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リファラル採用で人脈を可視化するメモリーパレスのやり方【人材編④】

今回のテーマはリファラル採用です。
日本は人口減少の影響で、どこの会社も人材不足が課題になってきました。そうなると優秀な人材の採用のハードルは上がるし、採用コストも高くなり首も回らなくなりますよね。。

社員を採用する方法は求人広告や人材紹介など色々サービスがありますが、起業当初は資金もないのでリファラル採用1択です。
※もちろん起業当初じゃなくてもリファラル採用は活用できます。

それもあってかリファラル採用に力を入れている企業が増えてきました。
ただ、リファラル採用の制度はあるけど上手く活用できてない企業も多いので、今回は実践してきたリファラル採用の方法を紹介していきます。

僕はこれまで人材事業でベンチャーからエンプラまで支援をしてきましたし、自社でもゴリゴリ採用をしてきたので自信を持ってリファラル採用が一番良かったと断言できます。
今回は、特にリファラル採用でキモになる人脈を可視化するメモリーパレスの活用方法を中心にまとめますね。

僕が使っていたテンプレートもダウンロードできるようにしたので是非活用してみてください。

この記事が参考になるのはこんな方

・リファラル採用をしてるけど成果が出ない
・採用コストが高いし、社員がすぐに辞める
・人材不足で困ってる!


✅リファラル採用とは

そもそもリファラル採用とは、社員や関係者の紹介を通じて新たな人材を採用する手法のことです。
英語の「Referral(紹介)」から名付けられてることから、主に現在働いている社員が知人や友人、元同僚などを候補者として推薦します。

アメリカは採用の約50%がリファラルと言われるぐらい、かなり普及してきてます。
日本の場合、昔は縁故採用と言われていて、地方では親族間でよくありますね。

優秀な人材は転職市場にいない

リファラル採用の価値を感じて欲しいのですが、まず前提として優秀な人は転職市場にいません。

優秀な人ほど転職しようとしたら周りから声をかけられるので、求人サイトや転職エージェントに登録する必要がなく転職が完了します。
あなたの周りでも優秀な人がSNSで「転職考えてます!」とか投稿してたら「うちにおいでよ!DMします!」とかコメントが入りトントン拍子に転職が決まる方もいるのではないでしょうか。

僭越ながら僕も音楽業界の会社員時代に同業で転職してるのですが、取引先に「実は会社を辞めることになりました。これまでありがとうございました!」
と連絡をしたら「え?次決まってないの?じゃあうちにおいでよ!」と声をかけもらい、転職活動してないのに次が決まり待遇もよくなりました。

なので、人材サービスに登録している転職顕在層は、知人含めてどこからも声がかからない人が多いというのを認識してください。

リファラル採用は、まだ転職を動いていない転職潜在層向けにこちらからアプローチする攻めの採用になります。

※最近はビズリーチやYOUTRUSTのように、とりあえず登録だけしている転職潜在層にアプローチできるサービスも増えてきましたね。

✅リファラル採用の難易度をスコアリング!

やみくもにターゲットを決めずにリファラル採用をしても上手くいきません。
よくある質問の一つに「リファラル採用に適した職種があるか?」ということですが、結論はどの職種でもリファラル採用を活用できます!

ただ、当たり前ですがリファラルも採用するまでがゴールではなく、採用してからがスタートになります。
人材不足だと採用すれば何とかなると思いがちですが、完全に間違ってます。
ここをしっかり認識しないとトラブルの原因になります。

そのため、リファラル採用の難易度を表にまとめてみました。
合計が高いところを狙うのをおすすめです。

画像を大きくしてくださいね。

下記のように自社の合うところを当てはめてみてください。
例えば、求める人材は下記にしてみます。
■職種:エンジニア16点
■候補者の経験:即戦力の経験者19点
■候補者との接点:知人25点
■自社の組織人数:スタートアップ18点
■自社の組織フェーズ:急成長21点
■採用方法:中途19点
■就業場所:都会15点
合計133点(175点満点中)

