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Vol.24「漫画家の一番の責務は物語を完結まで導くことである」

もっといいタイミングがあったはずなんだけれども、今日書かないといけないと思ったので今日書いてみる。

タイトルは伏せるが、連載雑誌の最後に掲載された回の最終ページに「次回、大団円です♩」というアオリがついていながら、未だに最終回が掲載されていないまま8ヶ月が経過している漫画がある。(余談だが、同じ号に次号大団円と宣伝された漫画は無事、完結している。)

「そんなことでカッカするなよ、世の中には作者が2年も病気で未だに続きが読めない漫画だってあるんだぜ」などと言いたい気持ちはわかる。だが最後まで聞いて欲しい。

この漫画の作者の最大の罪は、「いま連載している漫画、しかもあと1回で終わる作品をほっぽり出して、その雑誌とは別の出版社から出しているアンソロ作品に参加している」ということである。

つまりだ。この漫画家はまだ確定はできないが、「投げ出した漫画家」なのである。

過去のnoteで書いたが、俺は未だに「VECTOR BALL」の続きを待っている。なぜかというと、これが最終回だなんて信じたくないからだ。

昔は「いくら途中まで面白かったけどラストはちょっと・・・」って思える作品を低く評価していた。それでも今は、「完結させただけで御の字じゃないか」とも思えるようになってきた。

名前は伏せるが、「伏線をこれでもかと仕組んで、終わるときはそのほとんどを本筋に関わるもの以外は回収しない」漫画家がいる。大抵、その漫画家の作品が完結した時にはSNSや悪質まとめサイトで叩かれたりするが、それでも今まで長く続いた作品を、売り上げのためにもっと長く続けたいと思っている編集部の強い意志をはねのけて無事完結までこぎつけるのは本当に大したものだと思っている。

「不定期で掲載して頑張って終わらせようとしているけど終わりが見えない作品」、「作者がある病気で描けなくなって連載が止まっている作品」、「編集と揉めて続けられなくなった作品」、そして、「作者逝去につき完結する可能性がなくなった作品」、俺が最初にあげた某作品はどの作品にも該当しない。ただ「作者が飽きたから終わらせるのを諦めた作品」なのである。(もしかしたら3番目かもしれないけど)

可能性は低いが、この日記を読んでいる作者様にメッセージを送るならば、「先生、あと1回描けば終わるんですから逃げてないで最終回を描いてください。編集部と揉めているならば、無理を通して他の雑誌で最終回を描かせてもらってください。」

以上、その作品より同じタイミングで次回最終回と宣告された方の漫画が好きだったものより。


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富士口勇生
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