東大空手部 先輩の履修計画
はじめに
新入生の皆さん、こんにちは。東大空手部による学生生活お役立ちコーナー、第1弾は「履修の組み方」についてです。
オリ合宿などが中止される中、「履修の組み方がわからない!」「総合科目って何とったらいいんだ!」といった不安を抱く新入生も少なくないことでしょう。
今回はそんな皆さんの役に少しでも立てるよう、東大空手部の部員がどんな履修計画を組み、勉強していたのか、ということについて執筆していこうと思います。
1.履修、科目について
前期課程の科目は以下のような形で分類されています。
① 基礎科目
② 展開科目 (任意選択=とらなくてもよい)
③ 総合科目(自由に取れる科目,進振りには必須)
④ 主題科目(2単位だけとればいい科目)
⑤ ①〜④の最低必要単位数以外に取らないといけない単位
皆さんはこの中から科目を選択して履修し、2年生のSセメスターまでに各科類で指定された単位数を取りきれば無事に進振りに参加、そして2年生のAセメスターまでに残りの単位を取り切れば進学できるようになるのです。
「進振り参加」に必要な単位数と「進学」に必要な単位数は違います。例えば⑤は「進学」に必要なだけで、揃えるのは2年生のAセメスターまでです。また進振りに際し、学部によっては「要求科目」「要望科目」なるものを定めている場合もありますのでしっかりご確認を!!!
必修科目についてはクラスごとに曜限がすでに確定しており、準必修の曜限もある程度固定されてしまっています。主題科目や⑤の科目は2年生になってから取っても遅くはありません。1年生で重要になってくるのは自由に取ることができ、そして点数が関わってくる総合科目のとり方です。(必修が少なめな文系は特に重要です)
例えば空きコマを作るか作らないかの選択、他の勉強に回す時間が減少したり1日あたりのテストが多くなる可能性などを考慮すれば、学期末のテストなんかに大きく影響してくるのはなんとなく想像できますか?
ここから空手部の先輩の履修計画を載せていきます。先輩のサンプルをもとに完璧な履修計画を組んでいきましょう!
2.先輩の履修計画1:Kさんの時間割
文科1類2年 スペイン語選択
↑Sセメスターの時間割
Kさん:私はやる気が比較的ある一年のうちに前期で必要な単位を取りきろうと思い、TLPでキャップ制が外れることも利用して多めに取りました。そして全休も欲しかったので全休も取れるように、一方で取りたい授業を優先させてという感じで履修を組みました。それと空きコマはなるべく作らず、総合科目も一人で取るのは過去問などの情報が回ってこない関係で不安なため同クラと同じ授業も取るようにしていました。シケタイ制度の関係上、情報は入手しやすい環境のほうが圧倒的に楽だし安心だと思います。
(※シケタイ:試験対策委員の略。クラスメイトの多くが取る講義(必修とか)について授業のまとめを作成したり、試験の過去問収集・共有を行う)
筆者:完璧な履修計画だ…。でも詰め込みすぎるとテスト週間とか大変じゃないですか?1日に何科目もテスト受けるみたいなことになりそうですけど…
Kさん:私の場合は語学のテストがテスト期間前に終わったり、ALESAや初ゼミなどのレポートの授業も多かったのでテスト期間に忙殺されることもなかったです。一応履修組むときに1日に3科目より多くテストが入ることがないように調整もしてましたし。あとは総合をレポートにすることでも調節できますね〜。
筆者:組み方うまっ。僕から見てもめちゃくちゃ参考になります笑。あとはおすすめの授業なんかあったら教えてほしいんですけども…。
Kさん:島田の世界史論(月4)は世界史を覚えているうちにやるのがおすすめです。しかも西洋と東洋のつながりとかで世界史を俯瞰していて面白いです。あと応用動物科学(木5)は毎回の出席と小テストだけだからとても楽。ついでに点数もきました。(評価方法が変わるかもしれないのでシラバスで確認してください)現代国際社会論(水5)も教授イケメン+ゆるい+出席なしで二次試験で地理をやってた人にとっては負担は少ないと思います。
筆者:また詳しい…。(頭よすぎだろ)最後に新入生になにか一言!
