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文化祭レポート①【筑駒文化祭2024】
いつもありがとうございます!東京大学高等学校進学教育研究会(通称:東大進学校研)です!
2024年11月2日、東大進学校研の初めてのサークル活動として、筑波大学附属駒場中学校・高校(筑駒:つくこま)の文化祭にお邪魔してきました!遅くなりましたが、文化祭の様子をレポートします。
基礎情報【筑波大学附属駒場中学校・高等学校】
筑波大学附属駒場中学校・高校は、東京都世田谷区に位置する国立男子校(日本で唯一)です。
学年の半数以上が東大に進学するバケモノ進学校。2024年度入試の東大合格者数は驚異の90(1学年約160)!西の灘高校に並ぶ日本トップの超進学校です。
政財界、学界に多くの卒業生を輩出しており、代表的なOBには植田和男(現日銀総裁)、黒田東彦(前日銀総裁)、松平定知(NHKアナウンサー)、東浩紀(哲学者)などそうそうたる面子が並びます。
「自由・闊達」の校風のもと、様々な行事が生徒主体で取り組まれています。今回、我々東大進学校研が調査したのは、三大行事(音楽祭・体育祭・文化祭)の一つであり筑駒最大のイベント、文化祭です。文化祭では、各HRや学芸クラブ、委員会、有志団体が様々な「デコ」を出展します(筑駒文化祭では出し物のことを「デコ」と呼びます)。
文化祭レポート【筑波大学附属駒場中学校・高等学校】
2024年の筑駒の文化祭は11/1(金)から11/3(日)の3日間にわたって行われました。我々が参加したのは11/2(土)、2日目です。小雨が断続的に降り空も暗い中、筑駒の校舎ではそんな悪天候にも負けず文化祭が盛り上がっていました!
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HRによる「デコ」
筑駒文化祭では、中学1年生から高校2年生までの全HRがそれぞれ1つデコを出します。謎解き、脱出ゲーム、カジノなどの体験型イベントもあれば、劇や映像の披露をするクラスもあります。
我々が訪れたデコは高校2-2HRの映画『水曜日のツクコマセイ』と高校2-4HRの映画『駒場のグルメ』です。
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『水曜日のツクコマセイ』
あの某人気テレビ番組『水曜日のダ○ンタ○ン』のパロディ企画。クオリティの高いドッキリや検証企画を楽しみました。企画・台本・映像編集などどれも高クオリティで本会一同声をあげて爆笑してしまいました。生徒だけでなく先生方もノリノリで出演しているなど、学校全体を巻き込んで盛り上がる感じがあり、筑駒の文化祭への熱量が伝わってきました!
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『駒場のグルメ』
こちらも某人気漫画・ドラマの『孤○のグルメ』のパロディ企画。本家に劣らない演技、台詞回し、編集。工夫の賜物だと感心させられました。そして何より料理がとても美味しそう!ラーメンだったりクジラ料理(!)だったり、紹介されていた穴場グルメには昼食を控えた我々のお腹も鳴ってしまいそうでした。(時折出てくる鉄緑ネタからは筑駒生らしさが感じられて本サークルの鉄緑会出身者も笑顔になりました。)
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数々の魅力でいっぱいだったこの企画ですが、中でも我々の中で話題となったのは「駒場のグルメニキ」(我々が勝手につけた愛称です)。黒髪眼鏡に風格を感じさせる立ち姿をしている彼の独特の表情、語り口調に完全に虜になりました。
どちらのデコも隠しきれない知性が溢れ出てきていて、筑駒生の魅力が存分に詰まったものとなっていました。
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コント
筑駒の文化祭の目玉はなんと言っても高3有志のコントです。「コント班」と呼ばれる彼らが小劇場で趣向を凝らした様々な角度のネタを披露してくれました。(一応コントがメインにはなっていましたが、漫才も数組ありました。)どの組もよく練り上げられていて本会一同大笑いさせてもらいました。特に、「筑駒」に頼ったネタがなく、どれも万人に通じるネタで、直球勝負で笑わせにきていたというところに感服しました。
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軽音ライブ
私たちが体育館を訪れた時、そこでは音楽部による演奏が行われていました。バンドによる演奏は大盛り上がり。我々も一同ノリノリでした。ステージの横では大きな掛け声で盛り上がっている筑駒生の姿も。ここでも筑駒生たちの良い雰囲気を感じることができました。
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この体育館は1964年の東京五輪の際にバレーボールの練習会場として建設され、「東洋の魔女」もここで練習を行ったらしいです(『駒場白書』2024年度版より)。
食品販売
中学校舎の前にある「朝日の広場」では、食品班による食品販売が行われていました。雨で肌寒い中でしたが、ホカホカの水餃子スープで体が温まりました。他にもクレープ「つくれーぷ」などの甘いものもいただき、我々のお腹も筑駒で満たされました(?)。
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お土産販売
最後にはお土産の販売所で筑駒グッズを購入しました(クレジットカードに対応!)。筑駒クリアファイルから、筑駒オリジナルのカレーやまぜそばまで。後日食しましたがこれらもまた絶品でした。
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まとめ
以上、筑駒文化祭レポートでした!
