2022.7.1 マーサ・ナカムラ「もっと変な話がしたい」を見た

桶川にあるさいたま文学館にマーサ・ナカムラ「もっと変な話がしたい」という展示を見に行った。桶川駅には、ほとんど降りたことがない。マーサ・ナカムラ氏のことは何も知らない。展示のチラシを偶然見かけてここまで来た。暑い。

平日昼間だからか静か。ベニバナウォークのマックでダラダラしている老若男女。桶川はベニバナ推し。公園に古新聞を束ねたようなオブジェ。三島喜美代っぽいと思ったが、作者名が書いていない。

文学館はガラス張り。手動の木製ドアを押し開けて入館。もぎりに券を提示。小学生くらいの女児と40代くらいの男性が先客。地下に降りて展示室へ。

薄暗い中に灯台のようなオブジェが立っていて、光が360度ぐるぐるまわっており、「インスピレーションが、インスピレーションが、湧いて来ると、いいなあって、、、」と女の人の話す声が流れている。壁に書かれた文字がところどころラメで、灯台の光にきらきらと照らされている。灯台のすぐ左横にモニターがあり、マーサナカムラ氏と思われる女性のインタビュー映像が映し出されている。

灯台より左に行くと常設展、右に行くと企画展。まずは左へ。

埼玉県ゆかりの作家の著作や原稿など。装丁が綺麗。花月2号表紙、緑の輪郭線の雲。安藤鶴夫の巷談本牧亭。本牧亭は確か今の鈴本演芸場。気になる。

右側へ。スウェーデンかどこかの神話?の詩が細かい文字で壁一面にかかれている。

合間に常設と思われる「蘇る文豪の声」コーナー。骨格から分析して文豪の声を作成した、みたいなことが書いてある。ヘッドフォンを装着し、清少納言の声を聴いてみたが、なんとも言えない。

企画展に戻る。マーサ・ナカムラ氏の学生時代のノートなど、私物が展示されている。現存する30代くらいの人の私物かと思うと、なんだか生々しい。
文字がびっしり書かれたふとん。これも作品に出て来るのか?全体的にシュールな展示だった。

展示室から出て2階に上がる。壁一面ガラス張りなので、外がよく見える。入り口の前に設置されたスチール棒の先端に赤いぐにゃぐにゃの枝みたいなのが何本かくっついたオブジェの赤い部分が風に揺れている。

図書室へ。入室前に、ロッカーに荷物を預けないといけないらしい。古そうな本がいっぱい。やはり装丁が気になるが、触ったら棚に戻さず消毒待ちコーナーに持っていくように、と言われたので、あまり触らないようにする。安藤鶴夫の我が落語鑑賞を少し立ち読み。あと下町の記憶も楽しそう。本を読めるひとり用のブースもあり、おじいさんが2人、何かをまじめに読んでいた。貸し出しはしていないらしい。

1階にもどり、企画展のパンフレットとマーサ・ナカムラ氏の著作「狸の匣」を購入。

文学館をでて、駅の反対側の小林家住宅という文化財をカフェ兼ギャラリー?にしたブラッドベリという喫茶店に行こうとする。
東口を降りるとたこ焼きか何かの屋台が目に入る。おもちゃお爺さんの店という味な看板。身代わり地蔵。そこかしこにベニバナの文字。

喫茶店にたどり着く。覗き窓から中を見てみる。薄暗い。コーヒーカップなどがたくさん並べられている。ドアを押してみる。開かない。引いてみる。開かない。、、、やってないのか。自転車に乗った若い女の人がこちらに向かって来る。かと思ったが、店の様子を見て引き返して行った。

諦めて駅に戻る。途中、バーの軒先に、ウィスキーの瓶がずらっと並んだ自動販売機を見つけた。