合計点数が高いほうが採用しやすいので、最低でも120点以上のセグメントを狙うとか決めると難易度を可視化出来ます。

このように可視化すると進めやすいですよ。
なぜこのセグメントにしてるか解説します。

■職種評価

CXO系のリファラル採用
CXO系の人材はリファラル採用がマッチします。
ただ、CXOの人材ほどリファラル採用は慎重になってください。
ニュースの情報だけで当事者とも面識はないですし、詳細は分からないです
が、タイミーの守安さんのCOO就任+解任の件はリファラル採用の慎重になるべき事例だと考えてます。


守安さんは2021年4月 - ディー・エヌ・エー社長を退任したあと、2021年10月タイミーCOOに就任したわけですが、就任する半年間で守安さんを口説く企業は多かったはずです。

ここにタイミー小川さんも参戦して他社より競り勝ってCOOに就任するわけですが、結果コンプラ問題で2022年3月に辞任です。
SOも発行されていたのでマイナスは大きかったはずです。

この事例を見るに、やはり焦って採用するとCXO人材ほどインパクトが大きいのが分かります。

なので、いきなり取締役に入ってもらうより初めは顧問や業務委託でマッチするかを見極めるのが無難です。
いきなり取締役にしないと他社に取られるという考えもありますが、機会損失よりも事業マイナスのインパクトのバランスを考えてみてください。

エンジニアのリファラル採用
僕もエンジニアのリファラル採用をゴリゴリしていたので、エンジニア採用の相談はとても多いです。

事実としてエンジニアは知り合いは少ないのでリファラル採用の難易度は高いです。
ただ、深いコミュニティに入っている人もいるので、人脈は狭く深い方が多いんです。ここに入れたら、ごそっと採用できますよ。

僕もエンジニアと企業のマッチングサービスをしていた際に、約50名をリファラルで紹介してもらってました。

営業のリファラル採用
営業もリファラル採用しやすいです。
ただ、職種柄、エンジニアとは逆で浅く広い方が多いので注意ポイントです。
知人だからと言っても関係が薄い候補者もいるのでミスマッチには気をつけましょう。

バックオフィスのリファラル採用
バックオフィス系もフルリモートのような働き方にすれば超楽です。
ただ、バックオフィス系の人材は内向きな人材が多く、口コミも陰湿に広がるケースもあるので気をつけましょう。

■候補者の経験評価

候補者の経験だと即戦力の人材よりも未経験者のリファラル採用の方が楽です。
質を取るかスピードを取るか判断してください。

■候補者との接点評価

リファラル採用の候補者を人脈をどこまで広げるかで難易度が全然違います。
大きく知人か、知り合いからの紹介か、SNSに分かれます。
もちろん知人の方がいいですが、母集団形成が少なくなるので広げるのもありです。
後ほどメモリーパレスの章でも細かくまとめます。

■自社の組織人数評価

自社の状況も整理しましょう。
あなたの会社がスタートアップか中小企業か大企業で難易度は変わります。
スタートアップは組織が小さいため、採用する側は即決しやすいです。
ただ、大企業になると採用プロセスは複雑になり時間がかかるし、入社したあとのミスマッチは起こりやすいので候補者からしたらマイナスなんです。

■自社の組織フェーズ評価

同じく、組織が急成長か安定期か、もしくは組織崩壊も経験して再構築中かで変わります。

結論、再構築中だとリファラル採用はしにくいのですが、ここは正直ベースに候補者に話しましょう。
トラブル解決が得意な人材もいるので、マッチする人材がいれば力を貸してくれます。

■採用方法評価

採用方法でも変わります。
リファラル採用は経験者+中途採用と考えている方も多いですが、実は新卒も行けるんです。
先輩後輩の芋づる式に毎年いけますよ!

新卒のリファラル採用の良いところは内定者リファラルが使えます。
例えば、内定者のコミット力を上げるために入社前に新入社員同士、なぜ自社を選んだのか?を可視化するワークショップをすると、先輩や後輩にもなせ自社に決めたのか話せるようになります。
これでリファラル採用がしやすくなるので、是非、新卒もやってみてください。

■就業場所評価

あなたの会社が都会か地方かでも変わります。
田舎の方が口利きをする文化があるので、リファラル採用を当たり前にしている場合も多いです。

このような感じで自社に合う人材をプロットしてみましょう!