Kさん:部活と勉強の両立とかバイトとか結局は自分次第ですので時間を有効に使ってやるべきことの取捨選択をすれば十分に可能です。特に文系は必要単位数も多くないから自分にあった一週間のスケジュールを考えればいいと思います。ということで部活が勉強に支障をきたすことはないです。故に勉強との両立で入部を迷っている人はその答えは自明ですよね♡
筆者:ありがとうございました。(かっけぇ…)
3.先輩の履修計画2: I君の時間割
文科3類2年 スペイン語選択
↑Sセメスター(S1ターム)の時間割
↑Aセメスター(A1ターム)の時間割
I君:僕は2年生のSセメスターまでフルに使って必要単位を取りに行く計算です。テスト期間に科目が多くなりすぎて対策不足で詰むのを防ぐために1年時に進級単位を取りきるのではなく、1年半使って余裕のある履修計画を組むことにしました。点数も欲しいですしね〜笑。あとスペイン語はまあまあ頑張りました。
筆者:2コマ分空きコマを作っている箇所がSセメにもAセメにもありますが…?
I君:みんなはこの空きコマの作り方は頭悪いと言ってましたね笑。でも小テストがある日なんかはこの空きコマに集中して勉強することで間に合わせたりもできるんですよ。空きコマを作ることが悪いこととは一概には言えません。
筆者:レポートとテストのバランスは…?
I君:僕はテストは苦手だったので(Sセメでわかった)、後半からは成績を取りに行きたい科目はレポートのものをとっています。最初はテストもレポートもバランスよく取るのがいいのではないでしょうか?全部テストにして1日4科目テスト!とかなったら詰んでしまいそうですもんね〜笑。
筆者:部活との両立についてはどうですか?
I君:僕は要領が悪めなのでそのへんも考えた結果、あまりコマ数を入れないという選択肢をとっています。2Sまでゆっくりやればいいんですよ笑。でも部内にも一年時に進級に必要な単位数を取り切るつもりで授業をとっている人もいますよ!有能だ笑。
筆者:なるほど、そのへんは人それぞれなんですね。では最後に新入生に一言どうぞ!
I君:部活があると時間が取られるのは仕方がないことです。けれども自由に使える時間が少なくなるからこそ、その中でなにかを残そうと進捗を生むような推進力が自分の中に生まれてくるんですよ。忙しく、そしてすばらしい日々に飛び込んでみましょう!
筆者:ありがとうございました。
4.先輩の履修計画3:Nさんの時間割
理科1類 ロシア語選択
↑Sセメスターの時間割
Nさん:理系は総合のA〜D系列、EF系列から6単位ずつってことで、とりあえず様子見で一個ずつ履修してみました!
筆者:なるほど〜。バランスを取ってみた、みたいな感じですか?
Nさん:そうです。正直あまり勝手もわからなかったので。理系が得意な私はA〜Cはあまり点が見込めなそうだったので、数学っぽいなと思った記号論理学をとりました。基礎統計はAセメで始まる基礎実験の手法とかで活きてくるかなと思って取りました。実際、最小二乗法とか基礎実験で使えましたよ〜。
筆者:先見の明ってやつですね。見たとこ、総合に関しても空きコマができないように取ってそうですよね。これは意識したんですか?
Nさん:履修登録のときは特に意識してなかったんですけど、空きコマ作るのは意外とわるくないのかなと思います。空きコマで課題やったり、ご飯ゆっくり食べられるんで.
筆者:スキマ時間を使うのは大事ですよね。理系は必修が多いですがテスト期間とか部活とはどうやって両立したんですか?
