2019.4.10~11の考察
富山、金沢から帰って数日経つ。
旅の間も、ライブの最中も、響きについて考えていた。
これまでで一番うまくいっていたけど、まだまだだと思っていた。
旅から帰ってきて、少し休んで、またマイクへ向かった。
4/10、11に導き出した考察は、これまでのひとまず終着点で、始まりであると言えそうだ。
例えば、どんなに力いっぱい回転をかけても決して曲がらなかったカーブが、ある日突然投げられるようになる。
みたいな、
力任せではなく、コツを掴めて、イメージと理屈がつながる時がある。
一つ、そんな階段を登った気がしてる。
さてさて、
発声の際、言葉や音程というのは、一回のブレスに対して何度も変化する。
その度にイメージしている音程や音色が、寸断される。
一音一句が変わる際、軟口蓋裏から鼻腔へ抜ける音の流れが途切れるのだ。
音程や言葉が変わるのだから、その響きの共鳴は確実に変わり途絶えている。
そんな風に考えた。
これまでの様々な呼吸に関する考察は、
「いかにして、よい圧力を保ったまま発声し続けられるか」というテーマでもあった。
言い換えると、
「いかにして、響きを殺さない空気を送り続けることができるか」でもある。
これまで、一回のブレスの初期動作で行なっていたことを、一音一句に当てはめて瞬間瞬間、リセットをしながら発声することを試みたところ、これがハマった。
一音一句で「瞬間の鼻抜き」をすると、音程も響きも崩れにくい、ということがわかった。
実際に録音してみても、その効果は素晴らしかった。
この方法でジェイム・ステイラーと一緒に歌うと、一音一句の音の立ち上がり方が、間違いなくこの感覚だという発見があった。
これは、ちょっと感動した。
やっと投げることのできるようになったカーブ。
しかしそれは、始まりに過ぎない。
もっと磨きをかけて、一級品にする必要がある。
そんな風に、新しい扉を開けながら、グラミー賞への道のりはつづく。