王様ランキングはなぜ流行っているのか。
「王様ランキング」はなぜ流行っているのか。私も先日ふと見始めたが、思いの他面白く、今では毎週投稿を楽しみに待っているほどである。今日は、世の中の世情と王様ランキングの特徴を比較しながら、この流行のカラクリを考えていこうと思う。
1. あらすじ
主人公のボッジは、巨人の両親を持ちながら体が小さく、剣すらまともに振れない非力な王子である。加えて、耳が聞こえず言葉も話せない彼に対して、周囲の目は冷たく、誰もが彼を「王の器ではない」と蔑まれていた。しかし、「カゲ」という友を得たことでボッジの人生は動き出す...。
作者は十日草輔、漫画投稿サイト「マンガハック」が原作の連載作品。単行本がKADOKAWAのビームコミックスレーベルより発売されており、2021年12月時点で累計発行部数は150万部を突破している。
また、アニメ化されており、Amazon Primeでは「鬼滅の刃」や「無職転生」などの人気アニメを差し置いて、堂々の1位を長くキープしている。
一見、王道アニメにも思えるが、私はこのアニメは流行るべくして流行ったものと考える。
2. 王道を征くSF RPG
王様ランキングは、主人公のボッジが王様ランキング1位となるため、仲間と共に冒険を進める物語だ。この、童話にも出てくるようなまっすぐなストーリーが今世間の注目を集めているのは、「進撃の巨人」や「鬼滅の刃」のような、一つ癖のあるストーリー作品の流行の反動だと考える。
少し話は変わるが、最近の服のトレンドは20年前のトレンドが再流行しているものだという。いわゆる「モード系」ファッションである。
これに似た現象がアニメ界では起きていて、今は王道である「王様ランキング」が流行しているのだ。
つまり、今後、王様ランキングの後はまた変化球なアニメが流行するものだと予想がつく。あくまで予想なので、実現するかはわからないが...。
3. 逆境から懸命に頑張る姿
主人公のボッジは生まれつき耳が聞こえない。また、膂力(腕っぷしの力)もとても弱い。普通の主人公であれば何かしら人よりも優れた力を持っているが、ボッジにはそれがない(実は...)。
こうしたPhysical Challenged(身体的に障害がある人)な主人公は、ある意味コロナ禍で不自由な生活を強いられている私たちに置き換えることができるのではないか。
そうした閉塞感を抱えた自分の姿をボッジに投影し、期待して、人々は応援したくなるのかもしれない。