窓越しの世界 2022.2.9~3.6
2/9【一人ではできないこと】
笑い合う。
讃えあう。
慰め合う。
一人ではできないこと。
2/10【東京駅が好き】
雪のホームは、遠い過去を見ているような。
長いエスカレータで地下ホームへ降りるとき、
未成年の僕は、確かに存在したのだと感じた。
東京駅が好き。
2/11【おめでとう】
ボンネットに積もった雪が午後には溶けていた。
二時間と少しの道のりが、前よりずっと短い時間に感じるのはなぜだろう。
故郷へ近づくと、考え事でいっぱいの頭の中が少しずつデリートされる。
おめでとう。ただそれだけを言いに行きたいだけなのだ。
2/12【繋がる心地よさ】
あっという間に二年経った。梅が見頃の公園を歩きながら思う。
コロナはたくさん奪っていったけれど。
非常事態という一体感を、僕は嫌いではない。
それは、日常では決して繋がることのない意識が繋がる心地よさ。
2/13【口実】
雪の気配がした。
外を見ると、路上駐車をしている僕の車にみるみる積もる雪が見えた。
嬉しい危機感も積もる。
それは終わりそうにない仕事を置き去りに帰れる口実。
2/14【見切り発車】
見切り発車で始めたことは認める。
見切り発車でしか始まらないって事もある。
スタジオのセットアップ。
2/15【会話でしか】
手綱を握っていることの把握と、
それが意外と暴れ馬だという危惧が同時にやってくる。
言葉は誤解を生む。
会話でしかそれを解消できない。
2/16【不味いってことが】
運ばれてきたラーメンを一口。
のびていて美味しくなかった。
多分お互いそう思っていたけど、黙って完食。
不味いってことが思い出になる事もある。
2/17【顧問税理士】
そろそろお金で解決できることは、なるべくそうさせていただきたい。
そう思い、扉を叩く。
爽快な言葉のキャッチボールが終わって、この人にしようと思えた。
2/18【ローレルキャニオン】
気がつくとボイスメモには9つのメロディーが収まっていた。
音楽に反応してメロディーが溢れ出す感覚は久しぶりで懐かしい。
映画館で見たら、こうは行かなかった。
2/19【隠蔽】
収納という名の隠蔽をした。
整理整頓という名の隠蔽だ。
片付いているように見えても。
2/20【明け方まで】
真夜中にファストフード店へ出掛けるほどに疲弊。
自虐的な食事のつもりが、鋭気を与えられ回復。
明け方まで、働けた。
2/21【おごり】
不可抗力は過失が招く。
経験というおごり。
そう思わなければ、次も危ない。
2/22【安らぎ】
願える精神、それは安らぎ。
叶えることに奔走し、いつしか願うことがなくなった。
今は、トトが安らぎ。
2/23【僕ら】
頬にピッタリと寄り添ってくれる朝のトト。
寝坊すればするほど、僕らは共鳴する。
掃除機の音が近づいてきたら、僕らは布団をかぶって夢の続き。
2/24【ファイトの中】
ベットに潜り込むまで、そして潜り込んでもまだ曲を書いている。
そんな日々が毎日だった。
手にすればするほど失われていく時間。
それが反比例するまでのファイトの中。
2/25【疲れているのだ】
不意な大きな音。
不注意。
疲れているのだ。
2/26【常に何かに】
ピアノの響きに身を委ねる。
倍音に導かれて。
僕らは常に何かに導かれている。
2/27【解釈次第】
僕の決定事項。
そこには必ず、誰かの背景がある。
何もかも自分で決めたことなど、ないのだ。
解釈次第。
2/28【一体何を】
未知と出会った時、どうすればいい?
盲信する時代は去った。
何かを信じる時というのは、一体何を信じているのだろうか?
3/1【雨の気配】
雨の気配がして傘を持って出かけた。
駅から家路に向かう人々の手には傘がない。
今朝の晴天と夕方の曇り空。
3/2【人の世とは反対】
磨かれたダンパーでフェルトとの摩擦音が消えた。
いつもはお任せしていたピアノ整備に立ち会ってみた。
仕組みとは、複雑そうで、単純。
人の世とは反対。
3/3【3月3日】
ちらし寿司。
あと、家にあるのは春菊だと思っていたが、水菜で。
苺と水菜の白和。
食べ終わり思う、そうか今日は3月3日。
どおりで、スーパーの陳列が。
3/4【宇宙を眺めているよう】
天然色に魅せられてレジに並んだ。
石を買うのは始めて。
宇宙を眺めているよう。
3/5【春一番】
春一番。
気象庁の発表は知らないが、春一番。
春が吹き荒れている。
3/6【嬉しさ】
帰宅するなり猛アピールのトト。
嬉しいと表現されることは、嬉しい。
嬉しさには回復効果がある。