✅リファラル採用のメリット

ここから全体的なリファラル採用のメリットをまとめていきます。

採用コストの削減

採用コストは年々上がっています。
人材紹介に依頼をすると平気で年収の30%以上発生しますし、求人広告も高くなっています。

リファラル採用は求人広告費やエージェント費用を削減できるため、コストが抑えられます。
その分、インセンティブとして社員に出すのは合理的と言えます。
社員のネットワークを活用することで、効率的に候補者を探せる。

離職率の低下と定着率アップ

リファラル採用の場合は離職率が下がります。
紹介した社員が企業文化や仕事内容を理解しているため、候補者との適性が高い場合が多いんです。
入社後のミスマッチが減少し、定着率も上がります。

採用スピードが早い

社員が直接候補者に声をかけるため、応募から面接までのプロセスが短縮されます。
なので、他社よりも候補者をグリップできます。

社内エンゲージメントの向上

社員が採用活動に関与することで、自分たちのチームに対する責任感や帰属意識が向上します。
自分の仲間は自分で探すという文化ができれば回り始めます。

✅リファラル採用のデメリット

デメリットもまとめます。
これを超えるとトラブルになるので、後ほどトラブル事例と解決方法もまとめますね。
まあ、デメリットはトラブルに比べたら可愛いものです。

時間はかかる

転職潜在層にアプローチするので時間はかかります。
時間軸としては職種にもよりますが早くて3ヶ月、CXOクラスは数年は当たり前だと考えてください。
なので、早めに良い方がいたら採用する前に腰を据えて口説き続けてください。
その想いが必ず相手に伝わります。

多様性の欠如

社員と似た背景や考え方を持つ候補者が多くなる可能性があります。
結果として、組織の多様性が損なわれるリスクがありますが、起業当初に多様性は必要ないです。

偏った評価になる

紹介者の主観に基づいた推薦が行われる場合、候補者評価の公平性が損なわれることがあります。
既存社員とギャップが生まれがちです。

社員への負担

無理やりリファラル採用をすすめると、紹介制度がプレッシャーになります。
社員が無理に知り合いを推薦しようとするケースもあるので注意が必要です。

インセンティブが目的になる

後ほどまとめますがインセンティブ設計は慎重にしてください。
社員に対する報酬制度の設計は実は奥が深く難しいです。
適切なインセンティブを設定しないと、効果が薄いですし、報酬目当ての形だけの紹介が増えるリスクもあります。

候補者の数が限られる

リファラル採用は一本釣りです。
なので、広告を出して新卒一括採用のように大量に採用する場合には合いません。

✅リファラル採用のやり方

リファラル採用はいきなり動いても成功しません。
何から考えて進めていくかをまとめていきます。

①採用したい人を明確にする

そもそもですが、漠然とリファラル採用をしても効果は出ません。
どのような人材を採用したいかjob description(職務記述書)をまとめましょう。
※書き方は別記事でまとめますね。

注意するポイントとしては特に起業当初は仲間を集めがちですが、コミュニケーションコストがかかるので、当初からむやみに採用するのはおすすめしません。
成長じゃなく膨張にならないようにしましょう。

理由は下記の記事にまとめてます。

②目的と目標の明確化

次にそもそもなぜリファラル採用をする必要があるのかを明確にしましょう。
先ほどまとめたメリット・デメリットを理解して、他の求人媒体や人材紹介サービスとの使い分けや優先順位をまとめてください。
リファラル採用をするならいつまでに何名採用したいのか目標を決めましょう。

  • 目的を定義する
    リファラル採用を導入する理由を明確にします(例: 採用コスト削減、文化に合う人材確保、採用スピード向上)。

  • 目標を設定する
    リファラルで何名採用したいか、具体的な目標を設定します。

③インセンティブは要注意!

