airbabe「いつも」を聴く
イノセンスはかたちを変えながら、未来へとつづいてゆく。近年のairbabeのエレクトロニカは不可思議だ。生物的なようで、機械的なようで、あるいはAI的でもあるかもしれない。その雑居性が苦手で、僕は食わず嫌いをしていた。まるでブロッコリーだけは苦手な子供のように。でも魅力ある音楽であることを知覚しながら、見て見ぬふりをしつづけるのも、不誠実というものだろう。そんなわけでこの新曲を聴いている。やっぱり不可思議だ。人間的というには、どこか歪な優しさ/柔らかさ。肉体性の感じられない、純粋に思念的な空間性。これは何を意味するのだろう。もうちょっと聴き込んでみたい。
ふと数年前のbetchaさんの楽曲が聴きたくなった。2014年の投稿作品。
こちらはだいぶ人間的な感じがする。あくまで人間が空想している。僕がなれ親しんできた音楽世界だ。隣接するものではあっても、やはり大きな差異がある。
ちなみにairbabeさんも、2014年の投稿曲ではこんな作風だった。
弱々しいまでの、人間的な叙情性。やはり2019年とはだいぶ違った地平にいたのが分かる。
せっかくなのでairbabeさんの投稿曲マイリストもリンクしておく。マイリス巡回するだけの価値が十分ある作家なのは間違いないだろう。