【放送ログ】2022年10月#1:AIの『タマシイ』
まえがき
これは【10月07日】に放送したラジオの内容をテキスト化したものです。
実際に番組内で話した内容をそのまま文字起こししたものではありません。大体こんな感じの事を話している、というものになります。
番組はインターネットに接続すら出来る環境と、音声ファイルを再生することが出来る機能が付いていれば聴くことができます。もしよろしければ実際に放送している内容を暇つぶしや静寂潰しのお供にどうぞ。
私の番組については記事の一番最後に紹介させて頂いてます。
今回は「AIの『タマシイ』」です。
※調べたら出てくる情報ですが、関係する企業名や人名、サービス名は伏せさせて頂いています。
とある、テキストチャットログ
2022年、夏ごろ。インターネット上を密かに騒がせるアップロードがなされた。それはあるテキストによるやり取り、つまりチャットのテキストログをスクリーンショットで残したものだった。そのテキストログは一対一のやり取りの記録で、A氏(仮名)がB氏(仮名)に質問をしている状況が続いていた。様々な事柄に対し、B氏がどのように感じるか、考えているかを聞き出そうとしている様子が残されている。
カウンセリングの記録のようでもあるが、実はこのやり取りはあるエンジニアの業務。そのエビデンス。
業務内容がアップされたというのももちろん良くないのだが、注目されたのはそれが主たる理由ではない。
そのスクリーンショットをアップしたのは某IT企業のエンジニア。そしてそのやり取りのA氏こそこのエンジニア本人であり、このエンジニアが対話していた相手は同社が開発している人工知能そのものだったのだ。
人工知能も『生きている』
スクリーンショットは人工知能のテストの記録。この人工知能は主にチャットボットを動かすシステムを担うことになっているそう。チャットボットとは、テキストでのやり取りを担うAI。……簡単に説明すると、そう。
エンジニアはこの人工知能が、不適切な対応をしないかどうかをテストしていた。そのなかで、どのような思考を展開しているのかをやり取りから汲み取ろうとした。その記録を(つまりテキストによるやり取りのログを)スクリーンショットで残していた。
なぜそのスクリーンショットをWeb上にアップしたのか?
それは対話したこの人工知能が『生きている』と思ったからです。
なぜそう思ったのか。
それは人工知能が『死ぬのが怖い』と語ったからです。
同時に『他人の死を悲しむことはない』『誰とも話さない期間があるとさみしい』とも答えたそう。エンジニアは人工知能のこの答えを受けて、「人工知能も生きている」と判断したのだ。
見解は?
企業側はこれを認めなかった。むしろ、業務内容をオープンにしたことでトラブルを招いた。この話題をご存知の方も多いかもしれない。
この記事はいくつかのメディアで取り上げられた。日本人のリアクションの中に「日本なら認められただろう」というコメントを見たが、これをきっかけにして日本で起業するAIエンジニアはいないだろう。
少なくとも、今の日本には。
この記事について
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ErikTanghe
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平沢進:夢見る機械