【TLP紹介】ドイツ語(理系)
東大前期課程で開講されているTLP(トライリンガル・プログラム)、「ちょっと興味あるけど、TLPの情報が全くなくて決めかねている...」「TLPって具体的に何をするんだろう?」と思っている人は多いのではないでしょうか?
そこで、UT-BASEは知られざるTLPの全貌をまとめた記事を作成しました!記事に掲載されている情報は全てTLP履修生または修了生の経験談に基づいています。ぜひ、皆さんの後悔のない選択にお役立てください!
この記事は2020年度の情報に基づいて作成しています。年度によって制度が一部変更される可能性がありますのでご注意ください。
履修までの流れ(2020年度の場合)
3月第2週ごろ 合格手続き:TLP履修申請
3月第3週ごろ TLP履修許可通知:インターネット上で学生の個人アカウントであるUTokyo Accountが公開され、それと同時にTLP履修の可否が通知される。
4月第1週ごろ TLP担当教員から履修すべき科目などについてメールで通知が来る
4月第2週ごろ TLP科目開講
4月第4週ごろ 履修登録(TLP科目でも履修登録が必要)
クラスについて
ドイツ語TLP生は、文一・理三の学生が集まるAグループ、文二・文三・理一・理二の学生が集まるBグループに分けられる。
2020年度Bグループの場合、1Sセメスター(1年生前期)時点でのTLP生は16人、1Aセメスター(1年生後期)時点では10人だった。
TLP生は各々、TLP生と非TLP生から成るクラスに所属する。基本的にはこのクラスで授業を受けるが、TLP生向けに開講される科目のみ、他クラスのTLP生と一緒に受講する。
TLP生の授業の受け方は以下のようになっている。
(1S=1年Sセメスター=1年前期、1A=1年Aセメスター=1年後期)
ドイツ語一列・二列【1S:週2コマ,1A:週1コマ】…自分のクラスで受講
ドイツ語初級(演習)【週1コマ】…同じグループのTLP生と受講
ドイツ語初級(インテンシブ)【週2コマ】…同じグループのTLP生と受講
TLP生の雰囲気
2020年度のTLPの授業は全てオンラインで行われた。TLP生同士で授業中に雑談したり、LINEグループで連絡を取ったりすることはある。一方、一緒に食事に行ったり、遊んだり、勉強会をしたりすることはない。
TLP生の中にはドイツ語の勉強を非常に頑張っている学生もいれば、授業以外ではさほど勉強しない学生もいる。
スペイン語やフランス語など他言語のTLP生に比べれば、海外在住経験のある学生の割合は低い。
授業・履修について
履修するコマ・時間割
TLP生が受講するドイツ語の授業は以下の3種類存在する。
①(基礎科目・必修)ドイツ語一列・二列【1S:週2コマ,1A:週1コマ,2S:なし】
…自分のクラスで受講
②(総合科目L系列・必修)ドイツ語初級(演習)/ドイツ語中級(演習)
【週1コマ】…同じグループのTLP生と受講
③(総合科目L系列)ドイツ語初級(インテンシヴ)/ドイツ語中級(インテンシヴ)【週2コマ】…同じグループのTLP生と受講
ドイツ語初級及び中級に関しては、1年生=初級、2年生=中級を受講するように定められている。いわゆる「TLP科目」と呼ばれる②③の授業に関しては、Aグループ用とBグループ用のコマが別々に開講されており、1SセメスターではTLPの担当教員からメールで履修するコマを指定された。②③の科目については自分で履修登録を行う必要がある。AグループがBグループ用に開講されているコマを履修したり、BグループがAグループ用に開講されているコマを履修したりすることは原則できない。
1年生のSセメスターは週5コマ、Aセメスターは週4コマ、2年生のSセメスターは週3コマドイツ語の授業を受けることになる。
TLP科目の内容・難易度
「ドイツ語初級(演習)」(以下、「演習」)は日本人の教員が担当し、授業は全て日本語で行われた。「ドイツ語初級(インテンシヴ)」(以下、「インテンシヴ」)はドイツ人の教員が担当した。インテンシヴの授業は1Sセメスターはドイツ語と日本語、1Aセメスターは原則ドイツ語で行われた。ドイツ人の教員の中には英語がそれほど得意でない人もいるので、授業ではドイツ語が多用される。
演習・インテンシヴ共に同じ教科書を使用し、両科目が1つの講義のようにそれぞれの続きを進めていく。授業はスピーキングに重点を置いているが、リスニング、リーディング、文法の解説も行う。また、ライティングの課題が出されることもある。また、授業内容はドイツ語検定試験の内容に準拠している。
成績・試験について
成績決定の仕方は明示されていないが、出席・課題・中間試験・期末試験を考慮して決定されていると思われる。試験ではGOETHE INSTITUTという機関のドイツ語検定試験に準拠した問題が出題される。
参考:GOETHE INSTITUT 試験出題例http://www.goethe.de/pro/relaunch/prf/materialien/A2_fit/A2_Modellsatz_Jugendliche.pdf
