シェアバイク
一気に広まったシェアバイク
時期ははっきり思い出せないのですが、福州市では2、3年前からシェアバイクが一気に普及しました。 こちらの人も新し物好きなので、サービス開始とともに多くの人が利用を始めました。最初は物珍しさや流行りものの感じで、徐々に民間からの公共交通サービスとして定着していった感じです。
はじめは数社が入り乱れてましたが、現在残っているのはHellobike、青桔、mobike、という三社が主です。hellobikeは初期から続いていて自転車の作りもしっかりしています。継続して車体の改良と管理もされているので私も利用しています。(下の写真:一番左の緑色が青桔、沢山並んでいる青いのがHellobike)
利用方法
外国人はアプリをインストールしてデポジットを払い、パスポートと顔写真を送ると数日で認証されます。(支付宝など支払いアプリに登録していることが条件)認証に数日かかるので、旅行者がパッと利用するには不便ですが、中国人の知り合いがいればIDを借りて利用することもできます。登録後、街で自転車を見つけたら、ハンドル等についているQRコードを読み込むと自動で鍵が開いて利用できます。支払いはすべてアプリ上で済ませます。
利用料金は基本は30分/1元でバスの初乗りと同じ料金です。1ヶ月や半年の定期券があるのも公共交通ぽいところです。
私有地や交通の邪魔になる場所等を除いてどこでも乗り捨て自由なので、とても便利です。基本的には都市部でのサービスなので、放って置いても次に乗る人がやってくるというシステムです。また、ときおり回収トラックが巡回しています。
カゴがボディに固定されている
少し変わった特徴として、籠が前輪に固定になっています。上の写真を見るとわかると思います。日本ではハンドルの方に固定になっていて一緒に動きますが、シェアバイクはボディにしっかりと固定されています。そのため荷物を置くとハンドルの動きとぶつかってしまい乗りずらくなります。
故障車も多い
会社によっては自転車の管理が良くないこともあって、使おうと思って鍵を開いたらペダルが無いのに気づいたり、チェーンが外れていたり、と故障が多かったので止めました。こういった故障って注意して見ないと気づかないものです。特に急いでいる時にはずれの自転車に当たってしまうと焦ります。そういうときに限って近くに他に空いてる自転車が見当たらないものです。仕方なく、軸がゆがんでいたり、ハンドルが斜めを向いていたりしるものに乗ることもあります。おかげで壊れている自転車にも乗れるようになりましたが。。
日本だと外灯を点け無いといけなかったり、故障車にたいしての安全基準などから管理に費用が多くかかってしまうだろうなと思います。
管理が適当な会社
過渡期にはofoという会社が人気で私も利用していたのですが、管理がひどく、上に書いたような故障が特に多くて使いづらかったです。沢山あるのにどれも故障していて、しかも故障車に当たった場合にも料金の返却手続きが煩わしく、お金がどんどん吸収されてしまうという悲惨な状況でした。
ofoの創業者はかなり成功して会社を売り、その後は結局撤退したというウワサを聞きました。いまでも私物化されたofoの自転車をいまだに見かけることがあります。利用者が別の鍵が掛けてしまったりしてがっちり私物化しているのを何度か見掛けました。
そんな状況なので私もofoの退会手続きをしました。2019年の12月中旬で手続きを行っている人は1602386人。1億人以上の人がデポジットの払い戻しを求めています。。「毎日順番に処理しているのでもうしばらくお待ちください」と書いてありますが、ほんとに返ってくるのか心配です。
(下の写真:私物化の例、Hellobikeに南京錠をかけてます)
やってみよう精神
シェアバイクの普及で感じたのは、中国の発展を「とりあえずやってみよう」精神が支えているということです。
日本に居るときは色々な問題を想定して、結局中止になってしまう案件が分野を問わず多かったように思いますが、こちらではやると決めたらすごいスピードで実現させます。そのため実現してから問題が次々と出てくるのですが、運営しながら問題を解決していくという現場主義の力を見たような気がします。
Hellobikeは、始めはしっかりした作りだけど重くて乗りにくい車体でしたが、それが改良されたり太陽光発電パネルがカゴのところについて車体の電気(鍵を開けたりする動力)をまかなうというアイデアが追加されたり、徐々にアップデートされて快適なものになっていきました。
反対にofoは、見るからに安価な車体で数を普及させて最初は覇権を握ったかに見えたものの、車体の安さに加えてメンテナンスにお金をかけない方針がどんどんサービスを劣化させ、最終的にサービス自体がつぶれてしまったという印象です。
この現場主義は悪く言えば場当たり的なので、根本的な問題が解決されないという場面も沢山ありますが、このスピード感は日本ではもう見られないものだなと感心させられます。
おまけ
鍵を二つ付けるという高度ないたずら。。