Nさん:テスト範囲溜め込むときついかなと思って授業中に頑張ってある程度理解を深めるようにしていました。先生に勉強のコツを聞いた記憶もありますね…。あ、テスト期間は基本的に過去問をといてました。空手部の先輩はしっかり勉強してる人多いんで、過去問やシケプリを譲ってくれるんですよ!それから空手部は7月中旬の「七帝戦」という大きな大会のあと部活がオフになるんです。だから普段からある程度気をつけていれば本格的な対策はオフ期間から始めても十分間に合うかと思います!
筆者:なるほど〜。普段からコツコツやりつつ、オフ期間にガツンと勉強を進める感じなんですね!最後に新入生に一言お願いします!
Nさん:なんだかんだ言って自分の興味のある授業を取るのが、好奇心を満たす意味でも、点数を取る意味でも一番かと思います。とはいえ、どんな授業があってどんなふうに勉強していけばいいか、1Sの時点ではよくわからないと思います。運動会空手部はこれからも履修や大学生活に関する情報をお伝えしていきますので是非チェックしてみてください!!LINEやTwitterでの質問もお気軽にどうぞ!
筆者:いよっ!宣伝上手!(ありがとうございました)
5.先輩の履修計画4:H君の時間割
理科2類 中国語選択
↑Sセメスターの時間割
H君:順当に必修と準必修を取って、教員免許を取ろうって考えてたのがあったので残りのコマは教職課程に必要なもので埋めました。総合Cの日本国憲法が教職課程に必要なので。それからアド理科はキャップ制対象外なのとなんか面白そうだったってのがあって取りました。
筆者:なるほど〜。因みにどうして教職課程を取ろうと思ったんですか?
H君:高校の頃にいい先生にあったこと、兄が教職課程に挑戦していたこと、教員免許をとっておけば職に困らない可能性が高いこと、みたいな感じです。ちなみに白抜きになっているところは潜ろうとしていた講義ですが、途中で疲れて挫折しました笑。
筆者:理系は必修も多くて、アド理科や教職まで取ったらスケジュールが詰め詰めになってしまいますよね?部活もありますし。そのへんはどんな感じで両立したんですか?
H君:まあ勢いですかね笑笑。この時期はなんだかんだでやる気に満ち溢れてるので。あと空手部の新入生は6月以降から土曜練が入るから、それまでは十分勉強ができました笑。本当に興味があって面白いと思える講義なら詰め詰めでもゆーていける笑。
筆者:なるほど〜。1年生の活動が緩めな時期をうまく利用したんですね〜。最後に何かあればどうぞ!
H君:アド理科と教職を取って自分を追い込みましょう!!!
(ちなみに2年からはさらに公認心理師に必要な単位を取りに行く予定)
筆者:ドMですね〜笑。ありがとうございました。
6.因みに…
アド理科とは?
→アドバンスト理科の略。
キャップ制(1セメスターにとれる単位数の上限が30単位、つまりは15コマまでになっている制度)対象外の総合科目。後期教養学部に所属する若手教授が最先端の研究内容などを教えてくれる。優3割規定もなく優上も狙えるが、講義初回にガイダンス・選抜試験がある。今年はオンラインでこれを実施をする。
今年はⅠα:量子コンピュータの理解と演習
Ⅱα:進化概論とPythonでのシミュレーション
Ⅲα:物理学・化学熱力学による生命現象理解
Ⅳα:タンパク質の立体構造解析解説
情報α:深層学習の理解と実践
(Sセメスターのみ、基礎科目「情報」の代用としてよい)
構造化学α:地球大気化学・星間科学概論と実験
(Aセメスターのみ、基礎科目「構造化学」の代用としてよい)
が開講される。
詳しくはhttp://kis.c.u-tokyo.ac.jp/ADRK.htmlを参照。
おわりに
どうだったでしょうか。空手部の先輩方は部活で忙しいながらも勉強も怠ることなくこなし、充実した毎日を過ごしているというわけです。とはいえその勉強計画は様々で、新入生の皆さんにとっても参考になる部分はあったのではないでしょうか?もしこの記事が少しでも皆さんの役に立つのなら幸いです。また我ら東大空手部は皆さんからの相談も受け付けています。小さなことでも何かあればお気軽に連絡してくださいね!