次にリファラルの制度作りです。
あなた一人なら何でもいいんですが、社員にもリファラル採用を動いてもらうならルール作りは必須です。

社員のモチベーションを高める仕組みとして、紹介した候補者が採用したら下記のように報酬を支払うインセンティブもありです。

・現金報酬(採用成功時に一定額支給)
金額は会社の状況や職種で変わります。
見てきた中で一人当たり数万〜50万円の幅で設定している会社がありました。
要は人材紹介サービスに年収30%払うなら社員に払うという会社もありますね。

・有給休暇や特別な特典
現金以外に休暇や別な報酬もありです。
リファラル採用で入社した人の成功事例を共有し、社員に制度の効果を認識してもらいましょう。

ただ、僕は報酬インセンティブをいきなり出すのはおすすめしません。
一度決めるとルールになるので、お金目的になる社員も増えます。
なので、まずはインセンティブを出さずに動いてみて、もっと候補者を増やしたいときだけ「リファラル採用ブーストキャンペーン!」で期間限定でインセンティブを設定して様子をみるのがおすすめです。

これでインセンティブありとなしパターンで動きも見て、インセンティブが効果がありそうなら、ここで適切なインセンティブを決めればいいんです。

そのため、僕が一番おすすめなのは、まずは食事代を出すことです。
口説く際にランチ代を出すのと、もし不採用になった場合にもランチ代を出すのは効果があります。

食事代があると候補者への配慮にもなります。
候補者が不採用の場合にも適切なフィードバックを行い、悪い印象を残さないようにしましょう。

④社員への制度の周知

リファラル採用の仕組みを説明して、社員が紹介プロセスを理解しやすいように周知をしましょう。
社員が増えたら全体会などで説明していくのをおすすめです。

ポイントはこちら
・なぜリファラル採用をする必要があるのか?
・リファラル採用の概要
・どのような知人を紹介して欲しいのか?
・紹介後のプロセス(書類審査、面接など)
・紹介成功時の報酬や特典

社内のミーティングや社内SNS、メールなどで制度を周知します。
ターゲットを明確化して「どんなスキルや経験を持つ人が必要か」を具体的に示しましょう。

⑤メモリーパレスで人脈を可視化して声をかける

ここでようやくメモリーパレスの登場です。
何を言いたいかと言うと、いきなりメモリーパレスに飛びついても、ただ単に人脈出して終わります。
そのため社員が本当に理解して共感してくれるようにしましょう。
やり方は後ほどまとめます。

⑥応募・選考プロセスの簡略化

紹介しやすいメッセージを提供候補者に送るテンプレートやメッセージ例を用意し、社員の負担を軽減するのをおすすめです。
無料で使えるサービスで良くてフォームやツール(例: Googleフォーム、ラインなど)を導入します。

迅速な対応紹介された候補者に迅速に連絡を取り、スムーズに選考を進めましょう。
人事がいるなら、窓口を1本化して、何かあれば気軽に紹介できるようにするのもありです。

⑦結果の追跡とフィードバック

大事なのは効果測定です。
営業と同じように歩留まりで管理するのをおすすめします。
社員の誰が何人に声をかけて、そのうちリファラル採用の成果を計測してください。(例: 紹介者数、採用者数、定着率)。

⑧長期的な文化づくり

僕が考えるリファラル採用のゴールは、社員が当たり前のように「自分の仲間は自分たちで探してくるのが一番いい」というリファラル採用をする文化づくりです。
リファラル採用を文化にするリファラル採用が特別な活動ではなく、日常的なものになるよう、制度を根付かせます。

あなたやマネージャーがリファラル採用を推進し、全社的に盛り上げましょう!

✅メモリーパレスの活用方法

ここから今回の本題になるメモリーパレスの活用方法をまとめます。
メモリーパレスとは記憶の中にある人脈を思い出して書き出す作業です。
候補者を見つけるのをサポートしてくれるツールで、社員のネットワークをLinkedIn、Facebook、X(旧Twitter)などのSNSを使って可視化して声をかけてもらいましょう。

繰り返しになりますが、せっかくリファラル制度を作っても誰も紹介してくれない場合が多いです。
その理由は社員に丸投げになっているからです。
本気でリファラル採用を進めたければ、あなたや人事が旗振り役になり伴走する必要があります。

その伴走できるのがメモリーパレスです。
僕が使ってるテンプレートを共有するので下記からダウンロードして使ってください。

メモリーパレス雛形

使い方をまとめていきます。

人脈はどこまで広げるか?

