ほどほどに
中学時代の友人のお腹に赤ちゃんができたらしい。
それはとても喜ばしいこと。
なのにわたしは、素直に喜べないでいました。
出遅れた感が拭えないのが嫌なのかもしれません。
わたしに今彼氏はいません。
好きな人がいるだけ。
でも、「別にいいじゃないか」と自分の中の片割れが言います。
だって、人は人で自分は自分だから。
ペースの進み具合は人それぞれ。
だけど、どうしても気にしてしまうのはは、わたしが見栄っ張りだからでしょう。
中学時代の少ない、今も繋がりのある友人たち。
わたしは女子校育ちなので、その子たちは全員女子です。
彼女たちはわたしを昔と変わらない友人と思っているのでしょうか。
いつ頃かわたしは、彼女たちと過ごす時間が、少し息苦しく感じるようになっていました。
漫画やアニメの話をよくしていた友人たちは、今はスイーツや旅行、コスメの話が大半です。
なぜだか、みんながわたしとは別世界に行ってしまったように思えました。
それは、わたしが変わらなさすぎなのでしょうか。
正直、今は彼女たちと一緒に過ごすより、家で過ごしたり今のように執筆作業をしていた方がずっと楽しいし、有意義に感じます。
それを言えば悲しむだろうな。
そしてわたしは独りになるだろうな。
それがわかっているから、わたしは本音を言えずに「おめでとう」とだけLINEを返すのです。
本音だけど、本音だけじゃない台詞を。
もちろん嫌いではありません。
けれど振り返ると、彼女たちと一緒にいる最近のわたしは、薄っぺらく笑っていることが多かったことに気づきました。
今までは孤独になるのが嫌だったので、見ないフリをしていただけでした。
でも、別に貶したいわけではありません。
だって、学校が少しでも楽しい場だという思い出があるのは、絶対にあの子たちに出会えたからなんだから。
あの子たちが笑って、泣く寸前だったわたしを容易く手招いてくれた。
本当に、感謝しています。
だからやっぱり手放せない。
でも、無理して自分の首を絞めるのもどうだろうと思うのが、今のわたしです。
だから、わたしは適度に喋って適度な距離で関わることに決めました。
ただの臆病者なんでしょうね。
でも、これくらいが丁度いいんです。
きっと近づきすぎたら、嫌いになっちゃう。
彼女たちじゃなくて、自分を。
ちょっと昔よりもずるくなった気がする。
これは大人の特権なのでしょう。
それではまた。
ウタラテ