『In The Dark, Small And Wet Room』PC1の話(ネタバレ注意)
『In The Dark, Small And Wet Room』をPC1で遊びました。PC1をどういう組み立て方をしたのかをメモします。シナリオのネタバレを含み、かつ妊娠を中心とした性の話に沢山触れておりますので閲覧にはご注意ください。
キャラクターを作る前にシナリオシートをすべて閲覧済です。
やりたいこと
まず思ったのはPC1のほうが生存率高そう。PC1の話だもんな……。
PC1有利なのがもう嫌だし私がPC2なら自死RTAやるかもしれない……。
それならいっそのこと「生き残ったら滅茶苦茶嫌になる話」をやればいいのでは? 「虐殺シーンで流れるG線上のアリア」みたいな美しくて嫌な流れは堕落の国で大変好ましいものとされています。なので今回は本気で生き残らせていただいて嫌な終わり方をやることに決めました。
活かしたい要素
・心の疵MOD『逆棘』
裁判開始直前に、すべての○の心の疵を●にするMOD。今回は仲良くしていたのに裏切る/裏切られる話なのでこのMODがあるんですね。
・PC1は娼婦である
PC1は末裔のフリをした娼婦です。もう何人娼婦作ったんだろう……自PCだけで娼館建っちゃう……。
懐胎と死
娼婦と言えば性交があり、PC2にも抱かれるはず(娼婦と客の話なんだからまあ抱くだろ……)。そこで、PC2に抱かれた場合、たとえ勝っていてもエピローグで死ぬという仕掛けを加えます。
なんで抱かれたら死ぬのか? 懐胎するからです。妊娠とか孕むとか懐妊とか色々あるけど、懐が壊れるという字と似てるし、胎という字が好きなので今回ここではこう呼びます。
勝者となったはずが、死んだPC2が遺したもの――それも本来は喜ばしいはずの小さな生命の誕生――によって殺される、というのがいいかんじポイント。よほどのpure love貫かない限りは、PC2との子の存在に気づくと発狂すると思うんですよね。罪悪感や呪いを感じて。そこに映画『ミスト』みたいに絶叫と美麗音楽のハーモニーが挟まると気持ちいいし、夢野久作『殺人リレー』のように静かに自害するのもいいですね。
ちなみに殺人リレーも相手の子を妊娠したことで終わる話です。今回PC1の話なので、夢野久作お得意の書簡体形式の小説みたく遺書的なモノローグをしてもいいかもしれませんね。
心の疵は、逆棘を活かせるものと、懐胎でより確実な死へもっていけるようなものを用意しましょう。
プロフィール
◆ アネラ ◆
http://ssproject.lsv.jp/cgi-bin/doa_sheet_pc.html?id=j7OJhjokzlfuszcXVEFrfoHhpQm6T_gX8KOAvHEKOAQ
ひとさまに愛でられるために存在するいきもの。
その価値を失えば繁殖に回され、その後殺処分される。
愛玩動物の救世主です。動物としてはうさぎ。理由は、前提である「末裔になりすます」のに丁度いいのがひとつ。もうひとつは、うさぎは交尾排卵動物なので、交尾したらほぼ確実にデキるという点です。すごいぞ豊穣と性のシンボル。
うさぎに忠実な救世主が娼婦をやるなら避妊は必須です。
今回の堕落の国は避妊手段があることにしましょう。草を塗ったり薬を飲んだり、おまじないにしかならなかったりするものがいくつか。
今回の主な避妊方法はこれ。
◆ ドーズ ◆
まどろみの意。堕落の国の避妊薬。
亡者の子宮を練り込んだ、灰色の小さな丸薬。子宮を一時的に汚染することで、妊娠を防ぐ。何度も服用すると、子宮から徐々に汚染が広がっていく。その寿命は、堕落の国の住人の半分にも満たなくなるが、現状は最も確実な避妊方法である。
PC2と触れ合うときについ浮かれちゃって、これを飲み忘れることになります。PC2に殺されることが大事なので、なんとかPC2の子を宿したいところ。
キャラデザイン
モチーフはネザーランドドワーフ。小柄で足は四本指。耳は短めのつもりだけど今見るとそんなことないな……。見えてはいないけど、耳の内側に小さなイヤーナンバーがついています。野生ではなく愛玩動物のため。
飾りは造花のマーガレット。マーガレットは恋占いの花で、花言葉は「心に秘めた愛」「真実の愛」「信頼」「秘密の愛」。PC2に対する関係が造り物なので、あえて綺麗な花言葉の花をチョイス。
胸にほくろついてるのってエッチでいいよね。
心の疵:愛玩動物
生き方を変える機会を逃し、
今も籠の中にいる。
*人として生きられないことへの諦め
惚れっぽくてやわらかく、愛玩動物らしい体と心の作りをしている。抉りや舐めを受けることで『動物として籠の中で愛されていたい』あるいは『人としてお供したい』と思うようになるかんじで。
この疵だけが抉れたまま勝った場合、自由への恐怖と縋る相手の不在に耐えきれずに自死します。死亡条件はいくらあってもいい。自由への恐怖は『ショーシャンクの空に』のブルックスおじいちゃんなんかが分かりやすいですね。
心の疵:死は胎に宿る
産めよ増やせよ死に絶えよ。
産んだ兎は死ぬのです。
亡者の子宮から作られた薬が店先に並んでいる。これは女の生命線だ。
*懐胎=殺処分に対する恐怖と、薬物依存
『逆棘』を活かすための疵。お茶会で〇になったらその日ドーズを飲み忘れます。
PC2に抱かれて(まあ抱くだろ……)疵が○になる ⇒ PC2を殺害 ⇒ エピローグにて、PC2の子を孕んだことに気づいて死。これで逆棘で●となった疵の輝きが増すというわけです。
加えて、懐胎でより確実に死ぬために『出産という最後の役目を果たしたら殺される』世界からきたことにします。具体的にはあんま考えてない。人間のかたちをした動物牧場みたいな世界なんじゃないかな。堕落の国で出産したところで別に殺されるわけではありませんが、出身世界の性質が心に根付いているため、PC1にとっては出産=死となります。
亡者化
亡者化したときのこともざっくり考えておきます。懐胎によって疵がバーストして亡者化、というのも気持ちがいいため。
四肢と頭部のない妊婦(=愛らしさの撤廃)と、それを抱く巨大な発達途中の胎児(PC1にとっての死の象徴)。胎児は元気に蠢き、妊婦はぴくりとも動かない。
こんなところでよかろう……。
絵を準備しておこうと一度は筆を手に取りましたが、あんまり上手にできませんでした。亡者名も保留。最後までに洒落た名前が浮かべばいいですね。
それで結局どうなったのか?
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ここまで考える必要はあるのか?
TRPGの1プレイヤーがここまで道作る必要はぜんぜんないと思います。すごく緊張してたんだと思う……。
あとそうですね、「他者の介入によって物語が変化する」というのが交流遊びで特に好きなところでもあるので、今回のようにGM兼ねるときは特によく考える傾向にあります。シナリオメイキングの手法になんかありましたね。まずPCがいなかったらどう不幸になるかを考えろってやつ。
交流遊びなのでこの道をかたくなに貫くつもりはありません。私は粘土だと言われてるので、精巧に作られたバッドエンドキングダムもダンプカーPCで撥ねられるとすぐひらべったくなります。
これからも粘土をよろしくお願いいたします。
ぅう~~~~~~~~~~~~~~~