まず大事なのは人脈をどこまで広げるか?です。
ターゲットを知人だけにするか?
それとも知り合いの知り合いまで広げるか?
で候補者の質と人数が変わります。

これはメリットデメリット両方あります。
知人のみのほうが、相手を知っているのでミスマッチは減りますが、候補者数も減ります。
逆に知り合いの知り合いまで広げると、候補者数は広がりますがミスマッチも増えます。

なので、あなたの会社の課題によって使い分けるのがいいでしょう。
メモリーパレスの中だと、知人までにするなら①と②のみ、知り合いの知り合いまでに広げるなら③と④も埋めてください。

質問① :これまで働いた中で一番優秀だった人

ここからメモリーパレスの埋め方をまとめます。
まずは、これまで一緒に働いたことがある優秀な人です。
仕事をすると辛くて苦しいこともあったことでしょう。
その中でも成果を出したり、周りを鼓舞して伸ばして人は記憶にあるはずです。

記憶に残ってる人を書き出してください。

質問② 働いたことないが知人で優秀そうな人

(取引先・交流会・プライベート)

これまで合ってきた中で優秀な人も洗い出していきましょう。
ポイントはその人が転職するかの可能性は考えず出し切ってください。
名前さえ出れば、その人が転職しなくても知人を紹介してくれる可能性もあります。
優秀な人は優秀な人と繋がっています。

質問③ SNS等で繋がっていて優秀そうな人

ここから候補者を増やすための施策です。
まずはSNS。

XやInstagramなどでフォローしている人の中で優秀そうな人も出してみてください。
会ったことも話したこともなくても大丈夫です。

このような人たちには、DMでアポを取ることから始めます。

質問④ 知人を紹介してくれる人脈が多い人

最後は知り合いの知り合いまで人脈を増やすパターンです。
その知人は自社にこなくてもいいけど、人脈が多く知人を紹介してくれそうな方を書き出しましょう。

右は現時点の状況を埋める

右は候補者の状況になりますが、まずは候補者を出すことを優先してください。
なぜなら候補者の状況は日々変わるからです。
例えば、現時点で自社にマッチしてないし、転職活動もしてない候補者でも、ランチなど話してくるうちに自社に興味を持ってリファラルに繋がる場合も全然あります。

なので、右の状況は一旦無視して、候補者を出し切りましょう!

目標は最低10名は出し切る!

目標は社員1名あたり10人の候補者を出し切りましょう。
10人の社員がいれば100名のリストが出来上がります。

起業家のあなたは最低でも50人は出してください。
事業拡大中なら月1でブラッシュアップして、この中から毎月1名採用、年間12名採用の目標にするのがおすすめです。

候補者を出し切ったらアポを取る

次はアポ取りをしてください。
こんな感じで声をかけまくりましょう。

■知り合い
◯◯さん、ご無沙汰してます!
お変わりないですか?
僕の直近は、おかげ様で事業が伸びていて積極採用中なので、少しでも◯◯さんにも自社を知ってもらいたくご連絡しました。
よければ、◯◯さんの近況も聞きたく、どこかでランチでもいかがでしょうか?

■SNS
突然のDM失礼します。◯◯と申します。
弊社は◯◯の事業をしていて事業拡大のため仲間を探してます。
◯◯さんの◯◯を拝見して興味を持ち、一度ご挨拶含めてお時間をいただくことは可能でしょうか?
お忙しい中恐縮ですがご検討のほどよろしくお願いします。
HPやサービスURL:◯◯

話した状況をメモして検索に使う

アポ取りをしたらメモの欄に状況を簡単にまとめてください。

で、このまとめがいいのは検索に使えることです。
例えば職種や給料などあなたが重視するキーワードを入れられればシート内を検索できてまとめて管理できます。

候補者の進捗を追う

社員にもメモリーパレスをする場合は、1度詳しく候補者の情報を聞いてください。
こんな感じ。

あなた:◯◯さんはどんな人?
社員:◯◯さんは前職の同期です。
あるプロジェクトを一緒にして成功させた優秀な人ですね。
あなた:へえ優秀な人なんだ。今も前職にいるの?
社員:そうですね!役職も上がって来て最近は現場に出ることが少ないので仕事がマンネリしていると言ってました。
ただ、家族がいるので転職するにも慎重になってるみたいです。
あなた:そうなんだ。一度ランチとか行きながら状況聞いてみてよ。
社員:わかりました!定期的に会ってるので次聞いてきます!

このように聞けば、情報もまとまるし、社員も候補者に何をすればいいか行動も決められるのでおすすめです。
月1程度で候補者の進捗を追いましょう。

個人情報には注意!

