ピッコロ頭部管の製作
昨年暮に知りあいから注文があり、久々にピッコロ頭部管を製作した。
YPC-82という銀製頭部管付モデルに合わせての製作依頼だった。
ストックの頭部管を試奏してもらったところ、銀管貫通タイプが気に入ったということだが、オリジナルの銀製頭部管も吹きやすくて良い状態だったので、同じような感じの頭部管を敢えて作る必要が感じられなかった。
その旨を伝え、通常の木の頭部管を製作することを納得していただいた。
本当は小さな穴の歌口にしたかったのだが、そういった傾向は望まれないようなので普通に作ることにした。
最近はオイル仕上げにする気にならず、これも漆仕上げにすることにした。
今迄は銀のリングや接続管は塗りを終えてから接着していたのだが、今回は先に接着してからマスキングして漆を塗ることにした。
マスキングは上手くいったようなので、この方が事前に音を出して確認もできるし、接着後の処理で塗りが剥がれる心配もないので良いかもしれない。
さて、出来あがって吹いてみるとオリジナルよりも特別良いとは感じられないし、木管らしい柔らかさが感じられるかというとそれ程でもない気がする。
ピッコロ頭部管に関しては、特に他の頭部管よりも優れたものを製作できるといった自負も無いのであまり製作意欲が湧かない・・というのが本音である。ジョイントを合わせることも難しいので、複数製作して提示することも儘ならない。
唯一、小さな丸穴の歌口で漆仕上げのピッコロ頭部管を製作して評価を仰ぎたい・・という思いはある。