ヤリスHV、1,200kmランで感じた自動車の進化
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで売れている新型ヤリス
元々ヴィッツの海外名だったヤリスを統一しただけで、要するに新型ヴィッツです。
しかし、新型ヤリスは初代ヴィッツが登場した時と同じような驚きを今回体験できました。
北海道を舞台に1,200kmのドライブでのレビューをご報告させていただければと思います。
①試乗車輌
【カタログスペック】
ヤリスハイブリッドX 4WD(E-Four)
エンジン:M15A-FXE
排気量:1,490cc
エンジン出力:91ps
フロントモーター出力:80ps
リアモーター出力:5.3ps
サスペンション:FストラットRダブルウィッシュボーン
燃料タンク:36L
車重1,160kg
【カタログ燃費】
WLTC:30.2km/l
市街地:31.5km/l
郊外:33.2km/l
高速道路:28.0km/l
②内装
以前GRヤリスに1,200km程試乗していたので、
「あ、なんだ、やっぱり同じなのね」
というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、
結構好きなんですこの内装。
センターのドリンクホルダーが少し後ろにあるのが気になりましたが、ハンドルの造形やメーター周りの見やすさ、そして何より...
最近のFF車に多くかった、バカデカイダッシュボードが、小さくなってるんです。
これにより視界はもちろん、取り回し時の運転のしやすさにも繋がっていました。
意図したのかは分かりませんが、ナビ下の小物置きにスマホがちょうどよく入るんです。しかも横に立て掛けても安定する。とっても便利です!
③走り出し、市街地
さすが1.5Lハイブリッド、パワーというよりたっぷりとしたトルクが魅力的です。信号ダッシュも、住宅街でも、ゆとりの走りと言えます。
確かにエンジンサウンドは3気筒らしいソレですが、エンジンがフル回転することはあまりないので特に気になりませんでした。
一番気に入ったのは、ハイブリッドシステムの進化を感じたことです。
従来のTHS(TOYOTA Hybrid System)では、加減速時のモーターと回生ブレーキのギクシャク感が否めず、不意に急加速や急減速をしてしまい、個人的には嫌いでした。
それが今や、アクセルを踏んだ瞬間、違和感なく自然に加速していきます。
THS自体は第4世代に進化しており、EVモードの高速化や駆動系の改良、エンジンの燃焼効率の改善を重ねてきましたが、このM15A-FXEに関しては自然に運転できるということが特筆すべき点だと思いました。
④街を出て郊外へ
北海道の田舎道は急カーブも信号も少ないため、全体的に流れが速いです。
時速○0km/h前後で流していると、メーターの燃費はぐんぐん上がり、27km/Lあたりで頭打ちしました。
石勝樹海ロードを抜けて日勝峠へ
峠の難所と言われ、勾配のきつい区間です。
ここで気になるのが、モーターの充電不足。
平坦路では充電と加速がコンスタントに行われてパワー不足を感じないのですが、長い登り坂では厳しい。
しかしヤリスHVは何のストレスもなく登っていくのです。登坂車線が来たならばトラックをドンドン追い越します。
⑤シャシーの良さを感じるコーナリング
トヨタの新プラットフォームであるTNGA
元々ヴィッツやそれをベースにしたカローラの走りはノーマルでも悪くなかったのですが、
新型ヤリスは安定感が違います。
従来型はハイスピードでカーブに進入すると、重心の高さからかどこかへ飛んでいきそうな、高いところで重いものが動いているような感覚がありました。
一方ヤリスは、
ちょっとオーバースピードで進入してもよく粘る足と低重心のおかげで、同じ速度でも感覚的にゆったりと曲がることができました。
カーブでの緊張感は、長距離ドライブの疲労の一因。
まさしく、乗って走って楽しいクルマです。
⑥突然の未舗装路で感じたE-Four
途中、トムラウシ温泉に寄り道しました。
驚いたことに、平然と未舗装なんです。
温泉までの道はこれしかありません。
カーブに差しかかりリアが軽くスライドしかける。
出口に向かってアクセルを踏むと、リアのモーターが思いの外駆動してくれるんです。
E-Fourなんて...とバカにしてましたが、
さすがはモーター。
瞬発力は侮れないですね
⑦高速道路で疲れたらクルコン
トヨタの運転支援システム
“Toyota Safety Sense”
これに付属するレーダークルーズコントロールが、
かなり賢いんです。
30km/h以下でオフになるので、
ストップ&ゴーではスバルのツーリングアシストに譲るかもしれませんが、高速道路では負けません。
操舵支援はしっかりと車線をトレースしますし、
設定速度も180km/hまであります!Σ( ̄□ ̄;)
疲れてきた頃合いだったので、非常に助かりました
道東自動車道を100km/hで巡航していましたが、
それでも平均燃費は25km/l~29km/lでした。
⑧総評
札幌~帯広~釧路~知床~網走~旭川~札幌
この1,200kmに及ぶロングランで
実燃費28km/L(カタログ比92%)
燃料タンク容量が36Lしか無いくせに、1,000km走る計算になります。これはすごい!
そして何より、全然疲れませんでした(笑)
ゆとりのあるトルクと、安定した走りのおかげです
GRヤリスの下位互換ではありますが、個人的には違った性格でこれはこれで好きかもしれません。
車両本体価格¥2,241,000~
これは、買いでしょう!
拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m