メモリーパレスは候補者の氏名など個人情報が溢れてます。
そのため個人情報の管理は徹底してください。

おすすめなのは、社員全員にはメモリーパレスを記入した内容を公開せずに、あなたと本人のみにだけ共有。
社員が増えてきたら人事と社員の上司までの共有に絞るのがおすすめです。

✅社員が動いてくれない場合の対応

リファラル制度を作り、社員に協力を依頼しても動いてくれないパターンも多いです。
何をすればいいかもまとめていきます。

強制ではなく協力のスタンスにする

まずベースになるのはあなたのスタンスです。
リファラル採用は社員個人の人脈と時間を使っていくので、強制じゃなく協力のスタンスを取ってください。
候補者がいないならいないでOKで、決して無理やりしないようにしましょう。

入社三ヶ月以内の社員から依頼する!

リファラル採用というと会社をよく知っている古参の社員が動くと思いきや、実は入社したばかりの社員の方が協力してくれます。
それは入社時が一番エンゲージメントが高いからです。

なのでおすすめは、社員の入社日にリファラル採用の紹介とメモリーパレスのワークショップをしちゃうことです。

備品の使い方や、社内ツールなど一通り説明が終われば、30分程度リファラル採用にあててみましょう。
ここで候補者がけっこうでますよ。

社員全員に依頼をしない

そして社内全体にリファラル制度の発表をするのはOKですが、まず動いてもらうのは2:6:2の良い2の社員から声をかけてください。

逆に良くない2の社員に注力するとインセンティブのお金目的にもなるし、リファラル採用活動を残業代として請求される場合もあるのでややこしいです。
まずは成果も出していて会社に好印象の2の社員に注力しましょう。

制度の認知不足

そもそも社員がリファラル採用制度の存在や仕組みを十分に理解していない可能性があります。

その場合、シンプルでわかりやすい説明をしてください。
制度の目的、仕組み、流れをスライドや動画などで分かりやすく説明しましょう。

定期的にリマインダーを送ることや、社内メールや掲示板でリファラル制度の案内を共有する意識づけは必須です。

動機付けが不足

社員がリファラル採用に取り組むメリットを感じられていない可能性があります。

基本は会社への共感で自発的に動いてもらうのがいいのですが、 下記のようにインセンティブを強化してみて様子を見るのもおすすめです。

・限定的に金銭的報酬アップ
成功報酬として現金やギフトカードを提供
例: 「採用成功時に10万円→20万円」や「紹介1人につき5000円」など。

・非金銭的な報酬を提供する
特別な休暇、表彰、昇進ポイントなども効果的です。
例: 「紹介者には感謝のメッセージを社内で公開」「年間最優秀紹介者を表彰」とか。

・タイムリミットを設定する
期間限定でインセンティブを強化すると、短期的な行動を促しやすいです。例: 「今月中に紹介された候補者が採用された場合、報酬が倍増」。

候補者を思い出せない

誰を紹介すべきか、具体的な人物が浮かばないという課題があります。
これはメモリーパレスを活用しましょう。

■メモリーパレス
・ターゲット像を明確に提示する
必要なスキルや経験を具体的に伝えることで、候補者をイメージしやすくします。
例: 「○○の経験がある方」「△△業界で働いていた方」。

・リファラル採用ワークショップを実施
時間を作ってワークショップ形式で、社員がリストアップしやすい仕組みを用意するのもおすすめです。

心理的な抵抗

「紹介が失敗したら責任を感じる」など、心理的な抵抗を抱いている可能性があります。
たとえ採用に至らなくても、プロセスに対する評価を伝えることで次の紹介に繋げましょう。

