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自分を曲げずに挑戦を続けること〜麻野耕司氏、箕輪厚介氏〜

10/17(土),18(日)に開催予定のWEIN STUDENTS SUMMITのプレイベント(第6回)が9/25(金)に行われた。今回の登壇者は、株式会社ナレッジワークの代表取締役社長を務めていらっしゃる麻野耕司さん(画像最上段左から4列目)、幻冬舎で編集者を務めており、テレビ番組でコメンテーターとしても活躍していらっしゃる箕輪厚介さん(画像最左上)であった。全体のテーマは『もしも私が学生だったら』だ。

 最初のトークテーマは「2人の学生時代」であった。
 まず、箕輪さんは「希望を胸に大学に入り、文学にも興味を持っていた。しかし、最初の授業で面白みを感じられず、そこから授業に出ずに遊んでばかりいた。大学では何も学んでいない。自分に嘘はつかないというのは一貫して守っていた。自分はテレビ番組や本を作ることに興味あるから頑張れそうだが、謎に銀行やメーカーなどに行くことは理解できなかった。世の中こうだからこうみたいにはしたくなかった。」と語った。
 次に麻野さんは以下のように語った。
「僕は大学生活が二つに分かれていた。1-2年生の時は遊んでおり、ギャル男崩れのような感じであった。でもあまり楽しくなくて空虚だった。3-4年生の時はイベントをやっており、世界一でかいサッカーボールを作るってイベントをやっていた。ギネス記録に挑戦し、今高校の教科書にも載っている。1-2年生の経験が、何かやらないと楽しくないと思わせた。自分の中で忘れられない経験となった。」
 箕輪さんは「自分に嘘をつかない、世間に流されない」という信念を貫き生きてきたのに対し、麻野さんは大学1-2年生の間の空虚な2年間を経験した末に何かに挑戦する楽しさを味わった。その経験が二人の今を作っているのだろう。私たち大学生も、自分を貫き、果敢にやりたいことに挑戦することを大事にし、真に楽しい人生を歩むことを目指していきたい。

 次に、箕輪さんに対して「もともと本に興味があったのか」という質問が飛んだ。この質問に対する箕輪さんの答えは以下の通りだ。
「本の編集に興味を持っていたというより、ふざけた感じでいた。ふざけた人が入れるのは、当時出版かテレビプロデューサーしかなかった。ふざけてるのが評価される世界しか無理だと思った。面白ければ勝ちという世界でしか戦えなかった。」
 また、好きなことをするために意識しているコツを聞かれた際、箕輪さんは「自分の場合、好きなことをせざるをえなかった。それ以外できず、何もできなかった。就活は2回していて、1回目には全部嘘をついていた。その時改めて考えた時、自分はこれまで何もやってないけど(サークルなどでは)全員が楽しいって空気を作れていたなと思った。警察みたいに世の中に必要不可欠ではないが、居ればちょっと楽しくなるということに命をかけるということを一貫していた。」と答えた。
 この箕輪さんのコメントに対して、麻野さんは「材料がなければやりたいことに気づかない。何か行動することが大事。行動すれば何が好きか嫌いかの材料がもらえる。箕輪さんは小さい頃から自我があったのだろうが、自分は自我がなかった。だからこそそのような行動でやりたいことが芽生えてきた。」 と付け足した。大学1年時に遊んでいた時はやりたいことを探していたが、大学3年時はやりたいことを探すのではなくとにかく行動していたという自身の経験にも言及していた。
  これまでWEINに登壇してくださった成功者・挑戦者の方々のお話に必ず入っていたような、「とにかく挑戦する・一歩を踏み出す」という要素をこのお二方も持っていた。それに加え、箕輪さんは、自分の持ち味を生かせる道を自分なりに探してそこに進まざるを得ない状況に気づいていたのだ。その意味では、これからの伸びしろがまだ豊富にある若者にとっては、もしかすると再現性がないのかもしれない。麻野さんの場合は、好きなことを自分で見つけようとしても見つからなかった。その末に、とにかく行動するという選択肢をとったのだ。好きなものは”見つける”ものではなく、”見つかる”ものだということだろう。

