窓越しの世界 2022.4.10~18
4/10【鈍い輝きの尊さ】
磨かくと失われるであろうそれを目の当たりにすると、
磨き続けて削られて、小さくなった自分を感じる。
磨いている時は気がつかない。
凸凹に潜む鈍い輝きの尊さに。
4/11【それだけで幸せ】
朝の景色が新緑に変わり、まだ少し乾いた空気の中に瑞々しさが香り始めた。
風が気持ちいい。
それだけで幸せ。
トトも嬉しそう。
4/12【生きる楽しみ】
音と音。
人と人。
相乗効果の体験は、生きる楽しみ。
4/13【透明】
平安神宮の鳥居の前で、14歳の僕を思い出していた。
今より世界は透明だった。
僕の歩く道は、真っ白な暗闇で、明るく透明だった。
4/14【雨もいいな】
また同じ韓国料理店へ来てしまった。
少しでも異国情緒に触れたかった。
雨もいいなと思える状態。
4/15【東京は雨】
アイスクリームを注文。そういえば新幹線のはカチンコチンだった。
しばらく本を読んだりして、カップの周りに満遍なく霜が出来上がるまで待つ。
東京は雨。
4/16【公園で】
公園で本をひらく。
午後になって、日差しと共に池のボートも数も増えた。
木製のテーブルに舞い落ちてくる桜の花びらが名残惜しい。
4/17【白血球のような若者たち】
渋谷は生き物のように動いていた。
スクランブル交差点といいう心臓が、人々という血液を絶えず吐き出している。
白血球のような若者たち。
4/18【ふたつの詩】
鉛筆の滑走が心地よく指先に伝わってくる。
言葉に反応した僕の心が動くと、関節の歯車に伝わる。
ふたつの詩が現れた。