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【夜、ナク、鳥】 描かれてないセカイこそ、描かなきゃいけないな。

とうとう仁さんと稽古場で一緒になった。
てか、とうとう現場で一緒になった。
初共演。絡みはないんだけど。
でもだからこそ、稽古場では仁さんの芝居を冷静な目で見れるわけだ。

板の上での絡みはないけど、物語上の絡みはある。

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「あ〜僕はこういう人と時間を過ごしていたんだなぁ。仲は良かったんだろうか?どんな会話をしていたんだろうか。話は合うんだろうか。」

そんなことを考えながら仁さんの芝居を見ていた。
つもりになっていたパズルのピースの色、みたいなものが見えてきた。輪郭はきっとこれから。うねりにうねらせて形が決まっていくんだろうなぁ。まだまだピースを探していく。多いに越したことはない。

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誰かが変われば自分が変わり、自分が変われば誰かが変わる。そんな影響を受けあいながら全員で芝居を形作っていくんだろう。今までもやってきた事なんだけど、今回はよりそこを意識して取り組んでいる。偶然にもそこを意識せざるを得ない事が続いてる。たぶん、そういう事なんだろう。

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さて、本番にはきっとこんなシーンはない。ないんだけど、稽古していたらこんなことになっていた。いつものように、比較的自由にセリフを交わし合っていた最中にこうなってしまった。そもそもこのシーン、本当は僕も河上さんも出てはいない。いつもの、関係性を探り合う時間。

この、一見何かよくわからない形になってしまった引き金は久保田ちゃんだ。彼女とも板の上で絡むことはないんだけど、物語の上では何度も会っている。そうだ、僕はたぶん彼女のことをよく知っている。本当は何も知らないんだけど、よく知ったつもりになっている。なるほど。

てか、関川さんの稽古は面白い。なんというか、役者へのヒントの与え方が具体的だ。言葉でなく、肉体に直接訴えてくるヒント。僕は、そのヒントから自分なりの答えを出さざるを得なくなる。今までこういう稽古してこなかったなぁと思いながら、関川さんも「すげぇ勉強した」って言ってたから昔から使われている技法なんだろう。出会わなかったんだよなぁ。いや、もしかしたらニアミスはしていたかもしれない。

明日は初めてキャスト全員が揃う。台本を持ったまま通しをするそうだ。まだやってないシーンもある。それでも今まで蒔いてきた種の芽が出てくる瞬間が何度もあるんだろうとワクワクしている。

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立花裕介
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