ゴールデンカムイ読者的新潟観光②~新津~
2022年4月28日から全国を巡回していた「連載完結記念 ゴールデンカムイ展」もついに最後の開催地・新潟会場が2024年7月7日でファイナル。
京都2回、札幌1回、函館1回と計4回も観覧済みでしたが、最後にもう1回あの空気を味わいたくて、新潟会場も見に行きました!
1.ルート
新津へ行く前に新発田を観光済み(別記事)。
一日目に新発田と新津を観光し、二日目に佐渡を観光して帰ります。この記事では新津の思い出のみ綴ります。
2.タイムスケジュール①
3.新津ってどんな街?
新潟会場が新津美術館だと発表されたとき「なぜそこで……?」と思ってしまったゴールデンカムイ読者は私だけではないはず。当初、開催は発表されたものの会場は未発表で、鶴見中尉の出身地・長岡なんじゃないかとか、アクセスが便利な新潟駅の近くなんじゃないかとか、色々と予想されていました。
でも選ばれたのは新津。そこで調べてみるとなるほど新津美術館の周辺は、ゴールデンカムイの世界観によく似合うのです。
①自然環境
新津美術館は「新潟県立植物園」(後述)に隣接しています。もともと園芸産業が盛んな土地で自然がとても豊か。これまでのゴールデンカムイ展の会場周辺にはこのような環境はありませんでした。でもゴールデンカムイといえばアイヌ文化。冬は山へ狩りに行く「男の季節」で、夏は山菜や野草などを採る「女の季節」(第73話)。動物ばかりが注目されがちですが、植物もゴールデンカムイの重要な要素です。新津美術館周辺の自然環境は、最終回までにアシㇼパさんが見つけた守りたかったものとの相性が抜群に良いのです。
②新津油田
新潟県立植物園からさらに徒歩25分ほど行くと、「石油の世界館」という施設があります。ゴールデンカムイの時代に日本一の産油量を誇った「新津油田」を中心とする石油採掘の歴史や石油と人との関わりを紹介する施設です。古の読者にとっては野田サトル先生が昔から石油ランプにこだわっていらっしゃったのは周知の事実。
石油採掘には金塊と同じような一攫千金のロマンもあり、ゴールデンカムイの男たちの夢に近いものが感じられて、やはり作品との相性が良い。近くには「日本の石油王」と呼ばれた中野貫一が建造した明治の豪壮な館と広大なもみじ園、「中野邸記念館」も(秋まで休館中)。
③鉄道のまち
新津美術館までのアクセスに苦労した方のなかにはびっくりされる方もいるかもしれませんが、実は新津は「鉄道のまち」です。
新津駅は明治30年(1897)に開業し、明治40年代には新津油田の原油を東京へ運ぶのに利用され、戦時は軍用で繁盛し、戦後は北海道の石炭を関東へ輸送する要所駅となったそうです。最終決戦が暴走列車でおこなわれたゴールデンカムイの完結記念の催しが開かれるのに、鉄道のまちである新津がふさわしくないはずがありません。
4.新潟市新津美術館
①アクセス
新津駅が便利であっても新津美術館に最寄りの古津駅はそうではなく、電車はあるにはあるのですが、どうにも接続がよろしくない。
タクシー利用がおすすめです。
タクシーは新津駅を出てすぐのところに待っていてくれて、約10分で新津美術館まで連れていってくれます。6月下旬の訪問だったのでお世話になったタクシーの運転手さんも「はい、ゴールデンカムイですねー」と手慣れた感じでした。作品自体はあまり知らないとのことでしたが、連日ずっと駅と美術館を往復しているらしく、「今までこんなことはなかった。ずっとゴールデンカムイでいいのに……」とぼやいてらっしゃいました。
到着したら広々とした駐車場が広がっていて、やっぱりここは車で来ることが想定されてそうだよなあと思いつつ、運転手さんとお別れし、いざ、ゴールデンカムイ展新潟会場へ!
②アトリウム
出た~~~! おしゃれアトリウム!!
尾形のこのコマ、とっておきの大ゴマですが、元々右端が切れてるんですよね。だから普通のパネルにしたら配置条件が厳しいはず。でも新津美術館さんはそれをこんなにも軽やかにクリアして、しかも相乗効果を生み出す形に昇華してるんですよ。これはもはや『ゴールデンカムイ展』というタイトルのインスタレーション・アートですよ……!
