窓越しの世界 2022.4.28~5.5
4/28【恐れている】
拒絶は恐れ。
拒絶の強さは、弱さ。
弱さを認めた者たちは今、何を恐れるのだろうか。
圧倒的な暴力か。
確かにまだ、恐れている。
言葉にしてしまうと忘れてしまう恐怖の質感を恐れている。
4/29【澄んだ夜空】
全てが終わっても、アルコールを飲む気分ではなかった。
沈んでいたとかではなく、心が静かだった。
雨上がりの冷たい空気に白い煙を吐き出しながらコンビニの珈琲で温まる。
久しぶりに澄んだ夜空を見た気がした。
4/30【気になる絵】
古い珈琲店の壁に掛かる絵が気なっている。
この絵はどなたのものですか?
心の声がずっとしているのだけれど、今日も聞けなかった。
5/1【準備】
準備の時間は長い。
準備自体が本番だという認識にしよう。
本当の本番は刹那。
5/2【文学は】
本に心をえぐられて、まだまだ打たれ弱い自分を感じる。
本能を頑なにしまいこんで、社会は平然としている。
文学はそれを顕にして、思いださせ、人を惑わせたりする。
5/3【霹靂】
記録しないと忘れてしまうことがある。
忘れるほど大したことのない事もあるが、一瞬で消える霹靂(へきれき)だったりもする。
5/4【過ちと誤り】
ぐったりと空を眺めながら、過ちを繰り返しそうな自分を感じる。
過ちが誤りであるかどうかの判断は、時間が過ぎなければ分からないけど、
それが同じ過ちであるならば、きっと誤りの類に違いない。
5/5【これからの世界】
朝の公園で、本能が機能と引き換えに得た平均について考えていた。
その優しさと残酷さに蓋をして、世界は平然を保つ。
人が繁栄するためのパンドラの箱。
いつだってそれは少し開いているけれど、
所々で起こっていたそれがネットワークで顕になる意味が、これからの世界を作っていく。