【TLP紹介】ロシア語
東大前期課程で開講されているTLP(トライリンガル・プログラム)、「ちょっと興味あるけど、TLPの情報が全くなくて決めかねている...」「TLPって具体的に何をするんだろう?」と思っている人は多いのではないでしょうか?
そこで、UT-BASEは知られざるTLPの全貌をまとめた記事を作成しました!記事に掲載されている情報は全てTLP履修生または修了生の経験談に基づいています。ぜひ、皆さんの後悔のない選択にお役立てください!
この記事は2018年度ロシア語TLP生(文科生)への取材に基づいて作成しています。TLPの制度や授業内容、TLP生の雰囲気などは年度によって異なることがあるので予めご了承ください。
履修までの流れ
3月第2週ごろ 合格手続き:TLP履修申請
3月第4週ごろ 諸手続き:TLP履修許可通知を受け取る
4月第2週ごろ ガイダンス・TLP科目開講
4月第4週ごろ 履修登録(TLP科目でも履修登録が必要)
クラスについて
ロシア語TLPは理系・文系合同で開講されており、TLP生は全員で15人程度。TLP生は一般クラスに所属しながら、以下の科目はTLP生と受講する。(そのため、自分が所属している一般クラスの人と一緒に二外の授業を受けることはない。)
ロシア語一列・二列【1S:週2コマ, 1A:週1コマ】
ロシア語初級/上級(演習)【週1コマ】
ロシア語初級/中級(インテンシブ)【週2コマ】
1年の間は初級(演習)/初級(インテンシブ)を受講し、2年になると上級(演習)/中級(インテンシブ)を受講する。
TLP生の雰囲気
TLP生は同じ授業を1Sは週に5コマ、1Aは週に4コマ、2Sは週に3コマ一緒に受講するので、仲は良くなる。定期的テスト後に皆で食事に行くこともある。
勉強に対しては総じてやる気があり、非常に優秀なメンバーもいる。勉強熱心でロシア語の小説を読むことができたり、後期教養のロシア東欧コースに進学して卒論をロシア語で執筆したりするなど、多彩な学生がいる。
ロシア語は理由を持って選択している人が多く、ロシア文学やロシアの政治などロシアの文化や社会に興味がある人や、宇宙開発やロシアのyoutuberに興味がある人もいる。
TLPを受講しながら運動会に所属している、多くのサークルを兼任するなど活動的なメンバーも多い。
スペイン語やフランス語など他の言語のTLPとは異なり、海外在住経験のある学生や留学生は少ない。
授業・履修について
履修するコマ・時間割
TLP生が受講するロシア語の授業は以下の3種類存在する。
①(基礎科目・必修)ロシア語一列・二列【1S:週2コマ,1 A:週1コマ,2S:なし】…TLP生と受講
②(総合科目L系列・必修)ロシア語初級(演習)/ロシア語上級(演習)【週1コマ】…TLP生と受講
③(総合科目L系列)ロシア語初級(インテンシブ)/ロシア語中級(インテンシブ)【週2コマ】…TLP生と受講
いわゆる「TLP科目」と呼ばれる②③の授業に関しては、1年の間は初級(演習)・初級(インテンシブ)を受講し、2年になると上級(演習)・中級(インテンシブ)を受講する。この科目については自分で履修登録を行う必要がある。
1年生のSセメスターは週5コマ、Aセメスターは週4コマ、2年生のSセメスターは週3コマロシア語の授業を受けることになる。
TLP科目などの内容・難易度
インテンシブはロシア語ネイティブの教員が、演習はロシア語ネイティブの教員と日本人の教員が担当した。ネイティブが担当する授業は1Sの初めまでは日本語で行われたが、基本的な言葉を覚えた1Sの途中からはほとんどロシア語で行われた。わからないことがあれば日本語で質問することもできる。日本人が担当する授業は日本語で行われた。
インテンシブと演習は授業で基本的に同じ内容を扱う。リーディング・リスニング・ライティングに重点が置かれるが、TLP科目ではスピーキングの機会もあった。新しい文法事項や表現を学びつつロールプレイや発表を行ったり、教科書の文章を覚えて毎週暗唱したりする。ロシア語上級(演習)では、ロシア語で書かれた小説や論文を読む。
成績・試験について
TLP科目の成績は出席と小テスト、期末試験でつけられる。出席点はかなり重要視され、小テストは毎週実施される。
小テストは単語の意味を問う問題を中心に出題され、期末試験は筆記試験とと面接試験が行われる。筆記試験では教科書に載っている表現を中心に例文の穴埋めとリスニング問題・ライティング問題が出された。面接試験では教科書の文章の暗唱と教員とのロシア語での会話が課された。(ただし、この方式で試験を行っていた教員は他の大学に異動したので、試験の方式は変更されている可能性もある。)
勉強面の負担について
1Sに週5コマロシア語の授業があるときが一番負担が重い。勉強時間は個人差があるが授業外で1日1時間程度。TLPは進度が他のクラスよりも早く、格変化などの文法事項を覚えるのが大変。
継続及び編入について
継続要件
ロシア語TLPを継続するためには以下の要件を満たす必要がある。
・ロシア語一列・二列、ロシア語初級/上級(演習)、ロシア語初級/中級(インテンシブ)全て優以上
・英語一列でG1残留 もしくは 修了までにiELTS7.0・TOEFL iBT 100以上
編入要件
・前セメスターでの英語一列の成績がG1相当であること、もしくはiELTS7.0相当ないしTOEFL iBT100相当の成績を収めること。
・前セメスターでのロシア語一列(・二列)の成績が共に「優」以上であること。文科生はロシア語初級(演習)においても「優」以上であること。
継続する人・編入する人の割合
1Sの段階ではTLP生が15人程度いたが、2Sまで残留して終了したのは10人だった。編入生は1A、2Sそれぞれで2人程度いる。
メリット・デメリット
メリット
・ロシア語の授業を一般生よりも多く受講するので、ロシア語のリーディング、リスニング。ライティングの能力がつく。
・TLP生同士で仲良くなりやすい。
・ロシア語TLPは文科生と理科生が同じ授業を履修するので、理科生と交流する機会が増える。
デメリット
・ロシア語TLPの授業は1限に開講されることが多く、さらに成績評価において出席が重要視されることが多いので、朝に弱い人にとっては辛い。
・理科生は実験の授業が伸びることが多いので、その後に出席重視のTLP科目が入ると大変。
海外研修・その他
海外研修
TLP生以外も参加でき、参加希望者は事前に面接と筆記試験を受けて合格する必要がある。研修にはTLP生以外も含めて15人程度参加する。
内容:サンクトペテルブルク大学での語学研修を中心に、ロシアの各地をめぐる。
期間・時期:2Sの夏休み、9月に2週間程度実施される。
費用:大学から補助が出るため、自己負担額は15万円程度。
その他
TLP生は、ロシア語検定試験の受検費用を全額大学に補助してもらえる。
内部の本音
基本的にロシア語TLPは良い成績を取りやすいので、進振りで高い点数が必要な文三生にはおすすめです。また、ロシア語は文字や文法を身につけるのが大変ですが、その基礎を身につけてしまえば他のキリル文字を使った東欧の言語に応用することができるため、新しく別の言語を身につける際のハードルは低くなると思います。また、授業で扱う論文やソ連のアニメ、授業中の教員の話を通して、キリル文字・社会主義・西洋中心ではない考え方に触れることもできます。
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