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Kindle出版で「あなたの経験は本になる」を信じてはいけないたった1つの理由。

Kindle出版について書かれている本、通称「Kindle本」を読んでいると、結構当たり前のように書いてあるのが「あなたの経験がは本になる」という一文です。

これまでどんな人生を歩んできた人間であっても、本にするほど価値がある経験を積んできている。
本を出版したくても書けることがないという人も、これまでの自分の経験を振り返えば、素晴らしい本を出版できる。
そう言っているわけです。

結論から言えば、これは事実です。
本当にその通りだと思います。

成人であれば、これまで20年以上の人生を歩んできているわけで、仮に他人から見て必ずしも輝かしい実績や成果を残せていなかったとしても、その人にとっては尊い成功、失敗の数々があったわけです。

ほとんど全ての人間は、決して順風満帆ではなく、その人にとって数々の苦労を重ね、今のいままで生きてきています。
努力、苦悩、葛藤を経験して今があり、一人ひとり違ったドラマが存在します。
それらが本にできないと考える方が間違っている。
これは断言できます。

ですが、その本が売れるかどうかは全く別問題です。

単なる体験談は読まれないんです。

「あなたの経験がは本になる」は、正しい。
ですが、「あなたの経験は売れる本になる」は、正しくない。

経験本って主語が「I」なんですよね。
ですが、読者が求めているのも「I」にとって有益なもの。
前者の「I」と、後者の「I」は別の人です。
売れる本になるためには、「You」にとって資する内容でなければいけません。
それが全て。

では、面白くないかと言えば、全くそんなことはない。
面白いんです。経験本って。
これはマジ。

では、なぜ読まれないのか。
これは私の考えですがひとつは、手に取るまでのハードルが高すぎるのではないかと思うんです。

例えば、少しでも知っている人の本だったら読むと思います。
友人、知人、同僚、先輩、後輩、あるいは自分が好きな著名人、有名人、タレントとかですね。
顔がわかっていて、どんな人か知っていると、その人のいろいろ側面が知れて面白い。
だから「あなたの経験がは本になる」から始まった本は、そういう人たちにとってはおそらくとても評判がいい。

ですが、知らない人の知らない話になると、手に取ろうとも思わない。
だって知らない人なんだもん。

例えば、映画を見ようと映画館に行ってタイトルだけでは、見ようとは思わないのと似ています。

知らない俳優、知らない監督、知らない脚本家、PVも見たことない。
実際見たら面白いと言われても…、という感じですよね。

逆に主演松たか子、監督塚原あゆ子、監督坂元裕二。PVは数ヶ月前からガンガン流れてた。
こんなん見るに決まっています。

ちょっと違うけど、イメージ的にはそういう感じ。

ただ、「本を出版したい」という要望だけを満たすのであれば、むしろ一番いいテーマかも知れません。
先の展開を想像するだけでニヤニヤして、スラスラ筆が進むあの感覚は、超売れっ子作家になった気分を味わえます
書いている時が一番面白いのが経験本の醍醐味なんですね。

ただ、くどいようですが、「売れる本」にはならないのでご注意を。

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