尾形だけじゃなく、新潟会場の第七師団の皆さんはとにかく全員かっこいい!
こちらの特大パネルも楽しみにしていました。
新潟出身のお三方と杉元(好き)と菊田さんのアップ。新潟に来る前日に埼玉(別記事)にいたので、菊田さんがこの並びでなんだか嬉しい。
③第1会場
本会場は評判どおり、本業で美術品の展示を手掛けている美術館らしい綺麗な会場でした。
④ミュージアムカフェ
第1会場と第2会場の間には素敵なカフェがあってなんと途中で休憩できてしまいます。
⑤第2会場
何度も見たはずの展示でしたが、展示方法がすごくよくて最高でした。
もっとも楽しみにしていたのが黄金色名画廊。
「えっ? これを絵画を飾るみたいに展示すればいいんですか?(ガチ勢)」な完璧な展示でした。しかも公式からのご案内に従って朝一の訪問を避けたため、もう皆さんご覧になった後のようで、独占的に観賞できてしまいました。
撮影禁止エリアではこちら↓の色紙も追加されていて、実物が見られて嬉しかった。
(ひそかにこれからもこの色紙、新潟のどこかで飾られることにならないかなあと期待してます。)
⑥アトリウムおかわり
全部見終わって会場を出ると2階からまたアトリウムを一望できるというサービス精神旺盛ぶり。
1階に下りて再度受付を通過し物販コーナーへ。
グッズはこれまでにあらかた買い尽くしていたため、今回はミニ色紙コレクション(全14種入り)だけ購入しました。でもこれが欲しかったんだよ!
5.新潟県立植物園
荷物も少なく身軽な状態でお隣の新潟県立植物園へ。企画展示「植物と共に生きる〜アイヌ文化から学ぶ植物のチカラ〜」が開催中でした。
お目当ての企画展示は温室の第2室なのですが、その前に通過する第1室の企画展示「熱帯ドームの植物たち〜熱帯果樹の世界〜」もすごかった!
外も大概でしたが、なんて熱気と湿度だ……!
スチェンカ的な熱気に圧倒されたあと、扉を2枚抜けると……
じっくり楽しめる粋な展示方法がとられていました。
たとえばこんな感じ。
残念ながらラベルをめくってまわる時間はなかったのですが、ラベルの内容をがっつりまとめた「解説書」の配布があって助かりました。
北海道大学植物園へも訪問済みでしたが、新潟県立植物園のこちらの企画展示のほうが、ゴールデンカムイ読者が知りたいことを1か所にギュッと集めた展示で、短時間で濃厚に楽しめました。
根をアシㇼパさんが毒矢の材料に使っていることでおなじみですね。親分と姫回(第67話)で「ニリンソウはトリカブトとよく似ていて間違えやすい」と言われているので、ここでちょっと比較してみましょう。
広い空間を贅沢に使っているのでクチャ(仮小屋)まで再現できてしまう。
元から茶色っぽかったわけではなく、初めは青かったみたいです。
【検証】クチャって杉元にとって特別な場所だよね
クチャはさ……杉元にとって特別だよね。初めてアシㇼパさんの料理(リスのチタタㇷ゚)を食べて「ヒンナ」という言葉を知った場所だもんね(第5話)。最終話で回想してた「自分が幸せになれそうな場所」で真っ先に思い浮かべてたのもクチャだったから、「リスたくさん獲れてよかったねぇアシㇼパさん」って言ってるあのコマは、クチャからの帰り道と想像するのが自然だよね。3年後のあの時点では、自力でクチャを組み立てられるようになってるかもしれないな杉元……。
クチャを見ているとじわじわと胸に込み上げてくる熱い感情がありました。
いやあ、最後の最後にいいものを見た。ありがとう、新潟市新津美術館。ありがとう、新潟県立植物園、ありがとう、ゴールデンカムイ展。
6.まとめ
来てよかった……! この一言に尽きる。新津美術館のアトリウム自体が新規のゴールデンカムイ展だと感じたし、植物園の企画展示もゴールデンカムイ展の延長のように感じました。今回はわずか2時間半という駆け足での観光でしたが、新津もまた時期を見てじっくり周ってみたいと思います。
7.タイムスケジュール②
次はいよいよ佐渡島に上陸します!
佐渡観光は別記事にする予定です✍️
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