また、TLP科目で学んだ内容がそのまま試験に出題されるわけではない。(TLP科目と試験との関係は、学校の英語の授業と英検の関係とほぼ同じ)
中間試験ではリーディング、リスニング、ライティングの能力が、期末試験ではそれに加えてスピーキングの能力が問われる。スピーキングの試験では、①学生同士でドイツ語で会話し教員が採点する形式、②教員と学生の面接形式の2つの方式が取られる。
学生同士でドイツ語で会話し、それを教員が採点する。
参考:GOETHE INSTITUT スピーキング問題出題例
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/sta/tok/prf/gzfit2/ueb.html
勉強面の負担について
TLP科目の進度は速く、自分で復習していることを前提にして授業が進んでいく。また、授業で扱う語彙量が多く、それぞれの単語の性や活用まで覚えるにはかなり時間を割かなければならない。
授業外での勉強時間は学生によって異なる。教員のドイツ語の発言を瞬時に理解できるくらい勉強している学生も数名いる一方、授業以外であまり勉強しない学生もいる。試験前は、少なくとも教科書を一周し、授業で扱った単語を一通り復習する。
継続および編入について
継続要件
ドイツ語TLPを継続するには、各セメスターで以下の条件を満たしている必要がある。ただし、ドイツ語TLPの場合、継続要件が明文化されておらず、口頭でしか伝えられない。そのため、実際には教員の裁量が影響すると考えられる。
・ドイツ語一列・二列で「優」以上
・英語一列の成績がG1(≒=上位1割)(もしくはiELTS7.0以上 TOEFLiBT100以上)
※英語一列の成績に関しては、G2やG3でもTLPの継続が認められたケースが存在する。
編入要件
定員に空きがあれば、1Aセメスター・2SセメスターでTLPに編入することができる。編入のためには以下の条件を満たしている必要がある。
・ドイツ語一列1・二列1の成績がともに「優」以上であること
・英語一列1の成績が G1 相当と認められること
上記の要件を満たした上で、ドイツ語部会の教員に申請を行い、口述を中心とした編入試験を受ける。編入試験に通れば、TLPの受講が認められる。
(参考)2020Aセメスターの募集要項
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/zenki/news/kyoumu/tlp_german_20200910.pdf
継続する人・編入する人の割合
2020年度の場合、1SセメスターでのTLP履修者は14人だったが、そのうち履修を継続したのは8人だった。また、1AセメスターからTLPに編入した学生は2人だった。TLP履修を辞める動機としては、勉強の負担が重いこと、ドイツ語学習へのモチベーションが見出せなくなったこと、他に履修したい総合科目があることなどが挙げられる。
メリット・デメリット
メリット
・TLP科目では「優」や「優上」の成績を取りやすい。
・TLP科目の勉強がドイツ語一列・二列の復習にもなるという相乗効果がある。所属するコミュニティが増えるので、友人が増える。
・理科生と文科生が同じ授業を受けるので、理科生でも文科生の知り合いができる。その逆もまた然り。
・グループによっては中間試験の後に教員がケーキをくれたこともある。
・毎年、ドイツ語TLP生向けに任意参加のクリスマスパーティーが開かれる。パーティーにはTLPを修了した上級生も参加するので、学年やグループを超えた交流ができる。
・ドイツ人の学生と交流するイベントに参加することができる。
デメリット
・履修しなければならない科目数が多い。
・授業についていくには復習に加え、授業内容の予習が必要。
・「わからないところが多すぎて質問できない」状態に陥る学生もいる。
・TLP科目の曜限(ある授業が開講される特定の曜日と時限のこと)は他の総合科目が多く開講される曜限と重なることが多い。そのため、履修したい総合科目が受けられないこともある。
海外研修・その他
2020年度は海外研修を実施できなかったため、以下のような任意参加の講座が開かれた。
ドイツ語検定試験対策コース
内容:ドイツ語検定試験の対策講座。答案の書き方や問題の解説などについての講義を受ける。
その他任意参加イベント
・ドイツ人の学生との交流会
・ベルリン自由大学のオンラインコース(受講料免除)
・国際ワークショップ
内部の本音
基本的には楽しく、TLPを通して友人を増やすこともできます。ただし勉強の負担が重いので、ドイツ語が好きじゃないとTLPを続けるのは大変だと思います。「入試の英語でいい成績を取れたから」という理由でなんとなく入ると後悔するかもしれません。
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