私は筑駒と同じく国立大学附属高校の出身なのですが、今回の筑駒の文化祭では「国立高イズム」のようなものを感じ取ることができました。
まず、校舎がボロい歴史を感じられる造りになっていることが挙げられます(筑駒の校舎に入った時、私は母校の「歴史ある」校舎を思い出し、勝手に親近感を抱いていました)。国立高校はお金がないんですね。というのも、基本的に大学と附属校(中学、小学校も含む)を一つのまとまりとして一括で国から予算が降りてくるのですが、大学がその大半を持っていき残りを附属校で分け合う、といった構図になることが多いので、私立はもとより公立よりもずっと財政が苦しい国立高校も存在します。私の出身高校は噂によると国から降りてきた予算の9割近くが大学に充てられ、残りを小学校・中学校・高校で分けていたとか…そりゃ設備が全体的にアレなわけです。
こうした状況を打破するために「OB・OGからの寄付」を大々的に行っている国立高校(学芸大附属など)もあります。国立高校の出身者には、母校の持つ独特の自由で居心地の良い雰囲気が好きだという人が多く、その雰囲気を後輩の代にも伝えていきたいという思いが寄付という形で現れていると言えるでしょう。
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他方、国立高校の特色として挙げれられることが多いのは、文化祭に情熱を傾けがち、ということです。筑駒では文化祭準備に半年ほどかけるのだとか。さらに、直前の週になると文化祭準備のため午後の授業がなくなるそうです。これは私の出身高校でも同じで、文化祭期間は学校全体として文化祭ムードになります。そのため、「文化祭浪人」が大量に発生することも……。筑駒はそれでも圧倒的な進学実績を誇っているところがさすがですね。筑駒生の器用さに感動させられます。
そして、国立高校はやはり自由。文化祭準備に何ヶ月も費やせるのも、学校側がそうした学生たちの青春の営みを寛容に認めてくれるからこそなんです。
自由な高校といえば私立の麻布、武蔵などがまず挙がるのではないかと思いますが、そうした高校の出身者の話を聞いていて感じるのが、「自由の質感の違い」です。これらの高校の自由は、自由の「行使」のニュアンスが強いことが多いですが、国立高校の持つ自由は、自由の「享受」のニュアンスが強いように思います。積極的に未知の領域を開拓していくような勢いには欠けるかもしれませんが、それも自由として許される、そんな雰囲気です。やるも自由、やらないも自由。個々人が自由の下で好きなように過ごせる「国立高イズム」を筑駒からも感じることができ、どこか懐かしさが刺激された文化祭巡礼でした。
(ちなみに私の母校とは大阪教育大学附属高等学校池田校舎です!今後こちらも巡礼するのでお楽しみに!)
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筑駒生の皆さんお疲れさまでした!そして、ありがとうございました!
(2024/12/30)