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パロサント製頭部管の製作

このようなお問い合わせがありました。

今春より、娘がフルートを始めましたが、金属アレルギーがあるため、ご相談です。
これからフルートを購入予するため、御社の吹き口に合うフルートの購入と吹き口の注文を検討しています。
メーカーや品番等で合う合わないがあるのでしょうか。
また、吹き口は完全に木製での製造も可能でしょうか。
指は手袋で対応していく予定です。

どうやら試奏されたわけでもなく、私の頭部管を使用することを前提に楽器の購入をご検討いただいているということでした。
非常に有り難いことではありますが、他にも色々な選択肢があることをお伝えし、試奏を含めて楽器店にご相談されるようご提案いたしました。


約一ヶ月後、パロサントの指定で頭部管のご注文をいただきました。

『緑色』をご希望ということでパロサント一択になりました。ですので、仕上げは漆ではなくオイルで。
フルートを始めたばかりの中学一年生ということで、最近の小さめの歌口ではなく従来型で製作しました。

パロサントという木は非常に樹脂の含有が多く、放置しておくとぷつぷつと樹液のようなものが滲み出てきます。
これが甘い芳香を放つのですが、ちょっと強い感じです。
(同じハマビシ科のリグナムバイタの方が柔らかで好きです。)
一応乾性油と蜜蝋ワックスで抑えられますが、くすんできたりベトベトして来ることがあり、メンテナンスは厄介かもしれません。

PST-170
マークは従来の銀のエンブレムでなく彫刻です
歌口は大きすぎない通常のサイズ


因みにこの動画の中で首席フルートの Erwin Klambauer が使用している頭部管もパロサント製 (PST-142) です。 


すり合わせのために送っていただいた本体との相性も良く、オリジナル頭部管よりもまとまりのある柔らかい音になりました。
気に入って末永くご使用いただけるよう願っております。

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