勝負に繋ぎたいですね。
マナカーブに合わせてグッドスタッフを配置していけばよく、特定のカードに依存するわけではないので、卓の許容量は多めだと思われます。
アンコモンにも特定の重要なカードというものはなく、汎用的なユーティリティとフィニッシャーの底上げが期待できます。
▼(追記)コモン・アンコモン点数イメージ
Thank you, Tier Maker.
ざっと並べてみましたが、ピック序盤の基準になる純粋なカードパワーと、最終的にデッキ入れたい枚数の2軸で見て、正直ごっちゃついてます。
特にAの後ろから4枚。さすがに1-3でこいつらを取ることは無いと思うけど、青黒緑デッキには複数欲しくなりそうなのでA。逆に《タラスの見張り》は代替も効くし、たくさん無くてもいいかと思ってB。
土地は、版図するときにお得になりそうな青絡みをB、版図にはどうせ森が入るので緑絡みは少し落ちてC、版図から遠いし、あまりタップインしたくないマルドゥカラーをDにしました。赤は版図に噛まないわけではないので、黒赤と赤白はCでもいいかも?
アンコモン。マルチカラーのSランクとAランクは、ハマったら簡単に人がシにそうかどうかで分けました。後ろの鳥2匹はAかも…正直よーわからん。 レアはドラフト的な興味があまりないので、やりながら覚えます。
▼おわりに
以上です。
所感としては、白(赤・黒)トークンと青黒(緑)コントロールが人気と強さを二分し、青赤呪文、緑系ミッドレンジ、白青飛行ないしは防衛が、特定パーツから参入する小さめのアーキタイプになるのではないかと思います。
まず環境初期は白のトークン・クリーチャー、青や黒の汎用パーツの点数を高めに設定して、ピックを進めていくのがよいのではないでしょうか。
ぼくはこれまで、全カードにまたがる俯瞰的な点数表にあまり重要性を感じていませんでした。アーキタイプによってカードの強さ・ピック優先度は変化しますから、「まとめ編」を書く際も、「アーキタイプごとの優先度」という尺度で、カードのランク付けをしてきました。
しかし、「ニュー・カペナ」に取り組む中で、コミュニティで「卓の許容量」という概念にも触れさせてもらい、俯瞰的な優先度づけも必要だなと感じています。
Tier MakerもTwitterで盛り上がっていますし、余裕があれば、自分の点数表をプレリ前に作っておきたいなと思います。できたら追記しますね。
そんな学びの多いコミュニティにスペシャルサンクス。(いつもの)
ぼくも参加している、リミテッド中心のDiscordサーバーです。
チャットでは7勝のデッキを共有や意見交換をしていますので、楽しいドラフトライフのお手伝いができるのではないかと思います。気軽にJoinしてくださいね。
以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
カペナは「まとめ編」書いたりもしていましたが、編集が面倒になってお蔵入りしています笑 今回はリリースできるよう、記事の方もがんばりたいと思います!
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