
2019.7.23 みぞおちを出す意味
鼻腔群に音がダイレクトに届くための声門下圧を作り出すために一番良い方法を物理的に解明することができたが、答えはシンプルで明確だった。
それはすばり、横隔膜をいかにコントロールするかに尽きる。
物理上、それ以外考えることはできない。
まず吸気時、横隔膜は下がる。それは物理的に誰もが意識せずとも叶う。意識的に下腹部が大きく膨らますことでもそれを補うこともできる。
逆に、息を吐くと横隔膜は上がる。それも物理的に仕方がないこと。しかしその膜を留める反作用を作ることによって、声門にかかる圧力を安定かつコントロールすることが可能になるのだ。
これまでの試みの中でも一番効果を感じられたのは、それはみぞおちの内部を感じ、発声時にそこを出す、膨らますことだった。
しかしこの方法、退化している感覚を呼び覚ます心地さえするほどに難しい。なんとかコントロールする術を確立し始めたところだが、それが本当に正しいことなのか?横隔膜に対してどんな働きかけをしているのか?効果を感じれば感じるほどに、物理的な裏付けが欲しくなった。
そしてもう一度、今度は横隔膜を立体的に考えることにした。
体の断面図を見たときに、その答えはあった。
横隔膜はみぞおちのすぐ裏のあばら骨や背中にかけ、まさに膜のように体の断面に張られている。
答えは簡単だった。
みぞおちを膨らます→体の断面積を広げるということ→膜に張りが出る
つまり、息を吐くときに上に行こうとする膜の圧力を、横隔膜をピンと張ることで上圧力に抵抗しているということだ。
吸気で目一杯下に下げた膜を、吐く際に今度は広げて張りを持たせるということ。
謎が解けた。
体感と物理的な現象が結びつく感動的な瞬間。