 ここで、一つの質問が飛んだ。「お二方は話すのが上手だと思った。話す時に気をつけているポイントはありますか?」というものだった。
 箕輪さんは、「大学時代から喋るのが好きだが、多くの人の前で話すのはやはり緊張する。今はしていないが、最初は記憶するまで書いて自然体で喋っていた。一番最初は朝から1日中、5分間の喋る内容を考えていた。それを続ける間に何も考えず話せるようになった。場数を踏んできただけだ。」と言った。
 麻野さんは、「自分も喋るのが得意でないため、たくさん練習し、努力した。」とした上で、「まずはキーワードを持っておく。面白い話は、抽象度の高い話からとても具体的な話をする。また、面白い人は質問の抽象度を上げて自分のエピソードに持っていく。」と答えた。箕輪さんはこの話に対して、「この話から学ぶべきことは、”研究する”ということだ。・・・相手が何を求めているのかを大事にすることも重要だ。」と、自身のテレビ番組での体験も元に付け加えた。その後二人は、行動したのちに俯瞰して自分を見ること、その俯瞰と自分の熱狂をいかに繰り返すかが重要だと話した。”異常な偏愛と冷徹なまでの客観”の行き来がキーワードだという。
 人と話すときに相手の求めているものを意識することや、場数を踏むことの重要さはよく強調されるところである。しかし、抽象度の高い話をしてから極めて具体的な内容を話すという構成上のアドバイスは耳に新しく、とても刺激的であった。人前で話す内容を考えるときにぜひ考えてみたいと思う。

 トークテーマは「もしも自分が学生なら、何をするのか?」へと移った。
 箕輪さんは「自分は今も学生の時と何も変わらない」と一刀両断。
 対して麻野さんは「学生時代に悔いはない。大学最初の2年間で行動していないこと(=空虚)が合わないことがわかった。どんな過去でもそこにどんな意味を見出すかがめちゃくちゃ大事。そこに意味を見いだせるか見出せないかでこれから意味のある人生にできるかが決まる。境遇・体験を変えることはできないけどそこに意味を見出すことはできる。」
 これに対して箕輪さんは「人生結局解釈次第。解釈力はとても大事。」と自身の経験と関連づけ、付け加えた。麻野さんも、「意味づけだけは自由。何人にも左右されない。過去にいい意味づけができたら、次の未来もいい形で進める。自分だけでも自分の物語は作れる。」と賛同。

 次に、人生なんて思い込み次第だと思うことを習慣化するための一歩目に意識していることは?という質問が飛んだ。
 箕輪さんは「強みを作らないとダメだ。実力がなくて動く人は動かない人よりはいいが、次第に息切れするから、実力をつけるためのトレーニングは必要。行動力などどうでも良い。実力があれば勝手にやりますってなる。実力がついてるけど動かない人にはとにかく動けと言わないといけないが」と強く語った。
 麻野さんは、学生への提案として「この人みたいになりたいなと思える人に会いに行くのがいい。背伸びすれば会えそうな人に会いに行くのがいい。人間はよく会う人5人の平均になるとよく言われる。付き合う人を変えるべきで、自分の目指す人に会いに行くのが大事だ。」と、人付き合いの大切さを示した。

 最後のテーマは「今の学生へのメッセージ」であった。
 箕輪さんは「自分がどう行きたいかだけは嘘をつかないでほしい。”自分に嘘をつくくらいなら他人に嘘をつけ”。」と、自身の好きな言葉を上げて参加者を激励した。麻野さんは「ワンクリックで人生が変わる。社会人になるとワンクリックの勇気がわかないから、学生のうちにそういうのをもっとやってほしい。」と、この、インターネットの普及した時代ならではの挑戦を応援した。
 自分を信じること。挑戦する勇気を持つこと。これは多くの人たちが伝えたいメッセージであろう。WEINにご登壇いただいた方々はことごとくこれについて言及している。それだけ繰り返し主張されるのは、それだけ本質的な課題だからだ。この2点から私たちはまず考えていくべきなのではないだろうか?

WEIN STUDENTS SUMMITは、10/17,18の2日間だけのサミットではない。毎週金曜日、各界で活躍される方々をお招きして行われるプレイベントも見どころのひとつだ。このプレイベント中、登壇者のお話への感想は全てTwitterでハッシュタグ(#WEIN学生サミット)をつけて呟かれるため、参加者同士の繋がりもできやすい。また、FaceBook やSlack、Messengerを通じて、WEINに参加している自身の大学や他大学の学生たちとの交流ができるクローズドコミュニティも提供している。このコロナ禍で他大学とのつながりを持てないなか、このようなコミュニティが手に入るのも利点だ。読者の方々にはぜひWEINに参加して交流の輪を広げつつ、登壇者の方々のみならず他の学生メンバーの話を聞く中で自分の夢や目標をさだめていって欲しいと思う。皆さんの参加を心から楽しみにしている。

               WEIN東京大学支部 高松京介

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