このように心理的ハードルを下げてください。
・責任を軽減する仕組みを伝える
「紹介者に責任は問わない」「選考プロセスは通常通り」と明確に伝えます。

・成功体験を共有する
過去にリファラル採用で成功した社員や候補者のエピソードを社内で共有します。

・簡単な応募プロセスにする
社員が候補者を紹介する際、面倒な手間をなくし、シンプルなフォームやアプリを活用します。

採用活動の優先度が低い

本業が忙しく、採用にまで手が回らないという課題も考えられます。
負担を軽減するのが大事なので、部署の上長を巻き込みましょう

・紹介を楽にする
採用担当者が主体的に動く社員に「軽く声をかけるだけでOK」と伝え、その後は採用チームがフォローします。

・タスクとして明示的に組み込む
評価項目やチーム目標にリファラル活動を組み込み、優先度を高めます。

・採用活動の重要性を伝える
「適切な人材が入社することで自分たちの負担が減る」ことを説明し、参加のメリットを理解させます。

✅リファラル採用のトラブル対応

リファラル採用をしていくとトラブルのリスクもあります。
動けば動くほどトラブルになったりするんですよね。。
事前に対応すると防げるのが多いので、実際に経験したトラブルをまとめます。

候補者のミスマッチ問題

一番多いトラブルがミスマッチです。
社員が紹介した候補者が、実際にはポジションや企業文化に適していない場合があります。
紹介者が「優秀」と思った候補者が実務で期待以下の成果しか出せないのでけっこうしんどいです。。

他の採用方法よりはミスマッチは少ないですが、リファラルもゼロではありません。

特に面倒なのは知り合いなので人間関係までに発展することです。
推薦した候補者が入社して期待に応えられなかった場合、社員間の人間関係が採用後に悪化する可能性もあるのでケアするようにしてください。

競合からの風評被害

同業他社から引き抜きが多くなると、「あの会社はうちの社員を引き抜いている」と風評被害になります。
気にならないならいいですが、関係性があるなら注意しましょう。
僕の場合は、同業で関係があるなら引き抜きはお互い様なので、代表同士話し合ってルールを決めてました。

職場の人間関係が悪化

紹介した社員と候補者の関係が入社後に悪化するケースや、周囲の社員が「ひいき」だと感じる場合があります。
「紹介者が推薦したから特別扱いされている」と他の社員が不満を抱きがちなので、特別扱いはしないと決めてください。

結託して社内政治をされる

これは無理やりリファラル採用した場合に起こることですが、
社内の雰囲気が悪い中でリファラル採用をすると、社員と新しく入社した候補者含めて社内政治が始まり混乱します。

知人だからこそ結託しがちなので、同じ部署にしないとか配慮が必要です。

候補者との選考や採用条件のトラブル

選考プロセスや条件交渉で問題が起きることもあります。
僕もあったのですが、選考基準をしっかりしないと雑な友達紹介をされて全然合わない場合もあります。
どのような人材をもとめるかしっかり発信してください。


トラブルが発生した場合の対応策

トラブルが発生したら下記のようなスタンスを決めておくのがおすすめです。

  1. オープンなコミュニケーション

    • トラブルが発生した場合、関係者全員と早期に話し合い、問題を明確化します。

  2. 制度の見直し

    • トラブルの原因を特定し、リファラル制度や運用ルールを改善します。

  3. 相談窓口の設置

    • 社内に相談窓口を設け、紹介者や候補者が気軽に相談できる体制を整えます。

  4. 柔軟な対応

    • 候補者の退職や部署変更などが必要な場合、速やかに対応し、職場全体への影響を最小限にします。

✅最後に

僕がこれまでやってきたリファラル採用をまとめてきました。
改めて押さえるポイントは下記です。

リファラル採用を成功させるポイント

  1. 紹介基準の明確化

    • 社員がどのような人材を紹介すべきかを明確に伝える。

    • 紹介された候補者にも通常の採用基準を適用する

  2. 適切なインセンティブ設計

    • 成功報酬を設け、社員にとって魅力的な制度にする。

  3. 候補者の可視化

    • メモリーパレスで社員の行動まで追う

  4. 採用後のフォローアップ

    • 紹介者と新入社員の関係をうまく活用し、職場へのスムーズな適応を支援する。

リファラル採用は即効性はないですが、動けば候補者があなたを覚えてくれるようになり、すぐに転職しなくても転職の時期が来れば必ず連絡がきます。焦らず時間を味方につけましょう。

なので、採用募集する前からいいなと思う人材がいたら声をかけ続けてください。
あなたの行動が見本となり社員も動くようになります。

リファラル採用はゴリゴリやってきたので、何か悩みや相談があれば下記からご連絡ください。



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歌川貴之@企業顧問/シリアルアントレプレナー
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