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雷で祟る恐ろしい(?)菅原道真を愛する飛梅と飛松と桜
桜は、主を失ったショックに耐えられず全ての葉を落として枯れてしまった!
松と梅は、いたたまれず、手を取り合い、遠い太宰府まで、飛んで行く事にした。
京都⇨福岡
菅原道真
平安時代の貴族で学者、右大臣(ナンバー2)にまで上り詰めたが周囲の貴族達に疎まれ、無実の罪を着せられて太宰府に左遷される。
道真は、長い旅に出る直前に、邸宅に植えられた梅の木に言い残した。
「東風吹かばにほひおこせよ梅の花、主なしとて春な忘れそ」
自分はいなくなるけれど、春には花を咲かせるんだよ。
松と梅は、九州の博多を目指して飛び続けたが、松は途中で力尽きた。
しかし、梅は、太宰府まで辿り着いたのだという。
太宰府では、見るに堪えないボロボロの家を与えられ、給与も従者もなく、食うや食わずの毎日を過ごした道真の元で、
贈られた歌のとおりに、春に花を咲かせ、梅は誇らしかったに違いない。
イラスト:原翠ユキ様
梅の花言葉が、その姿に似つかわしくなく、「忠実」「忠義」なのはここから来ている。
道真は失意のうちに世を去るが、飛梅は今もその場所で咲き続けている。
現在、太宰府天満宮には約200種、6000本の梅が植えられている。
北野天満宮には、50種、約1500本
道真は、詩を詠み読書をする毎日だったという。自分を重用してくれた宇多上皇を最後まで慕い、醍醐天皇を恨む詩歌も残されていない。
しかし、京の都では
菅原道真の没後、左遷の首謀者達が次々と亡くなる。疫病が蔓延し、930年には清涼殿で激しい落雷による火事が起こり、菅原道真が雷神になって雷を落としたと噂が立った。
菅原道真の所領地であった桑原には雷が落ちなかったので、「くわばらくわばら」と唱えると雷を回避できると言われるように!
道真は、本当に祟るつもりだっただろうか?
942(天慶5)年、平安京の右京七条二坊十三町に住む多治比文子(たじひのあやこ)に、道真の霊が乗り移る。文子に憑依した道真は自分を祀るように強く求めたという。
https://toyokeizai.net/articles/-/376544?page=2
御霊信仰
人が死ぬと魂が霊として肉体を離れるという考え方は、例えば縄文期に見られる屈葬の考え方のように、原始から存在していた。こうしたことから、「みたま」なり「魂」といった霊が人々に様々な災いを起こすことも、その頃から考えられていた。古代になると、政治的に失脚した者や、戦乱での敗北者などの霊が、その相手や敵に災いをもたらすという考え方から、平安期に御霊信仰というものが現れるようになった。
悪い事をすれば祟られる、日本人に一番馴染み深い信仰なのかも知れません??
全ての天変地異を怨霊のせいにして、怨霊を慰める行為によって、一時の安心感を得ようとしているようにも見えます。
後ろめたかった人々の都合で、祟り神として祀られてしまう道真だった‥
雷神wikiより
京の人々に、北野の地に元来祀られていた火雷神(天神地祇)と、道真の怨霊が結び付けて考えられた為、火雷天神と呼称された。
朝廷は非を認め、手厚い処遇をして北野社に祀り、道真公は王城の守護神となり、雷神となった道真公は災厄を除く神となった。
強い怨霊ほど、神としてもてなせば、より強い御利益を与える存在になる。
そして、月日と共にかつての疫病や落雷の恐ろしさは忘れられていく。
火雷神wikiより
火雷神は、もともと農業に必要不可欠!
雷が落ちると農作物がよく育つと言われています。大音量が与える振動が良いのではないかと研究もされています。
「雷で稲が豊作」は本当かどうかの実験
放電した水は通常の水に比べ、窒素量が約1・5倍だった。窒素は肥料の3要素の一つとされることから、放電で空気中の窒素が水に溶け込み、成長の違いに影響した!
雷の語源は、神鳴り。夏から秋にかけて、稲に妻が与えられるので(イナズマ)、子供が沢山産まれます。
都においてはひたすら恐れられる雷が、農村では恵みの雨とセットで大歓迎されていた。
天神信仰wikiより
平安時代末期から鎌倉時代にかけて、怨霊として恐れられることは少くなった。この頃に描かれた『天神縁起』によれば、この時代では慈悲の神、正直の神、冤罪を晴らす神、和歌・連歌など芸能の神、現世の長寿と来世の極楽往生に導く神として信仰されるようになっていた。
子沢山だった道真
生前、貧しい人の事を気にかけていた事や、子供達を愛していた、そして誰よりも勉学に励んだ道真の人物像を知った人々は、あやかりたいという思いから、学問の神として崇められるようになる。
学業成就
100年の間、散々疫病と洪水と火事と地震の原因にされた後の、「どうか神様、願いを聞いてください!」
これには、多少困惑気味ではないですか?
生前は、祈らなくても神は助けてくださる。神は仕事でも勉強でも、努力をする者を助けると言ったそうですね!
梅花祭
11歳の道真が作った漢詩
「月夜見梅花 月燿如晴雪 梅花似照星 可憐金鏡転 庭上玉房馨」
(今宵、月の明りは雪に日の光があたったように明るく、
そこに咲く梅の花はきらきらと輝く星のようで、本当に素晴らしい。
空から月が照らすこの庭には梅の花のよき香りが満ちている)
「ぇ雷の神とかカッコ良くない??それで植物全般よく育つなら、梅も綺麗に咲くだろうしね!」11歳の道真だったらそう言いそうだな。
一生一代のお守り
何故、梅がひと晩で飛んで行ったのか
結論 頑張り屋さんだったから
強靭な梅「こんな姿になってしまいましたが、根性で辿り着きました。道真公、私がお分かりですか!?!?」
梅の花言葉:忍耐