島原エレナさんがカタコトな"理由":メインコミュ128話から、ミリアニ10話へ
はじめに
プロデューサーの皆さんこんにちは。東京大学アイドルマスター研究会のすみだぎんです。本日のミリアニ10話、皆さんはご覧になりましたか?
アイドルに大切なものが分かるとてもいい回でしたね。
ところで、星梨花パパに「セリカのこと心配なのは分かるけど、ケンカしないでネ?」と言っていた聖人がいませんでしたか?
そう、島原エレナさんです。
こちらの島原エレナさんですが、ミリシタで確認するとなにやらカタコトな感じでしゃべっています。
なるほど……。「外国人キャラ」なのかな?そう思う方もいらっしゃるでしょうが、島原エレナさんのしゃべり方には深い背景があります。
この記事では、まず島原エレナさんのしゃべり方は日本語能力によるものではないことを示します。次に、島原エレナさんのしゃべり方の背景について、メインコミュ128話などをカギに考えていきます。そして前節で明らかにした背景を踏まえた上でミリアニ10話での島原エレナさんの描写を振り返り、「アイドルに大切なもの」とは何なのかもう一度検討していきます。
島原エレナさんは何故カタコトなのか:メインコミュ128話から
島原エレナさんの日本語能力について
まずはこちらをご覧ください。
こちらはメインコミュ128話にて島原エレナさんがバラエティー番組に出演するシーンでの島原エレナさんの全発言です。3枚目の「ハ~イ!」と「ワタシ」を除くといつもの「だヨ~!」口調がありません。それどころか、普通に敬語を使っています。このように、島原エレナさんは「だヨ~!」口調でしか話せないから「だヨ~!」口調になっている訳ではなく、(意識的か非意識的かは置いといて)文脈・状況に応じて口調を使い分けているのです。
島原エレナさんと家族
では、そもそもいつもの「だヨ~!」口調はどこから生まれたものなのでしょうか。そのカギは島原エレナさんの家族にあります。
まずは島原家の基本情報について見ていきましょう。
島原エレナさんは現在17歳の高校2年生です。生まれてから6歳までブラジルで育ち、推定小学1年生から日本(浅草周辺)で生活しています。
お父さん(パパン)が日本人、お母さん(ママン)はブラジル人のダブルで、弟には中学3年生の島原ジョアンさんがいます。
次に、島原家の皆さんの口調について見ていきます。弟のジョアンさんは上の画像の通り、永吉昴さんのようなフツーの口調をしていますね。私が確認した範囲ではパパンが喋っているシーンを見つけられなかったので、次はママンの口調を見てみましょう。
あれ!? この口調……知ってるッ!!
そう、エレナさんの「だヨ~」口調そのものなのです。
では、何故エレナとママンで口調が一致しているのでしょうか。以下では私が考える仮説について述べたいと思います。
ところで、島原エレナさんが巷では太陽と言われていることをご存知しょうか。
このように、島原エレナさんは周りの人を巻き込んで、自分もみんなも楽しくなるような空間をよく作っています。
また、こういった行動は自身が孤独を経験したことからきているとメインコミュ22話やメモリアルコミュ5で語られています。
自分が寂しい思いをして嫌だったから、周りにも寂しい思いをさせたくない。それが島原エレナさんなんですね。
そういえば、島原家の中で孤独を経験しそうな人がいませんか?
そう、ママンです。
ママン以外の家族は日本語での流暢なコミュニケーションができますが、ママンは日常会話以外日本語が話せず、難しい話の時には通訳が必要であることがメインコミュ128話で語られています。
恐らくママンはカタコトでしか話せないので「だヨ~」口調になっているのでしょうね。しかし、そんな孤立、エレナさんが見逃すわけありません。(意識的か非意識的かは置いといて)自分も同じ口調を普段使いすることでママンは一人じゃないヨ♪というメッセージを伝え、ママンの疎外感を未然に防いでいるのではないでしょうか。以上が私が考える島原エレナさんがカタコトな理由です。
ミリアニ10話「アイドルに大切なもの」
星梨花パパとの会話
島原エレナさんをふんわり知ったところで、ミリアニ10話での島原エレナさんと星梨花パパの絡みについて振り返ってみましょう。
チャリティーコンサート前、星梨花のお父さんは星梨花のスカートの丈を勝手に長くしてしまいます。こんなに短いスカートで、星梨花が悪質な大人に目を付けられたらどうしよう……。大人たちの悪意に傷つけられてしまったらどうしよう……。星梨花パパはそう考えたに違いありません。(アイドルマスターミリオンライブ! Blooming Clover 第25話;7巻収録 も参照)即ち、星梨花パパは星梨花の勇気が見えていない、星梨花の視点に立てていない厄介ファン、ということですね。
しかし、厄介でもファンはファン。もしかして、星梨花に嫌われてしまったかな……。嫌われていたらどうしよう……。きっとそんな不安とともに星梨花パパはチャリティーコンサートにいらっしゃったのでしょう。
入場後、星梨花パパはエレナさんから声をかけられ、「セリカのこと心配なのは分かるけど、ケンカしないでネ?」と言われます。まずは話しかけたということそのものに注目させてください。星梨花パパはえらく緊張した面持ちでコンサートにやってきました。その表情から不安を感じ取り、エレナさんは話しかけたのではないでしょうか。
そして緊張と不安を和らげるため、エレナさんは「セリカのこと心配なのは分かるけど」という共感のワンクッションを置いていますし、二人はいい笑顔をしています。これらがあったからこそ、星梨花パパは我ながら大人気なかったか……。と素直に思うことができたのでしょう。
星梨花パパはそのままコンサートを鑑賞し、終演後には楽屋に行って星梨花に直接「歌も衣装も素敵だったぞ。」と伝えています。
仲良きことは美しきかな。厄介ファンが厄介じゃなくなっていく過程にエレナさんも一役買っているのです。
ファンの皆さんのことをしっかり見ているということ。ファンの皆さんに、アイドルが自分を見てくれていると実感させること。一人じゃないと感じさせること。これがアイドルに大切なものなのではないでしょうか。
だからこそ、私は胸を張って言うことができます。島原エレナさんは、アイドルだと。
愛のMagic!Once!Again! / 島原エレナ
おわりに:765プロのアイドル
少し1話のことを思い出してみてください。春日未来さんをアイドルへと駆り立てたのは、765PRO ALLSTARSの皆さんの”圧倒的なパフォーマンス”だったでしょうか。仮に魅せられたのが単なる圧倒的なパフォーマンスだった場合、未来ちゃんは「アイドルってすっごいなぁー!」となって、ハイオワリ。アイドルの皆さんを遠い世界の存在に感じてしまうため、「アイドル、やってみたい!!」という夢にはたどり着けません。
想いをステージで届けるためにはアイドルとファンが寄り添うことが必要だと思います。何故なら、ステージとはコミュニケーションなのですから。
最後に「朝焼けと黄金色」の一部を引用して本記事の締めくくりとさせていただきます。長々とお付き合い頂きありがとうございました。
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