2019年のボカロ曲10選(0.2)
2019年のボカロ曲10選です。例年は年間5選ということでやってたのですが、今回は10選にしてみました。まあ5選といっても、17年・18年は実質的にボカイノセンス5選みたいなところがありましたし、候補曲が7曲あったとして、そこから2曲削るよりも、むしろ3曲足して10選にしたほうがまっとうかなとか思ったり。曲数が多くなった分、よけいに曲順には迷いましたが。それもいいってことでしょう。
あといつもは曲紹介文にかなり力をいれてやってたのですが、今回もやる気はあるのですが、まだ聴き込みが足りてない感もあり、ぼちぼち更新してゆくことになるかと思います。よろしく。
ちなみにマイリストはこちらです。
1.ぐらんびあ「unchanged」
書きだしがいきなり難しい。変にエモい文章にもしたくないと思ってるのだけれど、1曲目から感傷的な楽曲を選んでしまったので。とはいえ、この10選には、そういう楽曲がいくつも入っているからには、逃げるわけにもゆかないのであった。2019年の自分とむきあわねば。
止まらない なみだ このまま落ちて もう一度 僕をとりもどす…
変わらない僕と 変わりゆく君に 世界がまわってる
自意識の連続性という意味において、たしかに自分があくまで自分であることに変わりはない。もちろん人はたえずゆっくりと変化していくし、それがつのりつもれば、あるタイミングで大きく舵をきることになるだろう。それは自分の中では、運命的な、自然とそうなってゆくべきであった変化にすぎない。自意識が、その連続性を保証する。しかし他者から見れば、そうではない。僕からすれば、君は変わってしまった。
ところで人は、往々にして自分自身の変化を、自分の意志によって選択したもののように思い込んでいるが、それは違う。それは多くの他者との関係のなかでの、引力と斥力のかさなりあった磁場における、相互作用の結果だ。短くいえば、運命ということになるのだろう。この楽曲は、そうした運命のいたづらから生まれる叙情性を、特定のシチュエーションにしばられない、普遍的なものとして表現することに成功している。素晴らしいものだ。
さようなら。またあした。いや誰に?
いつのまにか、はるか昔のことのように感じていたが、でたらめ音楽教室でぐらんびあさんとお会いしたのは、まだ2019年のことだったか。あのときは楽しかったな。絵師の××さんとは、その後、なにか進展したのだろうか。そんなこともなさそうだが、地味に気になってます。僕にとってのぐらんびあは、ゴシップも気になるくらいの有名ボカロPなので。
2.TentaQle「バーティゴ」
それにしてもエレクトロニカ系の音楽と、優れたVOCALOIDの歌唱は相性がばつぐんですね。淡さと美しさ、ほのかな艶やかさの絶妙なあんばいは、2019年の楽曲のなかでは、ずば抜けているのではないでしょうか。
空に落ちよう 全部見えなくなるまで 君と二人 空気だけをもって…
軌道からの離脱。生命すら賭するかのような。そうまでして変化する理由があるならば、あとは選択するだけであろう。神聖なる霊魂は、勇気を祝福する。新しい平衡感覚は、墜落の果てに見つければよいのだから。愛機とともに。なれあいのなかに生きつづける理由はない。
この楽曲を聴いていたら、往年の名曲をたづねたくなった。
またおもむきのちがった冷たさがあり、よきものである。それにしても自分のマイリス整理は、いっこうにうまくならない。うまくなる努力をしていないからなのだが。あてずっぽうで検索したほうが早いというのは、なんとかしたいものです。今回は下記の記事からたどりつきました。あはせてどうぞ。
なおこの連載は、ここで更新が途絶えているようである。
3.ぎすたか「イル・ピッコロレ」
夢想的。幻影的。逃避。
4.ラムネP「さよならヒグラシ」
叙情性。そこにあった面影。年間1選はこの曲かな。
5.taroon「バーチャル・アスレチック」
ボカロのある生活は楽しい!ヴァーチャルなリアリティ。
6.ぐらんびあ「GARULA」
暴力的なまでの繊細さ。ぐらんびあさんは2曲目。
7.土山時雨「エルモア」
群衆のうちで、一人ぼっちの祝祭。朝焼け?
8.てんき「ネトゲワスレ」
叙情性。
9.やなが みゆき「Love生き続けるエナジー」
2018年末の投稿。2018年5選にも選んだのだが、2019年にいちばんリピートしたボカロ曲でもあり、はずせなかった。ちなみに2018年の5選記事はこちら。当時の心象がよくおとしこまれていて、いま読みかえしてもいい文章だと思います。
10.キュウ_91「夏の灯火」
旅立ち的ななにか?はなむけ?
そんなわけで、今年もよろしくお願いします。こちらはあいかはらず、新曲チェックサイトも更新してますので、よかったらどうぞ。
それではまた。
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