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【アルバート、はなして】 たぶん稽古を4,5回やった。

稽古は続いている。ペースは人それぞれ。

今はまだまだ耕す時間。台本も今、今回のために書き換えられている。

稽古の時間をもっと遊びに費やしたい。まだ2ヶ月ある。可能性を探る稽古。遊びとは、答えに向かってないように見える「実験」という意味だ。当然、なんの脈絡もなく遊んでいるだけでは成立しない。けど、遠回りが結果、近道になる事は関川さんと作った「夜、ナク、鳥」で知っている。一見、ゴールに向かってない稽古が、豊かさを育むのにとても重要だと思う。僕らは演劇という「無駄」を作っているのだから。無駄のない稽古には、豊かさは生まれないような気がする。

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そんな事を思うここ数回の稽古。遊べる人はしっかり遊んでいる。僕は作品の中心なので、最後の最後まで余計な遊びのことは考えずに、作品の肝ことを考え続けようと思っている。

全員がフラットに同じ目線で遊べるようになるためには何をしたらいいんだろう。年齢も経験も立場も違う様々な人たちが集まる稽古場では、どうしても同じ目線にならない事がある。そこには、年齢も経験も立場も関係なく、例えばネットの中で名前を隠して、好きな事に対して好きに話し合う人達の様な平等さがあればいいのにと思うのだけれど。知らない事を伝えあって、困ったことは助け合い、全員が一つの目標に向かって進めたらいいのだけれど、そこには色々なバイアスがかかって、そう上手くはいかない。

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いや、稽古場の雰囲気が悪いなんてことは言ってないんですよ。ただ、多様性を認めたり、弱いものに光を当てるような「演劇」をやってるはずなのに、なんかしらんが体育会系のノリだったりで、多様性が認められず、弱いものを置き去りにしたりする現場が多かったなぁと、過去の経験から思うわけです。そういう演劇の世界には居たくないのです、僕は。
かといって、それはやってこなくていい理由にもならないんだけどね。

う〜ん「アルバート、はなして」の稽古の話をするつもりが、なんか違う方向にベクトルが向いている…。

「アルバート、はなして」の稽古は、順調なのかどうなのかはまだ判断しかねますが、いつもの彗星マジックより長い稽古期間で、じっくり稽古をしております。きっと、長いと思っていたらあっという間に終わることでしょう。先手先手を打って、渾身の作品をお届けしたい。そんなふうに思っております。


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立花裕介
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