『新米「てとて」の軌跡』 〜その1〜
こんにちは!東大むら塾は、2021年11月21日(日)〜23日(火)に開催される第72回駒場祭にて、天日干しコシヒカリ「てとて」を販売します。
今年の新米「てとて」は「おかずのいらない、お米だけで味わいたくなる美味しさ」と地元の方から太鼓判をいただいた自慢のお米です。
この記事では、相川ブランド「てとて」がどのように誕生したのかから始まり、今年の新米「てとて」の栽培の軌跡をお見せします。美味しさつまった今年の新米「てとて」ができるまでにどんなストーリーがあったのか、気になる方はぜひお読みいただけると幸いです。
「東大むら塾」とは…?
『東大むら塾』は、2015年にできた、東大初の「農業×地域おこし」サークルです。
サークルのテーマは、「東大生の力で、むらの未来を変える」こと。
出身地も学部も多種多様なメンバーが、知恵を絞って地方や農村の課題解決に取り組んでいます。結成当初は10人程度だったメンバー数も、2021年11月現在、120人にまで拡大しました。
富津市相川・梨沢地区ってどんなところ?
都心から約1時間の場所にある富津市は、「山・川・海」のすべてが揃う、都会では見られない自然の宝庫。
鹿野山、鋸山、高宕山などの緑豊かな山岳を有し、豊かな森の中の清流には、鮎や蛍が生息しています。富津海岸からは、東京湾対岸の三浦半島、その奥には富士山を臨むことができます。その眺めは葛飾北斎の富嶽三十六景「上総ノ海路」にも描かれるほど。夕日に照らされた海と富士山のシルエットはまさに絶景です。
そんな富津市にあるのが、東大むら塾がメインの活動場所とする相川・梨沢地区。中世に山城として使われた天羽城跡や、執権北条時頼も必勝祈願に参拝したとされる愛宕神社など、数々の史跡や伝説が残り悠久の時を感じられる場所です。また、東京から好アクセスでありながら、鮎や蛍が生息する清流など手つかずの自然を楽しめる場所でもあります。
そのような魅力あふれる相川・梨沢地区ですが、人口減少による営農者不足や耕作放棄地の増加といった深刻な課題を抱えています。地域での活動を通じて、こうした農村が抱える問題に正面から取り組むことをむら塾の活動理念としています。
相川ブランド第1号「てとて」ができるまで
富津市相川地区の主な産業は農業です。地域のみなさんが経験やこだわりを活かして魅力的な農作物を育てています。
でも、せっかくの地元の魅力も、地域の外にはなかなか伝わらないのが現状です。
この魅力を全国に届けたい。
もっと相川のことを知ってほしい。
そして、地元の人が自分の地元を、もっともっと好きになってほしい。
そんな思いを胸に、2017年に「相川ブランド プロジェクト」を始めました。
相川の魅力に、東大生のアイデアや発信力を組み合わせて、全国に相川の良さを届けていくためのブランド化です。
むらの魅力をどう発信していくか。全国の地域ブランドを調査したり、東大のデザインサークル「designing plus nine」と連携してデザインコンセプトを議論したり。相川にとってベストなブランド化の像を描いてきました。
そして、その最初の一品は、地元のみなさんとむら塾が一緒に育てたお米になりました。
その名も「てとて」。
地元のみなさんに一から教わりながら自分たちで育てたお米。相川地区では、刈り取った稲を「おだかけ」(※)という伝統的な手法で乾燥させます。そんな地元のこだわりを大切にしたくて、私たちも自分たちの手でおだかけを行いました。この方法で自然乾燥させることで、より甘く、旨味が強い美味しいお米になるのです。
※おだかけ…竹など木材を組んだところに、刈り取った稲を束ねて掛け、天日で干す作業。稲木(いなぎ)、稲掛けなどとも呼ばれています。
田植えも、収穫も、おだかけもみんなの「手」で行いました。
デザインも、東大生の「手」から生まれました。
地元のみなさんとむら塾のメンバーが力を合わせて育てたお米。
だから、お米の名前は「てとて」にしました。
私たち東大生の「て」に、富津・相川の地域住民の方々の「て」…
「てとて」という商品名には、様々な人の想いがこもっています。
次の記事では、いよいよ、今年の「てとて」栽培の軌跡をお見せします!(その2に続く)
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